インタラクションデザインパターン(3)
モーダル/モードレスなインタラクション

データ操作方法、自由な手順と不自由な手順の選び方


ソシオメディア 上野 学

2007/5/11

 モーダルかモードレスかの決め手のまとめ

 連載第3回目となる今回は、「インタラクションのモード」のパターンとして、モーダルインタラクションとモードレスインタラクションの両者について説明しました。いかがでしたでしょうか。

 それぞれの特徴から、適したアプリケーションの性質を対応付けてまとめると、次のようになります。 

・モーダルインタラクションを採用する場合

  • 決められた手順で作業を行うためのアプリケーション
  • 単純な作業を行うためのアプリケーション
  • 学習が不要なアプリケーション
  • 一連の処理を自動化することが目的のアプリケーション
  • 用途が限定的でそれに特化したアプリケーション
  • 「やること」を扱うことが目的のアプリケーション
  • データの処理モデルを意識させずに結果だけを意識させたいアプリケーション
  • 試行錯誤の余地を持たせず、必ず一定の結果に導くことを重視したアプリケーション

・モードレスインタラクションを採用する場合

  • 自由な手順で作業を行うためのアプリケーション
  • GUIを効果的に使うアプリケーション
  • 学習するほど効率的に使えるアプリケーション
  • 複数の作業を同時に行うアプリケーション
  • 用途の幅が広くさまざまな使い方ができるアプリケーション
  • 「物」を扱うことが目的のアプリケーション
  • データの処理モデルを意識させて状態を随時フィードバックするアプリケーション
  • 試行錯誤しながらユーザーが創作プロセスを組み立てられるアプリケーション

 今回は概念的な書き方が多くなりましたが、これらのパターンは、開発プロジェクトの初期段階で、アプリケーションの操作方法に関するコンセプトを決めるために重要な手掛かりになります。

 実現したいアプリケーションの価値が「オートメーション」にあるのか、それとも「アクセラレーション」にあるのかを意識することで、あるべきインタラクションの全体像が明らかになっていくのです。

4/4  

 INDEX
インタラクションデザインパターン(3) 
  Page1
操作性についての基本コンセプト/インタラクションのモード
  Page2
1. モーダルインタラクション
・順序ベースの定型作業・目的への直進・タスク指向・動詞→名詞・オートメーション
  Page3
2. モードレスインタラクション
・空間的な非定形作業・経験の組み立て・オブジェクト指向・名詞→動詞・アクセラレーション
Page4
モーダルかモードレスかの決め手

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