帳票ベンダ・インタビュー
第7回:JFEシステムズ株式会社

吉田育代
2005/9/14



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 企業活動において、帳票の登場する場面は数多い。対外的にその企業の「顔」として出て行く帳票もあれば、取引明細、売上集計表、仕入実績表などのように、社内的に業務を遂行していくために必要な帳票もある。

 帳票ベンダ・インタビュー 第7回目の今回は、後者の帳票を中心に、全社規模でその管理/運用の一元化を提案するJFEシステムズ株式会社 営業本部 ネットワーク基盤・プロダクト営業部 e-ドキュメント営業グループ 山下裕之氏に取材した。

  Linux版の拡販に力を入れる理由

 同社の電子帳票システム FiBridgeIIには、Linux版の製品がある。ほかにUNIX版もラインアップしているのだが、山下氏は今回はこの製品を中心に話をしたいと希望を語った。JFEシステムズはLinux版のFiBridgeII拡販に力を入れているのである。
 
 なぜLinux版を推すのか。それは同社のグループ会社であるJFEスチールでのユーザー経験に端を発する。JFEスチールでは、商用Linuxが登場して間もなく、溶鉱炉の制御システムの開発の際にいち早くこのOSを採用した。UNIXに匹敵する信頼性を持ち、軽量でしかも低コスト。企業がこのメリットを見逃すはずはなく、きっと今後幅広く採用されていくだろうと確信、それ以来JFEグループはLinuxを積極的に活用している。FiBridgeそのものが、JFEスチールのユーザーニーズから生まれたということもあって、UNIX版の次に用意されたのが、Linux版のFiBridgeIIだったというわけだ。

  ネットワーク型かネットワーク「対応」型か
FEシステムズ 営業本部 ネットワーク基盤・プロダクト営業部 e-ドキュメント営業グループ 山下裕之氏

 山下氏がこの製品コンセプトを語るうえでまず述べた特長は、ネットワーク型電子帳票システムであるという点だった。
 
「世にネットワーク上で電子帳票を管理・参照できることをうたった電子帳票システムは数多くありますが、それらの大半はネットワーク『対応』型。われわれのネットワーク型とは根本的に違うのです」

 では、ネットワーク型とネットワーク対応型はどう違うのか。
 
「ネットワーク『対応』型電子帳票システムは、本来は大量の帳票はメディアに記録して配布するメディア記録型や帳票を出力するホスト上で稼働するホスト型として開発されたもので、インターネット時代を迎えて後からネットワーク機能を付け加えています。その点われわれは、製品の設計段階からネットワーク上での運用を前提に開発しており、大量の帳票データをネットワーク上でストレスなく流す機能や帳票を即時閲覧する機能を最初から実現しています」(山下氏)

 そのためにFiBridgeIIが搭載しているのが、帳票データの圧縮機能と変換機能だ。
 
 同製品は、ホスト上で稼働している基幹システムや、ERP、営業支援システムなどのオープン系システムから出力される印刷用のスプールデータをFiBridgeサーバ上で一元管理する仕組みになっている(図1)。

図1 FiBridgeIIのシステム構成例

 その際、ホストの制御コードなど電子帳票には必要ないデータを取り除き、論理データとオーバーレイデータに分け、それを圧縮して送信する。データを簡素化する段階で元のデータの20%の容量に、圧縮段階でまたその20%の容量に削減されるため、1万枚を超える大量の帳票であってもネットワークに負荷を掛けずに送信することができる。
 
 また、ホストデータをFiBridgeサーバ上に保存する際のデータ変換が高速で、Linuxを搭載した1CPUのPCサーバで1分間に5万ページもさばいてしまうという。ホストで多種にして大量の帳票データを扱っている企業にとっては朗報だろう。対応するホストも、IBM、NEC、日立、富士通、UNISYSと幅広く、しかし、その設定方法はどのホストでも同様だ。この点も本社と工場で別のホストを使っていたJFEスチールでの経験が生かされているらしい。また、帳票をPDF形式のファイルに変換するPDFコンバータソフトも有しており、電子帳票の外部への展開・配布にも配慮している。

