Silverlight 2で.NET技術をカッコよく使おう
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Silverlight 2で.NET技術をカッコよく使おう(2)

無料Visual Studioで始めるSilverlight 2超入門


インフラジスティックス・ジャパン株式会社
テクニカルエバンジェリスト/デベロッパーサポートエンジニア
山田 達也
2009/1/15


Silverlight 2の標準コントロールはこんなにたくさん!


図17 Silverlight 2の標準コントロール

 先ほどは<TextBox>タグを使って単純なHello! Worldアプリケーションを作成しましたが、より高機能なアプリケーションを作る際には、ボタンやチェックボックス、リストボックスなどの画面要素が必要になります。

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 これら基本的なコントロールは、あらかじめSilverlight 2に標準で装備されているので、わざわざ皆さんが一から作る必要はありません。標準コントロールの種類はツールボックス上で確認できます(左図17)。

対話型アプリケーションを作る

 次に、これらの標準コントロールを使って、簡単な対話型アプリケーションを作ってみましょう。プロジェクトに、新しい項目として[Silverlightユーザーコントロール]を追加します。

 

図17 Silverlight 2の標準コントロール

 今回はCalendarコントロールを使ってユーザーに誕生日を尋ねて、次の誕生日までの日数を答えるアプリケーションとするので、名前は「BirthdayCountdown.xaml」とします。

図18 新しくSilverlightユーザーコントロールを追加
図18 新しくSilverlightユーザーコントロールを追加

ツールボックスからコードにドラッグ&ドロップ

 ツールボックスにあるCalendarコントロールを<UserControl>タグに追加する必要がありますが、現状VS2008でのSilverlight開発では、ツールボックスからのコントロールをドラッグ&ドロップはXAMLコード上に対してのみ有効という点に注意してください(プレビュー画面上にドロップすることはできません)。そのため、XAML上の<Grid>タグの間にCalendarコントロールを直接ドラッグ&ドロップしてください。これによって必要なネームスペース定義も自動的に追加されます。

<UserControl xmlns:basics="clr-namespace:System.Windows.Contro
ls;assebly=System.Windows.Controls"

  x:Class="MyFirstSLApp.BirthdayCountdown"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  Width="400" Height="300">
  <Grid x:Name="LayoutRoot" Background="White">
    <basics:Calendar></basics:Calendar>
  </Grid>
</UserControl>

コードを補完する「インテリセンス」機能

 次に、カレンダーの日付変更を検知するために、CalendarのSelectedDatesChangedイベントに対するイベントハンドラを追加しましょう。Calendarタグ上でイベント名をタイプし始めると、インテリセンス機能によって自動的に正しいイベント名が補完されます。続いて、[=(イコール)]キーをタイプすることで、イベントハンドラのスタブコードも自動生成してくれます。

図18 新しくSilverlightユーザーコントロールを追加
図19 インテリセンス機能によってイベントハンドラを自動生成(画像をクリックすると拡大します)

コードビハインド(C#)を実装

 後は、イベントハンドラに対応するC#(.csファイル)のコードビハインドを実装するだけです。この流れはWinFormsやASP.NETのプログラマにとっては慣れっこでしょうが、.NET初心者には難しいかもしれません。C#について詳しく知りたい読者は、下記連載を参照してください。

 最終的なXAMLとC#コードは以下のようになりますが、.NET初心者のために要点だけ説明しておきます。

BirthdayCountdown.xaml
<UserControl xmlns:basics="clr-namespace:System.Windows.Controls;asse
mbly=System.Windows.Controls" x:Class="MyFirstSLApp.BirthdayCountdown"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  Width="400" Height="300">
  <Grid x:Name="LayoutRoot" Background="White">
    <Grid.RowDefinitions>
      <RowDefinition Height="50"></RowDefinition>
      <RowDefinition Height="200"></RowDefinition>
      <RowDefinition Height="50"></RowDefinition>
    </Grid.RowDefinitions>
    <TextBlock Text="あなたの誕生日を教えてください" Grid.Row="0"
      HorizontalAlignment="Center" VerticalAlignment="Center" >
    </TextBlock>
    <basics:Calendar
      SelectedDatesChanged="Calendar_SelectedDatesChanged"
      x:Name="calendar" DisplayMode="Decade" Grid.Row="1">
    </basics:Calendar>
    <TextBlock x:Name="message" Grid.Row="2"
      HorizontalAlignment="Center" VerticalAlignment="Center">
    </TextBlock>
  </Grid>
</UserControl>

 3行のGridレイアウトに、質問用のTextBlock、Calender、メッセージ用のTextBlockを配置しました。Calendarとメッセージ用のTextBlockは、コードビハインドからオブジェクトを認識する必要があるので、それぞれ固有の名前を付けています(「x:Name」属性)。

BirthdayCountdown.xaml.csの一部抜粋
    /// <summary>
    /// カレンダーの日付が変わったときのイベント
    /// </summary>
    /// <param name="sender"></param>
    /// <param name="e"></param>
    private void Calendar_SelectedDatesChanged(object sender,
        SelectionChangedEventArgs e)
    {
        DateTime birth = calendar.SelectedDate.Value;
        TimeSpan lifeTime = DateTime.Today.Subtract(birth);
        DateTime nextBirth = new DateTime(DateTime.Today.Year,
            birth.Month, birth.Day);
        if (nextBirth < DateTime.Today){
            nextBirth = nextBirth.AddYears(1);
        }

