特集 Windows Server 2003完全ガイド

3.新機能/改良機能一覧(1)

デジタルアドバンテージ
2003/06/20


[表の見方]
・表の左端の列は、Windows 2000 Serverから比較して、新しく追加された機能か、改良された機能かを表しています。
  N(New Feature):新規追加された機能
  E(Enhanced Feature):改良された機能

・右端列の各アルファベットは、Windows Server 2003の各エディションを表しています。
  W:Web Edition
  S:Standard Edition
  E:Enterprise Edition
  D:Datacenter Edition
 
  機能 内容 W S E D
Active Directory関連
E Active Directory 柔軟性を向上するとともに、管理コストを低減する数々の改良を加えた。ドメイン名の変更を可能にし、新しいフォレスト信頼や、リムーバブル・メディアを使ったドメイン・コントローラの複製、管理ツールの機能強化、コマンドライン・ツールの拡充などが行われた  
N ドメイン名の変更 フォレストにある既存のドメインのDNS名やNetBIOS名を変更可能にする機能。この場合でも、グローバル・ユニークIDやセキュリティID(SID)は変更されない
E LDAPサポート LDAP(Lightweight Directory Access Protocol )は、業界標準のディレクトリ・アクセス・プロトコルで、Active Directoryのプライマリ・プロトコルでもある。Windows Server 2003では、ダイナミック・エントリ(RFC2589)、TLS(Transport Layer Security、RFC 2830)サポート、ダイジェスト認証(RFC 2829)サポートなどが追加された
N オフライン・メディアからの複製のインストール ドメイン・コントローラ間で複製を行うには、従来はネットワークに接続されていることが前提となっていたが、Windows .NET Server 2003のActive Directoryでは、データをメディア(CD-Rなど)にバックアップして、そこから複製することが可能になった  
N フォレストの信頼関係 フォレストやドメインを超えた信頼関係を構築できるようになり、シングル・サインオンの利点を犠牲にすることなく、ユーザーが異なるフォレストにあるリソースにアクセスできるようになった。フォレスト間Kerberos認証が新たにサポートされた
N 「マイ ドキュメント」のフォルダ・リダイレクション 「マイ ドキュメント」フォルダを各ユーザーのホーム・ディレクトリにリダイレクトする
E Active Directory Migration Tool (ADMT) Ver.2.0 ADMT 2.0は、従来のネットワーク環境(Windows NTドメイン、Windows 2000 Active Directory)からWindows .NET Server 2003 Active Directory環境への移行を支援するツール。Ver.2.0では、パスワード移行機能、スクリプティング・サポート、コマンドライン・サポートなどが新たに追加された
N MSS (Metadirectory Services Support) 複数のディレクトリに渡るID情報や、Active Directory関連のファイル/データベースにおけるID情報を統合化し、ID情報の単一管理を可能にする機能  
N コマンドラインによるADの操作 コマンドライン・ツールにより、ユーザーやグループといった、ADのオブジェクトを操作することが可能になった
 

  機能 内容 W S E D
アプリケーション・サービス関連
N .NET Framework/ ASP.NET Framework Windows Server 2003では、.NET対応アプリケーションを実行するためのベース環境となる.NET Framework Ver.1.1が標準で搭載される。これにより、.NET Frameworkで利用可能なWindows Forms、Web Serviceといったフォーム、クラス・ライブラリ、ADO.NETASP.NETなどの機能を利用する.NET対応アプリケーションを追加ソフトウェアなしで実行可能になった
N マネージ・コード (managed code) 開発モデル マネージ・コードとは、.NET FrameworkのCLR(コンポーネントの実行エンジン)に準拠したプログラム・コードのこと。VS.NETで開発したCLR対応のオブジェクト実行をサポートする
N ASP.NET アプリケーション側でサービス・インフラを実装しなくてもWebサービス機能を追加できる機能(Simple Web Services Creation)、ASP.NETアプリケーションの信頼性を向上させるセッション・モニタリング機能、実行性能を向上させるAPIのインテリジェント・キャッシング機能などが追加された。またASP.NETがIIS 6.0のプロセス・モデルに統合された
E 分散ファイル・サービス(Distributed File Service) DFSは、複数の物理ストレージから1つの論理ストレージを構成する機能。Windows Server 2003では、Active Directoryのサイト・メトリクスを利用して、最適なサイトを選択する機能、単一サーバで複数のDFSルートをサポートする機能などが追加された
E コンポーネント・サービス コンポーネント・サービスは、COMコンポーネント・ベースのトランザクション処理システム向けサービスのセット。これにより、COMコンポーネントのスレッディング、セキュリティ、トランザクション管理、オブジェクト・プールなどが可能になる
N メッセージ・キューイング メインフレームUNIXシステムなど、ほかのシステム上で動作するアプリケーションと、メッセージ・キューを通して通信するネットワーク・アプリケーションを開発可能にする
E MSDE (Microsoft Data Engine) MSDEは、Windowsに標準実装されているSQL 2000のサブセット版のデータベース管理ソフトウェア。Windows .NET Server 2003では、UDDIサービスのデフォルト・ストアとして、このMSDEが使用される  
N Application Verifier メモリ・リークや互換性問題などの検証を支援するツール
N 互換モード Windows 9x/Windows Me/Windows NT 4.0/Windows 2000の各OSの互換環境を提供。これにより、従来のアプリケーションを可能なかぎり実行可能にする。主要なアプリケーション向けの情報データベースを持ち、それらで発生する互換問題に対応する
 
  機能 内容 W S E D
クラスタリング
E クラスタリング サポートされるクラスタ・サイズを拡張 (Datacenter Serverで4→8ノード、Windows 2000 Advanced Server / Windows Server 2003で2ノード →8ノード)    
E サーバ・クラスタ 複数のサーバで冗長化を行い、いずれかのサーバが障害で停止したときには、別のサーバがそれに代わってサービスを提供できるようにする機能。これにより、ミッション・クリティカル・システムの可用性やスケーラビリティが向上する。またクラスタ構成情報を保持するクォーラム・リソースの種類を多様化し、テスト環境向けにローカル・ディスクを利用してクォーラムを保持したり、共有ディスクにクォーラムを保持して遠隔サイト間でのクラスタリングを可能にしたりしている
 

 INDEX
  [特集] Windows Server 2003完全ガイド
    1.Windows Server 2003オーバービュー(1/2)
    2.Windows Server 2003オーバービュー(2/2)
  3.新機能/改良機能一覧(1)
    4.新機能/改良機能一覧(2)
    5.新機能/改良機能一覧(3)
    6.新機能/改良機能一覧(4)
  
目次ページへ  Windows Server 2003完全ガイド


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