特集
Windows 2000 ServerのソフトウェアRAIDを極める(後編)

4. ソフトウェアRAIDの障害復旧の手順は?

デジタルアドバンテージ
2002/12/25


障害発生からの復旧

 いくら冗長化しても、障害発生からの復旧が面倒だったり、困難だったりすればまったく意味をなさない。そこで、ソフトウェアRAIDにおける障害復旧方法について紹介しよう。

 ハードディスクに何らかの障害が発生すると、通常は予兆として書き込みエラーや読み出しエラーなどの頻度が高くなる。このときソフトウェアRAIDでは、イベントビューアにディスクI/Oエラーなどが記録され、再書き込みなどが発生するためハードディスクの性能が落ちることになる。ただ、そのRAIDボリュームをネットワーク経由で利用しているような場合は、「少しハードディスクのレスポンスが悪くなった」程度しか感じないことが多い。この時点では、[ディスクの管理]上でエラー状態にならないことも多く、管理者も見逃しがちである。この点、ハードウェアRAIDは、ハードディスクに書き込みエラーなどがある程度の頻度で発生するようになると、そのディスクに対する書き込み/読み出しを停止し、ユーティリティなどによって障害を報告する機能を持つものが多く、管理が容易となっている。

 さらに障害が進み、ミラーボリュームまたはRAID-5ボリューム内で不整合が発生すると、[ディスクの管理]ではエラーが発生したボリュームが[正常]から[冗長の障害]または[冗長の障害(危険)]に変わる。これはディスクI/Oエラーが検出されたことを示すもので、この状態になると冗長性は失われる。この状態では、ディスクが「オフライン」になっているはずなので、[ディスクの再アクティブ化]を実行し、「オンライン」にする。[冗長の障害]の場合はこれでボリュームの状態が[正常]に戻り、[冗長の障害(危険)]の場合は[冗長の障害]に変わるので、[ボリュームの再アクティブ化]を実行する。それでもボリュームの状態が[正常]にならない場合は、ディスクが故障しているので、早急な交換が必要になる。また、頻繁にディスクI/Oエラーが発生する場合も、早急にハードディスクの交換を行うべきだ。

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ミラーボリュームでエラーが発生した場合
ミラーボリューム化したシステムボリュームにエラーが発生すると、[冗長の失敗(システム)]と表示される。ミラーボリューム化されているため、この状態でもシステムの起動や運用は可能だ。
  ハードディスクが認識されないと[不足]という表示に変わる
  [冗長の失敗(システム)]となったら、すぐに復旧作業を行うこと
 
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RAID-5ボリュームでエラーが発生した場合
画面はディスク2に障害が発生し、ハードディスクが認識しなくなった場合だ。やはり[冗長の失敗]と表示される。
  ハードディスクが認識されていないことを示している
  この状態では冗長化が行えないため、非常に危険な状態となる

 ハードディスク自体が認識されなくなってしまった場合は、ボリュームは[冗長の失敗]となる。この状態でもRAIDボリュームへの読み書きが行えるため、[ディスクの管理]やエラー・ログなどを常に確認しておかないとRAIDボリュームに発生した障害を見逃すことにもなりかねない。もちろん、さらに別のハードディスクに故障が発生すれば、すべてのデータが失われることになるので、早急に復旧する必要がある。

 上述のような状況では、まず[冗長の障害(危険)]の場合と同様、[ディスクの再アクティブ化]の実行を試してみよう。それでも[冗長の失敗]のままならば、ハードディスクの自体かインターフェイスに障害が発生している可能性が高い。本体を開け、[ディスクの管理]で×となっているハードディスクのIDEケーブルや電源ケーブルが外れていないかどうかを、まず確認する。問題がないようならば、この状態で電源を入れて、ハードディスクに異音がないかどうか、またディスクが回転しているか(振動や稼働音)を再確認しよう。ここで何らかの異常を感じたならば、ハードディスクが故障している可能性が高い。異常を感じないようでも、ハードディスクが認識されないようならば、ハードディスクの交換が必要になる。

 そこでサーバの電源を落とし、ハードディスクを物理的に交換する。このとき、RAIDボリュームとして利用していたよりも大きな容量のハードディスクにする。交換するハードディスクは、まったく同じ製品である必要も、同じ容量である必要もない。交換後、[ディスクの管理]では以下の画面のようになっているはずだ。

