特集
Windows 2000 ServerのソフトウェアRAIDを極める(後編)

3. 最適なソフトウェアRAID構成を考える

デジタルアドバンテージ
2002/12/25


 RAID構築後の気になる性能だが、111フォルダ、263ファイルの合計28.3Mbytesを100BASE-TXのネットワーク経由で各方式のボリュームに書き込むことで確認してみた。その結果、シンプルボリュームの11.75秒に対して、ミラーボリュームで13.24秒、RAID-5ボリュームで15.17秒であった。やはり、RAID-5ボリュームではパリティの生成や複数のディスクへの書き込みが必要となることから、多少書き込み性能が落ちてしまうようだ。このときのCPU占有率は、シンプルボリュームの8%に対して、ミラーボリュームで9%、RAID-5ボリュームで11%と、やはりRAID-5ボリュームが少々高めとなる。ハードディスク負荷もRAID-5ボリュームでは平均85%と高く、ときたま100%となることもあった。サーバに高い性能を求める場合は、ハードウェアRAIDの導入を検討した方がいいだろう。

ソフトウェアRAIDの最適な構成は?

 ミラーボリュームはシステムボリュームならびにデータボリュームの両方に適用できるが、ハードディスクの利用効率が低い。一方、RAID-5ボリュームは、冗長化可能な上、ハードディスクの利用効率が高いが、システムボリュームには適用できない。エントリ・サーバにおけるソフトウェアRAID構築を前提とした場合、どういった組み合わせがよいのだろうか考えてみよう。

 まずシステムボリュームだが、冗長化を行うには選択肢はなくミラーボリュームとするしかない。しかし、システムボリュームは前述のようにバックアップ・ソフトウェアを使い、冗長化しないという選択肢もある。就業時間中は、常に稼働状態にしておく必要があるのならば、やはりシステムボリュームはミラーボリュームにしておいた方が無難だが、30分程度ならばサーバを止められるというならば、バックアップ・ソフトウェアの利用も検討したい。

 さて、システムボリュームをミラーボリューム化する場合においても、2台のハードディスク全体を1つのボリュームとしてミラーボリューム化し、システムとデータの共存を行うのと、システムボリュームとデータボリュームを別々に分けてミラーボリューム化とするという方法が選択できる。ミラーボリュームの場合は、[ミラーの解除]コマンドによって、ミラーボリュームからシンプルボリュームへの変更が可能なので、柔軟性という面ではボリュームを複数に分けておいた方がよい。シンプルボリュームに変更した場合でも、ミラーボリューム上のデータは維持されるので、構成変更が簡単に行えるからだ。[未割り当て]領域が残っていれば、ボリュームの拡張も行える。運用上は、システムボリュームとデータボリュームは別々にミラーボリューム化した方が柔軟性が高いことが分かる。

 データボリュームの冗長化を行う場合、RAID-5ボリュームも選択できる。ハードディスクが最低でも3台必要になるが、利用効率という面ではミラーボリュームよりもRAID-5ボリュームの方が高い。ただし、一度RAID-5ボリュームを生成すると、ミラーボリュームと異なり、データを維持した状態でシンプルボリュームへの変更は行えない([ボリュームの削除]しか行えず、当然ながらデータはすべて壊れてしまう)。ボリュームの容量も増やせないので、初期の設定を慎重に行うようにしたい。

 ミラーボリュームとRAID-5ボリュームには、それぞれメリット/デメリットがあるため、両者を組み合わせて図のような構成が望ましいと思うかもしれない。

ミラーボリュームとシステムボリュームの組み合わせによる冗長化
システムボリュームをミラーボリューム化し、データボリュームをRAID-5ボリューム化することで冗長性と利用効率の両立を考えた構成にした。

 しかし、IDEディスク1もしくはIDEディスク2に障害が発生した場合、システムボリュームとデータボリュームの両方を修復しなければならない。一見すると効率のよい冗長方法のようだが、障害からの復旧を考えた場合、作業が複雑になるため、あまりおすすめできない。もし、データボリュームをRAID-5ボリューム化するのであれば、システムボリュームはシンプルボリュームで運用するか、IDEインターフェイスを追加して別の2台のハードディスクでミラーボリュームとした方がよいだろう。

 さて、こうして構築したミラーボリュームもしくはRAID-5ボリュームだが、威力を発揮するのはハードディスクに何らかの障害が発生したときである。しかし、障害が発生した場合は、復旧作業を行わなければ、さらに別のハードディスクに障害が発生した場合にシステムやデータが失われることになる。そこで、次ページでは、ソフトウェアRAIDの障害復旧の手順についてみていくことにする。


 INDEX
  [特集]Windows 2000 ServerのソフトウェアRAIDを極める
    1.システム ボリュームのミラー化を試す
    2.システムボリューム以外を冗長化するには
  3.最適なソフトウェアRAID構成を考える
    4.ソフトウェアRAIDの障害復旧の手順は?
 
 「System Insiderの特集」


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