        TimeSpan toNext = nextBirth.Subtract(DateTime.Today);

        this.message.Text = string.Format("生まれてから{0}日目 {1}",
            lifeTime.Days,toNext.Days == 0 ? "誕生日おめでとう!" :
            string.Format("次の誕生日まであと{0}日", toNext.Days));
    }

デフォルト表示XAMLを変更

 実行するには、まだ少しコーディング作業が必要です。このプロジェクトは、Page.xamlがデフォルト表示される設定なので、これをBirthdayCountdown.xamlに変更する必要があります。通常Silverlightでは、App.xamlファイルにアプリケーションの開始・終了などの設定を記述するため、プロジェクトの新規作成後はこの中で初期表示対象のページの設定がされています。

    private void Application_Startup(object sender,
        StartupEventArgs e)
    {
        this.RootVisual = new Page();
    }

 Application.RootVisualは、SilverlightのメインとなるUI要素を指定するプロパティですので、初期表示ページを変更するときはこのプロパティを変更すればいいことになります。

    private void Application_Startup(object sender,
        StartupEventArgs e)
    {
        //BirthdayCountdownを初期表示ページに
        this.RootVisual = new BirthdayCountdown();
    }

対話型アプリケーションを実行

 それでは、[F5]キーを押して実行してみてください。

図20 誕生日アプリケーションを実行
図20 誕生日アプリケーションを実行

次回は、アニメーションでSilverlightをカッコよく使う

 このように、ASP.NETやWinFormsと同様に、Silverlightでも標準コントロールの組み合わせでアプリケーションを作成できることが見ていただけたかと思います。.NET開発者にとっては、ここまで紹介した中では特に、XAMLに関するコーディングが目新しかったかもしれませんが、この中にこそSilverlightの最大の魅力が隠されているといえます。

 また、初めて.NET技術に触れるという開発者には、特にC#のコーディングが難しいかもしれません。しかし、ほとんどがXAMLやJavaScriptの知識だけで済むSilverlight 1.0のアプリケーションとは違い、Silverlight 2アプリケーションを開発するには、ある程度はC#やVBに慣れておく必要があります。本連載では、C#を使っていくので、前述したC#入門連載を参照しておいてください。

 次回は、アニメーションやレイアウトのさらなる活用法など、Silverlightの表現力を生かすためのXAMLのカスタマイズ手順を紹介するので、お楽しみに。

 今回のサンプルのソースコードはこちらからダウンロードできます。下記コラムにあるように、今回のサンプルすべてを確認できるようにページ遷移するようにしています。

コラム 「Silverlight 2で画面遷移を行うには?」

Silverlightで複数の画面間を遷移するようなアプリケーションを作るときはどうしたらよいでしょうか。
本文中ではApplication.RootVisualを変更して初期画面を制御しましたが、このプロパティは一度だけしか設定できないため、画面遷移には使えません。この問題にはいろいろな解答が考えられ、また今後メジャーな方法論が登場すると思いますが、ここでは最も簡単な方法の1つを紹介しておきます(図21)。

図20 誕生日アプリケーションを実行(カレンダー上で日付を選択してください)
図21 画面遷移の実現例

まず、画面遷移用のUserControl(以後、「トップページ」と呼びます)を1つ用意し、これをApplication.RootVisualに設定します。この中に、ContentControlを1つ配置して、最初に表示する画面のUserControlを、このContentControlのContentプロパティに設定します。そして、UserControl間の画面遷移については、Application.Current.RootVisualプロパティを通してトップページを取得し、再度ContentControl.Contentを書き換えることで、画面遷移を実現できます。

このように、ContentControlはほかのUIオブジェクトのプレイスホルダーとして機能します。トップページには各画面で共通する画面要素を格納することにより、ASP.NETのマスタページのように使うこともできます。

本文中の各サンプルをこの方式でメニュー化してみましたので、確認してみてください。

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プロフィール
山田 達也(やまだ たつや)(Blog

インフラジスティックス・ジャパンでテクニカルエバンジェリストとデベロッパー・サポートエンジニアを兼任し、主にWindows FormsとSilverlightを担当している。
趣味はラーメン屋めぐりと温泉旅行で、各地で開催しているインフラジスティックスの無料セミナー「DevDays」と「アカデミア」の全国行脚も楽しみの1つ。イベントの最新情報はこちらをチェック!

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 INDEX
Silverlight 2で.NET技術をカッコよく使おう(2)
無料Visual Studioで始めるSilverlight 2超入門 
  Page1
Silverlight 2開発環境を一からインストール
  Page2
初めてのSilverlight 2プロジェクト
  Page3
初めてでも分かるXAMLの中身
Silverlight 2で使用可能な3種類のコンテナ
Page4
Silverlight 2の標準コントロールはこんなにたくさん!
次回は、アニメーションでSilverlightをカッコよく使う
コラム 「Silverlight 2で画面遷移を行うには?」



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