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ディスク交換後の[ディスクの管理]画面
[ディスク 2]が新規に追加したハードディスク、[不足]が障害が発生し交換前のハードディスクをそれぞれ示す。
  交換しても、障害が発生したハードディスクは[不足]として表示されたままとなる
  交換したハードディスクは[ディスク 2]に割り当てられている

 画面の「ディスク 2」が交換したハードディスクで、「不足」となっているのが取り外したものだ。ここで、ディスク2が「異形式」となっていた場合は、[形式の異なるディスクのインポート]でハードディスクを認識させる。また、システムボリュームのミラーリングを復旧する場合で、追加のハードディスクにプライマリ・パーティションがあるときは、プライマリ・パーティションを削除しておくことを忘れないようにしたい。

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ディスク2をインポートする
ディスク2が「異形式」になっていた場合、メニューから[形式の異なるディスクのインポート]を実行する。
  [形式の異なるディスクのインポート]でディスク2を認識させる →
 
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[形式の異なるディスクのインポート]ダイアログ
ダイアログの指示に従い、ディスク2をシステム構成に追加する。追加が完了すると、ディスク2も[ディスクの管理]上で[未割り当て]となる。
  ここのチェックを確認して、[OK]ボタンをクリックする

 あとは、[冗長の失敗]となっているボリューム上で[ボリュームの修復]を実行する。自動的にボリュームが再構築され、[正常]に戻るはずだ。[不足]となっている「ディスク」は、[ディスクの削除]を実行することで[ディスクの管理]から削除しておく。これで復旧が完了する。故障しているハードディスクを取り違えたり、手順を誤ったりしなければ、[ディスクの管理]ツールだけで作業がすべて行えるので、復旧作業自体はそれほど難しいものではない。

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ボリュームの修復を行う
ディスク0もしくはディスク1の[冗長の失敗]となっているボリューム上で右クリックを行い、メニューから[ボリュームの修復]を選択する。
  ディスク2がダイナミックディスクならびにオンラインになっていることを確認する
  [冗長の失敗]となっているボリューム上で右クリックを行いメニューを表示させる
  [ボリュームの修復]を実行する →
 
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ボリュームの再生成
自動的にボリュームの再生成が行われる。このときディスク2も自動的に同じ容量のボリュームが確保される。
  再生成が行われ、再びRAID-5ボリュームとなる
  
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[不足]の削除
RAID-5ボリュームの復旧が完了した時点で、[ディスクの管理]上から[不足]となっているディスクを削除する。
  [不足]上で右クリックを行いメニューを表示させる
  [ディスクの削除]を実行する

ソフトウェアRAIDかハードウェアRAIDか

 このようにWindows 2000 ServerのソフトウェアRAIDは、システムボリュームがRAID-5化できないなど、制約はあるものの、使い勝手の面ではハードウェアRAIDとそれほど違いがない。さらにサーバのプロセッサ性能が向上したことや、ソフトウェアRAIDのメインターゲットであるIDEハードディスクが大容量化したことなどにより、ソフトウェアRAIDの利用可能範囲は広がっている。ただ、ハードウェアRAIDの中にはホットスワップに対応可能な製品もあり、こうしたソフトウェアRAIDでは実現が難しい機能が必要とされる用途もある。こうした場合は、コスト的には不利だが、ハードウェアRAIDを選択することになるだろう。

 今回、ソフトウェアRAIDを試してみて、「意外と使えそうだ」というのが正直な感想だ。120GbytesクラスのIDEハードディスクを3台用いてRAID-5ボリュームとすれば、システムボリュームを除いて200Gbytes程度がデータボリュームとして確保可能だ。部署単位や小規模な事業所のファイル・サーバとしてならば、十分な容量といえるだろう。性能面でも、ハードディスク単体やハードウェアRAIDに比べると遅くなるものの、ユーザーが「遅い」と感じるほどではない。逆に性能やホットスワップ機能が求められる用途では、ハードウェアRAIDの中でも高機能なRAIDコントローラの利用をすすめたい。記事の終わり

 

 INDEX
  [特集]Windows 2000 ServerのソフトウェアRAIDを極める
    1.システム ボリュームのミラー化を試す
    2.システムボリューム以外を冗長化するには
    3.最適なソフトウェアRAID構成を考える
  4.ソフトウェアRAIDの障害復旧の手順は?
 
 「System Insiderの特集」


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