〜Flashによるアプリケーションサービス情報を毎月お届け〜

こんなにある!
北米で話題のFlash動画アプリケーションサービス


須賀正明
ベンチャーキャピタリスト
2007/4/5


北米で話題のFlashによる動画サイト。UGC的ビデオ共有サイトの動画に付加価値を加えたり、ユーザーが編集できる話題のサービスを紹介する


オンラインビデオサイトの3タイプとは?

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 今月からスタートするFlash観測所。Flashで開発されたさまざまなサイト、アプリケーションを国内外から紹介していきます。第1回目のテーマはビデオ。UGC(user-generated content:用語辞典参照)を代表するコンテンツであり、昨今の世界的ブロードバンドの普及により、インターネットでビデオを見ることが一般に浸透してきました。YouTubeから始まりテレビ局、ニュースサイト、SNS、大手ポータルと老若男女入り乱れる競争激化の産業へと一気に成長し、今後もその勢いはしばらく続きそうな予感です。

 そんなインターネットビデオのブレークを陰で支えたのがAdobe Flash Player。ビデオの配信プラットフォームはWindows Media、Real、QuickTimeとインターネット創世期からいろいろと世に出回っていますが、どれもクロスプラットフォームでなかったり、ファイルサイズが大きくなったりと一長一短でいまひとつハウスブランドになるまで普及はしていなかったというのが現実でした。ところがFlash Player 6からビデオ再生をサポートし、真のユビキタスな新映像プラットフォーム時代が始まったのです。

 Flashがビデオの配信フォーマットとしてここまで普及したのには3つの大きな理由があります。まず、クロスプラットフォーム・クロスブラウザで普及率98%のソフトウェアである点。このユビキタスなプラグインにビデオ再生機能が付いたことがインターネットビデオがブレークしたそもそもの始まり。コンテンツ提供者はクライアントのブラウザやOSを意識せずに1つのエンコーディングフォーマットで済むし、エンドユーザは何もダウンロードしなくていいという両者のかゆいところに手が届いたビデオプレーヤ史上初めてのソフトウェア。

 次に、プレーヤの製品としての主張が控えめな点。YouTubeでビデオ再生プレーヤってFlash Playerだったのといわれるくらいソフトウェアとしての主張がほとんどありません。右クリックして初めてFlash Playerだったことが分かるくらい周りのHTMLコンテンツになじみ、サイトや企業のブランドを邪魔しないというのもサイト運営者にとっては大切な点ではないでしょうか。

 最後に、アプリケーションとしてのプラットフォームを備えている点。ビデオの再生だけでなく、アプリケーション開発プラットフォームでもあるFlash。コンテンツのコントロールだけでなく、ユーザーインタラクションの構築、アプリケーション、ビジネスロジックの実装の自由度が高いので、独自のビデオ再生アプリケーションを開発することができるという点も大きな特徴として挙げられるでしょう。

 YouTubeに代表される第1世代のビデオ共有サイトもFlashをビデオ配信プラットフォームに採用したからこそ、ここまで爆発的に普及したといっても過言ではないと思います。ブラウザで動画を見るという行為が必ずしもFlash Playerを使っているというエンドユーザの認識を得られてはいませんが、コンテンツやサイトのブランドを害さないクロスプラットフォームであるが故、ビデオの配信プラットフォームには最適なのではないでしょうか。

 前置きが長くなりましたが、今回は第1回目ということもありおさらい的にFlashを使ったビデオ関連サイトを紹介します。

 オンラインビデオサイトは、ビデオ共有サイト、ビデオアグリゲーションサイト、ビデオ制作編集サイトの3つのカテゴリーに大別されます。

  • ビデオ共有サイト(第1世代)
    Webでビデオを気軽に共有することを目的に登場したインターネットビデオ第1世代。SNS機能、ビデオ広告を挿入したり、シンジケーションモデルなどを採用した亜種も含めています。
  • ビデオアグリゲーションサイト(第2世代)
    自分のところではビデオを保存せずに第1世代のビデオ共有サイトから収集してくる第2世代。日本で見られるビデオサイトの多くは海の向こうからやって来るビデオ共有サイトに日本語での付加価値やパーソナライズ機能などを付けてアグリゲーションとしているところが多いようです。
  • ビデオ制作編集サイト(第3世代)
    さらにFlashのリッチなインターフェイスを利用してビデオの新規作成、編集やミクシング機能を提供している第3世代と紹介していきます。どの世代でも映像コンテンツの長さは10分未満と短めで、無料、もしくは広告を使った無償配信モデルが主流です。

 世界的に見るとビデオは3500億ドル(38兆5000億円)規模の市場といわれています。そのうちオンラインビデオが占める割合は0.1%にも満たないことを考えると、インターネットを使ったビデオの市場はまだまだ始まったばかり。トラフィックも2005年から2006年にかけて約39%の伸びを見せています。

 一方で一サイト当たりの1ユーザーが閲覧するストリーミング本数は月間12本から10本へ減少し、乱立するビデオサイトの生き残りをかけた熾烈な戦いがこれから始まりそうです。

 今後、業界再編でおそらく大手の買収攻勢によるベンチャーの吸収が進み、さらにバーティカル化が促進されニッチな映像マーケットが形成されていくことが予想されます。日本国内でも動画共有サイトの年間訪問者数は1116万人、1年間で10倍という驚異的な伸びを見せています(ビデオリサーチインタラクティブ)。

 動画をインターネットで配信するという行為はFlashによって簡単なコモディティになったいま、アプリケーション開発プラットフォームとしてのFlashの機能を引き出しさらなるユーザーインタラクションや利便性を追求したアプリケーションが登場してくることが予想されます。


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 INDEX
こんなにある!北米で話題のビデオアグリゲーション・編集サイト
Page1<オンラインビデオサイトの3タイプとは?>
  Page2<UGC的ビデオ共有サイト(第1世代)>
  Page3<アグリゲーションサイト(第2世代)>
  Page4<ビデオ制作編集サイト(第3世代)>
  Page5<北米に比べて、UGCの受け入れがまだ少数派の日本>



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