  電子帳票システムNo.1と胸を張る検索機能

 請求書や取引履歴明細など帳票の中には、後から参考のために閲覧したいケースが多々ある。そこでFiBridgeIIでは、帳票の高速検索機能も実現している。JFEシステムズがホストデータの高速変換機能と並んで“電子帳票システムNo.1”と自負する機能で、このシステムに特化した独自データベースを開発。そのスピードは5秒間で450万枚の帳票検索性能を誇るという。データベースのアーキテクチャについて尋ねると、山下氏は「企業秘密です」といって詳細を語らなかったが、どうやらオブジェクトデータベース的な構造になっているようだ。

 このデータベースは複数帳票の一括検索(串刺し検索)や、複数条件の組み合わせ検索、検索したデータのページ単位、行単位、複数行単位での名寄せ編集などといった高度な検索機能を有し、帳票を扱う業務の労働生産性向上に貢献する。

 FiBridgeIIはまた、運用管理機能にも特長がある。Linuxベースの製品であることをユーザーに意識させることなく、直感的に操作できるユーザーインターフェイスを用意し、アカウント管理やドメイン管理、サーバ監視機能(画面1)などが一元的かつ容易に行えるようになっている。ユーザーの帳票へのアクセス権限も厳密に管理できるため、FiBridgeIIで個人情報保護法の完全施行に対応した情報セキュリティ対策を施すこともできる。その意味では、電子文書管理システム的な側面を持った製品ともいえるだろう。

画面1 いつ誰が何の帳票を閲覧したかが詳細に分かるサーバ監視機能

 この運用管理機能の中に、オーバーレイ編集機能も用意されている。しかし、ベーシックなものが中心となるため、罫線を多用したオーバーレイ、対外的に提出する必要のある見栄えの凝ったオーバーレイが必要な場合は、サードパーティ製の帳票設計ツールと連携させる必要がある。

 また、帳票を電子化して全社で活用するという点に重きを置いているために、センタープリンタ印刷、自動分散印刷など出力に関する先進機能については、システム拡張で対応することになっている。

  コスト削減に貢献するプライスパフォーマンス

 このようにJFEシステムズの製品は利用対象が明確に絞り込まれているが、導入実績は豊富で、メガバンクを中心とした金融機関、製造業界、流通業を中心に約1500社のインストールベースを持っている。こうした顧客の選定理由の多くはプライスパフォーマンスだ。

「FiBridgeIIなら、Linux OSを搭載した1台のPCサーバで、テラバイト容量の電子帳票を一元管理できるため、大幅なコスト削減に役立ったと喜んでくださるお客さまが数多くいらっしゃいます。今日は、システム投資のROI(投資対効果)が明確でないプロジェクトは推進しないという企業も多くなっていますが、その中で確実に導入効果を出していただけるのがわれわれの製品だと思っています」

 そう山下氏は胸を張る。

 全社規模の電子帳票が目配りの利く台数のPCサーバで一元管理ができるメリットは大きい。ペーパーレスによるその書類のコストや保管のコスト、保管工数の削減はもちろんだが、検索機能を利用することによって、情報共有、情報活用が進む利点もある。それが少ないサーバの台数で、管理者の負担を軽減しながら行えるのだ。

 さらに、紙の書類はどんなに厳密に保管しても、いったん見られてしまえばどうしようもないが、帳票を電子化すれば閲覧そのものをコントロール可能だから、セキュリティのレベルも上げられる。

 ホストやオープン系システムを適材適所で活用し、貸借対照表や損益計算書などの会計データや、取引先から送られてくる納品書、請求書、取引履歴明細、全社に紙で配布している売上集計表、仕入実績表などを電子帳票化したいと考える企業、また決算関係書類などをグループ企業から迅速に集めて決算の早期化を実現したいと考える企業グループには最適なシステムといえるだろう。
 

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