GoogleSitesでプロジェクト管理

GoogleSitesを使って制作プロジェクトをハックしよう

テンポ
吉岡 直樹
2009/3/17
Web制作の現場をサンプルに、GoogleSitesをツールに用いたプロジェクト管理の方法を紹介する。使いこなしてプロジェクトをハックしよう

プロジェクトを管理するってどういうこと?

 Web制作にかかわった方ならご経験があるかと思いますが、とかく制作の現場というのは混乱するものです。ディレクターに限らず、制作にかかわる人なら誰でも1度はプロジェクト管理に課題を感じたことがあるはずだと思います。スムーズな進行、高度な管理があってこそ初めて達成できるクオリティも存在します。デザイナの方にとっても技術以外のプロジェクト管理スキルも、クリエイティブの重要な鍵となります。

 この記事では、デザイナ向けにWeb制作の現場をサンプルとして、GoogleSitesをツールに用いたプロジェクト管理の方法をご紹介します。また、このことを通じてプロジェクトマネジメント一般の概念や、その手法、それらを実現しているほかのツールなどについても見ていきます。皆さんが、ご自身の取り組むプロジェクトについて分析し、課題に合った管理方法を発見し、チームワークを発揮する参考になれば幸いです。

GoogleSitesってなに?

 GoogleSitesは、Wikiに似ていながらGoogleがそのように呼ぶことをかたくなに拒み続ける、ユニークなコラボレーションツールです。日本ではあまり知られておらず、Googleのサービス群の中でもマイナーな印象があるかもしれません。

グーグルによる、GoogleSitesの説明のページ。サンプルサイトが豊富
グーグルによる、GoogleSitesの説明のページ。サンプルサイトが豊富

 しかし、プロジェクト管理だけでなくグループのみんなが共同で計画を立てたり、参加申し込み機能に対応したイベントサイトの構築が簡単にできたりと、さまざまな用途で力を発揮する強力なサービスです。

GoogleSitesに触れてみる

 まずはGoogleSitesに触れてみましょう。実際のGoogleSitesサービスで、今回の記事用にサンプルサイトを2つ開設しました。これ以降はこのサイトを使って解説を進めていきます。なおサイト作成にはGoogleアカウントが必要です(サンプルサイトの閲覧だけならなくても大丈夫です)。Gmailユーザーなら、自身のアカウントで利用できます。またアカウントをお持ちでない方も無料で作成することができますので、ぜひこの機会にアカウントを作成してみてください。

iPhoneでも閲覧できる

 iPhoneでも閲覧に関してはほぼ完全に再現されます。いつでもどこからでも最新の情報にアクセスできることは、いまや望まれて当然でしょう。しかしながら、これを実用レベルで実現するツールはごくわずかです。特にシステムやサーバの構築なしに利用できるものはGoogleSites以外には、ほぼ皆無であるのが現実です。

サンプル1:@ITWebリニューアルプロジェクト管理

 GoogleSitesではサンプル1@ITWebリニューアルプロジェクト管理)のような管理ができます。ここでは現在の進行状況が概覧できるように、各種情報のハイライトを表示するよう設定してあります。GoogleSitesにはダッシュボードページの機能もありますが、ダッシュボードはサイトトップに設定できません。そのほかにはファイル管理や掲示板、リスト作成などの機能を持つページを1クリックで追加していくことができます。

ひと通りデータを入れてみたサンプル(@ITWebリニューアルプロジェクト管理)のイメージ

 こうして作成したページ群は左側のメニューにまとめられます。今回は詳細に入らず、先に2番目のサイトを見てみましょう。

サンプル2:デフォルトサンプル

 では、次の画面を見てください。先ほどと比べて、ずいぶん寂しい画面が表示されました。これがGoogleSitesのデフォルト画面です。つまり「GoogleSitesでプロジェクト管理を行う」とは、このデフォルト状態から、先ほどのサイト1のようなプロジェクトのステータスを再現したサイトを構築し、プロジェクトの進行と並行して更新・維持していくことにほかなりません。つまり自身の手でプロジェクトの設計を行い、それをGoogleSitesに反映する、というプロセスが必要となります。

デフォルト状態のページ。wikiのようなルックアンドフィール

 ひょっとすると、もう少しウィザード的な入力でプロジェクト管理が可能になることを期待されていたかもしれません。実際、そうしたテンプレートがデフォルトで搭載されているツールも存在します。

 そうしたツールも実際に利用するためには、結局は自身で計画を設計して、テンプレートに落とし込むプロセスが必要となりますので、計画を設計する時点から使えるツールを利用した方が1ステップ短縮できます。

 ある特定のワークフローを再現する機能を搭載しているツールでは、収まり切らない現実の事情を回収するため拡張機能で補ったり、ほかのツールに依存したりと、管理を管理するという本末転倒な事態に陥りがちです。できる限りシンプルな設計を、できる限りシンプルなツールで管理すること。これがプロジェクト管理の要点です。

 では、次のページから使い方を紹介します。

  1/3

 INDEX
GoogleSitesでプロジェクト管理(1)
GoogleSitesを使って制作プロジェクトをハックしよう
Page1
プロジェクトを管理するってどういうこと?
GoogleSitesってなに?
GoogleSitesに触れてみる
サンプル1:@ITWebリニューアルプロジェクト管理
サンプル2:デフォルトサンプル
  Page2
プロジェクト管理サイトの開設
開設されたサイトをカスタマイズする
「ホーム」に編集を加える
  Page3
豊富なページ編集メニュー
GoogleSites間での情報共有はできない
GoogleSites以外の選択肢「2種類のプロジェクト管理」
「進ちょく管理」優先型プロジェクト管理
「情報共有」優先型プロジェクト管理
で、GoogleSitesはどうなのか?

「デザインハック」コーナーへ



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