帳票ベンダ・インタビュー
第1回:ウイングアーク テクノロジーズ株式会社

山田祥寛(http://www.wings.msn.to/
2005/2/5



  どのようにして「帳票」技術が必要になったか

 最近10年の中で、企業基幹系システムにおけるダウンサイジングは着実に浸透している。汎用機やオフコン系の集中型システムからクライアント/サーバ型システム、そして、インターネットベースのWebシステムへの――いわゆる「オープン系システム」と呼ばれる分散型システムへの流れである。特に、Webシステムの浸透は、開発期間の短縮やビジネス変動への柔軟な対応、長期的な視点で見た場合のTCO削減を実現した。しかし、その流れの中で、旧態依然として取り残されてしまったものがあった。それが「帳票」なのである。

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 もちろん、ペーパレス化が声高に叫ばれる昨今、無用な紙の消費は避けるべきだ。レガシー・マイグレーションの過程で、従来から存在した帳票の要否を見直すことは重要である。しかし、それで帳票がなくなるかといえばそのようなことは決してない。高度なシステム化によって、ビジネス・プロセスの自動化が進んだとはいえ、そこに人間が介在し、何かしらの判断と確認を行う「承認」という行為は決してなくならない。依然として企業には100を超える帳票が山と残っているのが現状なのだ。

 これら帳票を開発するために、従来の開発現場ではどのように行っていただろう。

 プログラミング言語に精通した開発者ならば、まず「COBOLやJavaのような言語で、直接にプログラミングしてしまった方が手っ取り早い」と思われるかもしれない。しかし、オープン化は、システム内にさまざまなプラットフォーム、ミドルウェアの並存を招いた。近い将来予想されるシステムに移行や拡張、連携等を考慮すれば、特定のプラットフォームや言語に依存する帳票の存在は決して好ましくない。

 また、そもそも帳票といった場合、紙帳票ばかりではない。1998年7月に施行された「電子帳簿保存法」によって、これまで紙帳票で保管しなければならなかった帳票を電子データでの保存に切り替えることが認められた。そのほか、電子政府、電子行政化の取り組みとも相まって、申請帳票の電子化も急速に進みつつある。

 紙帳票、電子帳票――そして、電子帳票と一口にいっても、アプリケーション内での軽快な操作を目的としたHTMLベースの、それから確証の目的を強く意識したPDFベースの帳票、あるいは、いわゆる経営戦略会議などでの利用を目的とした「レポート(非定型)」的な帳票まで、いまや帳票の形式は目的や使途によって多彩なのだ。「帳票の種類×フォーマットの種類」の数だけの帳票を、1つ1つプログラミングによって開発していく旧来の手法は、開発生産性/保守性という観点からも避けるべきところだろう。

 そこで登場するのが、本連載のテーマである「帳票設計ツール」というわけだ。本連載では、帳票設計ツールの代表的なベンダ各社から話を伺い、帳票設計の現状の課題とそれに対する解決策、市場の今後の方向性等について明らかにしていきたい。

 まず第1回の今回は、「統合帳票基盤」をキーワードに帳票開発/運用を総合的にサポートするウイングアーク テクノロジーズ株式会社(以降、ウイングアーク)の営業本部マーケティング部マネージャ谷口功氏に帳票ソリューションの現在について、話を伺った。



目次:帳票ベンダインタビュー(1)
どのようにして「帳票」技術が必要になったか
  ウイングアークが考える今後の課題とは?

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