リッチクライアント導入事例(1) Page 1/3

ERP資産から
“本当に知りたいこと”を紡ぎ出すCurl

吉田育代
2006/2/17
本連載では、リッチクライアントを導入した企業の事例を紹介していく。なぜその製品を選択したのか、バックエンドはどのようなシステムなのか、何を解決/実現したかったのか、導入企業から生の声を聞き出してレポートしていこう。(編集部)
サマリー

デジタル社会に対応した先進のディスプレイ製品およびサービスを提供している株式会社日立ディスプレイズ。同社は、自社内にビジネスインテリジェンス環境を確立するに当たり、本当に欲しいデータを手に入れるため、既存のビジネスインテリジェンス製品に頼ることなく一からシステムを作り上げた。その際、Webアプリケーションのフロントエンド構築に採用されたのがリッチクライアント製品であるCurlだった。その表現力と開発生産性の高さにより、同社内でビジネスインテリジェンス環境が整備されたのみならず、企業の枠組みを超えた情報サプライチェーンが実現されようとしている。



    デジタル社会に対応した先進製品を提供する
ディスプレイ専業メーカー

 房総半島のほぼ中央、千葉県茂原市に株式会社日立ディスプレイズ(以下、日立ディスプレイズ)はある。1943年に株式会社日立製作所茂原工場として発足し、2002年に分社独立。現在はディスプレイ専業メーカーとして、デジタル社会に対応した製品およびサービスを提供している。

 主な製品に、Advanced-Super IPS方式を核として独自の動画技術を使用したTV用大型液晶表示モジュールや、LTPS(低温ポリシリコン)技術の利用により低消費電力かつ高画質を実現した携帯電話/デジタルカメラなどの情報端末機器向け小型液晶表示モジュール、アミューズメント向け中型液晶表示モジュールなどがある。

企業データ(2006年2月現在)
株式会社日立ディスプレイズ
設立:2002年10月1日(1943年日立製作所茂原工場として発足)
資本金:137億5500万円
従業員:2700人
売上高:2237億円(2004年度、連結ベース)
事業内容:ディスプレイデバイスの事業企画、開発、設計、製造、販売
主力製品:大型TV用TFT、携帯電話用小型TFT液晶、中小型低温ポリシリコンTFT、駆動用LSIなど


    “気持ちの入ったBIを実現しようと思ったら
自社で一から作るしかなかった”

 日立ディスプレイズでは、基幹システムにERPパッケージのSAP R/3を導入している。かねてより、そのデータベースに蓄積された生のデータを経営の意思決定支援に生かし、収益の拡大に寄与させようと方策が論じられてきた。いわゆるビジネスインテリジェンスである。

 市場にはすでにこれを実現するためのツールが数々あって、例えば「棚卸し資産回転率」といった一般的な経営指標データなら、既存のERP製品が提供するモジュールを利用すれば100種類以上ものデータ抽出は可能だった。しかし、日立ディスプレイズが見たいのは、そういった一般的な経営指標データではなく、R/3のデータベースに入ったデータと製造現場の各種制御システムから日々生み出されるデータを組み合わせた、つまり自らの経営実態に即した指標データだった。

 「経営幹部にどういうデータが必要かを詳細に調査したうえで、本当に必要なデータだけを独自に組み立てたインターフェイスで提供したい。そういう気持ちの入った仕掛け作りをしようと思ったら、既存のビジネスインテリジェンス製品に頼らず自分たちで一から手掛けるのが一番と考えた」と同社 業務改革本部 本部長 技術士(経営工学) 矢野知隆氏はそう語る。そして、これを作り上げる具体的な道具として選ばれたのが、Curlだったのである。

図1 Curlによる経営支援ポータルの構築
ERPツールでは100種類以上もの経営指標データは出力できるが、IT的なツールだけに頼ってしまうと、経営を動かす起点となるような機能は望めない。ツールと運用のバランスを取るために、Curlによる独自のレイヤを構築した。また、このシステムを拡張した情報サプライチェーンも整備中だ。


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 INDEX

リッチクライアント導入事例(1)
ERP資産から“本当に知りたいこと”を紡ぎ出すCurl
Page1
デジタル社会に対応した先進製品を提供するディスプレイ専業メーカー
“気持ちの入ったBIを実現しようと思ったら自社で一から作るしかなかった”
  Page2
同じ目線でものがいえるベンダだったCurl社のCurlを選択
日立ディスプレイズで利用されているCurlでの業務システムの一例
  Page3
“本当に望む形で情報を手に入れる環境が手に入った”
今後は顧客、サプライヤーにも公開し、情報サプライチェーンの確立へ




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