帳票ベンダ・インタビュー
第5回:株式会社テンアートニ

山田祥寛(http://www.wings.msn.to/
2005/7/2



  帳票開発者のニーズにきめ細かく対応

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 連載「帳票ベンダ・インタビュー」の第5回では、Java/.NET Frameworkプラットフォームに対応した帳票ソリューション「WebReportCafe」を提供するテンアートニに伺った。インタビューに応じていただいたのは、同社執行役員 長尾寿宏氏だ。

●開発者ニーズの集大成 それが「WebReportCafe」

 テンアートニは、1997年の創設当初から、主にJavaをベースとしたシステムのSI/受託開発を手掛けてきたベンダだ。つまり、同社の帳票ソリューションの歴史は、「自分自身の開発」ニーズ、そして、なによりも実際に自ら接してきた「顧客」ニーズをいかに満たすかという視点で、帳票設計/開発の方法論を模索してきた歴史であるといえる。

「多くのSI/受託開発を進めるに当たって、われわれ自身が帳票設計/開発の生産性については悩みを抱えていました。その悩みに対する回答を具体化したものが、WebReportCafeなのです」と長尾氏はいう。

 WebReportCafeは、J2EE/.NET Frameworkといった主要なプラットフォーム上で動作可能な帳票ソリューションだ。帳票出力を制御するWebReportCafe for Engineを中核に、帳票設計ツールであるDesigner、マルチプラットフォーム上でのレポーティング・サービスや運用管理機能を提供するWebReportCafe Server、そして、クライアント側での直接印刷を可能とするPrintClientから構成される。本稿では、これら諸機能の特性を、テンアートニの帳票に対する取り組みを交えながら紹介していくことにしよう。

テンアートニ 執行役員 長尾寿宏氏

●帳票開発の現状とWebReportCafeの解

 いまや電子帳票出力のフォーマットといえば、PDF(Portable Document Format)が事実上の標準といって過言ではないだろう。帳票ソリューションにおいて、PDFフォーマットへの対応は欠かすことができないものだ。

 しかし、現実のシステム開発では、PDF文書をただ単に出力すればそれで済むというものではない。

「ペーパーレスとはいっても、実際には印刷のニーズはなくなるものではありません。むしろ昨今では、印刷のニーズは増えていると思います。ビジネスでドキュメントをやりとりする場合には、個人情報保護をはじめとするセキュリティ問題を無視することはできないでしょう。また、マルチプラットフォーム環境でのシステム連携が恒常化してきました。その際に帳票アプリケーションが複数のシステムを一元的に管理できることは重要です」と長尾氏は語る。

 そのような帳票開発の現場でこそ、WebReportCafeは強みを発揮する。

●WebReportCafe Server/Engineでマルチプラットフォーム環境にも自在に対応

 冒頭で述べたように、WebReportCafeは複数の異なるプラットフォームからリクエストを受け、一元的に処理を行うための専用サーバ「WebReportCafe Server」を提供している。WebReportCafe Serverはクライアント−サーバ間のプロトコルにSOAP/HTTPを採用することで、J2EE/.NET Frameworkだけではなく、PHPやそのほかの一般的なHTMLクライアントからのリクエストを統括して受け取ることができるのが特徴だ。帳票のリポジトリ管理やマルチスレッド/ユーザー管理、再出力機能などの運用管理機能を備えることで、複数の上流アプリケーションを統合する場合にも、帳票運用部分は限りなくプログラムレスで提供することができる。

図1 WebReportCafe Serverの概要

 もちろん、帳票アプリケーションを独立/分離させる場合だけではない。WebReportCafe Engineを利用することで、J2EE/.NET Frameworkベースのアプリケーションへの帳票機能の組み込みも容易に対応できる。以下は、WebReportCafe Engineを利用した場合の帳票出力の典型的なコード例だ。実に直感的なコードでもって、帳票出力を実現できることがお分かりいただけるだろう。以下はJavaのコードであるが、当然、C#やVB.NET、C++などのコードでもまったく同様の要領で記述することができる。

rep.loadProperty("file:///c:/WRC/sample/welcome.xml"):
sqlRowSet.setSQL("select*from Product"):
rep.setRowSet(sqlRowSet):
rep.createPDF("c:/WRC/sample/welcome.pdf"):

図2 シンプルで柔軟なプログラミング(XMLファイル→データソース→PDF)

●WebReportCafe PrintClientによる直接印刷への対応
 昨今のアプリケーションにおいては、ホストに要求した帳票を直接、リアルタイムに手元にプリントアウトしたいというケースも多々発生する。例えば、請求書や納品書など日々発生する伝票書類などは、1枚1枚画面上で内容確認するというよりも、直接手元のプリンタにまとめて印刷してから確認業務を行うのが一般的だろう。

 そのような場合に威力を発揮するのが「WebReportCafe PrintClient」だ。PrintClientを利用することで、クライアントからのリクエストに応じて必要な帳票をローカルプリンタに直接印刷することができる。印刷ダイアログの制御もできるので、出力プリンタや部数、印刷範囲の指定なども細部まで指定できるのが特徴だ。

 また、クライアント機能を利用するからといって、ソフトウェアの導入/更新管理の心配も要らない。JWS(Java Web Start)の機能を利用しているから、クライアント側にはJavaの標準的な実行環境であるJRE 1.4をインストールしておくだけでよい。後はJWSが、必要なモジュールのインストールや更新作業を完全に自動化してくれるというわけだ。

図3 WebReportCafe PrintClient概要(図をクリックすると拡大します)

●WebReportCafe Designerでセキュア・ドキュメントもプログラムレスで実現

 帳票開発のうえで忘れてならないのは、帳票そのものの設計だ。ほかの帳票ツール同様、WebReporCafeにおいても帳票設計をプログラムレスで行うための標準的な設計ツールとして「WebReportCafe Designer」が用意されている。

図4 WebReportCafe Designerの概要

 Designerは、データソースからの項目マッピング、既存帳票からのイメージ取り込みやフォーム・オーバレイ機能、バーコード出力機能、複数テンプレートの結合機能など、基本的な帳票機能を一通り取りそろえているが、それだけではない。

 特徴的であるのが、PDF電子署名機能だ。証明書にベリサイン・ドキュメントサイニング対応のデジタルIDを採用することで、帳票発行者の妥当性を保証することが可能になる。当然、PDFが標準で備える印刷や引用の制御、パスワードの保護などもDesigner上からのパラメータ設定を行うだけで自在に行うことができる。

 また、もう一点注目いただきたいのは、CJKコード(中国語/日本語/韓国語)の混在にも対応しているという点だ。海外向けのPO(Purchasing Order:物品購入依頼書)シートなどでは、現地の中国語と本国の日本語とが混在した帳票を発行したいというケースも多々存在する。しかし、このような複数言語の混在は従来の帳票ツールではなかなか実現できなかった課題でもあった。しかし、WebReportCafe Designerでは複数言語対応の帳票作成も自在に対応できる。

図5 CJKコード対応の帳票イメージ(クリックすると拡大表示します)

 以上、テンアートニにおける帳票開発の取り組みをふかんしてみた。オープン化時代における帳票へのニーズ範囲はますます拡大している。処理タイミングはバッチ処理からリアルタイム処理まで、プラットフォーム環境はJ2EEから.NET Framework、PHPまで、そして、対応言語も日本語単一ではなく各国語対応への対応まで、それぞれが実に多様化しているのが現状だ。そして、そのような多彩なニーズに対して、画一的な設計/開発環境を提供することがより一層重要になっている。その代表的なソリューションとしてのWebReportCafe、その動向に今後も目が離せない。

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