検証

Athlon搭載マシンにWindows 2000をインストールする(1/2)

デジタルアドバンテージ
1999/12/20

 11月28日にAMD(Advanced Micro Devices)は、Athlonのラインアップに0.18ミクロンプロセスで製造した750MHz版を追加した。これにより、性能とともに動作クロックでもx86プロセッサで最速の称号を再び手に入れたことになる。ご存じのとおり、Athlonは、AMD-K6-2AMD-K6-IIIの上位に位置付けられる、デスクトップパソコン向けの最上位のプロセッサで、インテルのPentium IIIに対抗するものだ。

Athlonプロセッサとプロセッサに装着する冷却ファン
Athlonプロセッサは、Pentium IIと同じ形状のSECC型パッケージを採用している。これは、リテンションキット(プロセッサの固定金具)などをPentium IIと共通化することで、システムのコストを低減できるようにするためだ。ただし、システムバスの仕様は異なるので、Pentium II用のマザーボードにAthlonを装着することはできない。

 Pentium II/III、Celeronといったインテルのプロセッサについては、編集部でも実際にインストールを行って動作を確認しており、大手PCベンダもすでに多くの機種でWindows 2000の動作保証を表明している。しかし、今のところx86互換プロセッサを搭載したパソコンで、Windows 2000の動作を保証しているのは、日本の大手メーカー製パソコンの中では、東芝のDynabook Satellite 2060(AMD K6-2/366MHz搭載)程度しかない。

 Microsoftのハードウェア互換性リストによれば、12月15日現在、CPUでWindows 2000のコンパチビリティ ロゴ プログラム準拠しているとみなされているのは、下表の5種類だけだ。

メーカー プロセッサ
AMD AMD-K6-III/450
AMD AMD-K6-2/450
Cyrix Cyrix MII 433
Rise Technology mP6-266
Rise Technology mP6-233
コンパチビリティ ロゴ準拠のプロセッサ

 この表から、AMD、Cyrixともに、主流のプロセッサのうち動作クロックが高速なもののみロゴを取得していることがわかる。残念ながら今までのところAthlonは、Windows 2000のコンパチビリティ ロゴ準拠を取得していない。

 Athlonは、x86互換プロセッサとはいえ、従来の互換プロセッサと異なり、チップセットも独自のものを必要とする(コラム:「Athlonのアーキテクチャ」参照)。バスプロトコルもPentium IIIなどとは異なっており、命令セットはx86互換であるものの、まったくのオリジナルなプロセッサといえる。現在販売されているマザーボードでは、チップセットとしてAMDが開発、製造しているAMD-750が採用されている。このチップセットは、AGP2xやUltraDMA/66、最大4ポートのUSBが利用可能で、ACPIもサポートする。

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Athlon用の代表的なマザーボードの1つ「Microstar MS-6167」
チップセットにAMD-750を採用したMicrostarのMS-6167。Athlon用としては、最も標準的なマザーボードであり入手性も高い。

 Windows 2000は、Windows NT 4.0をベースに開発されているため、システムBIOSなどに依存せずに、ハードウェアの細かい部分までOSがコントロールするような仕組みとなっている。そのため、チップセット仕様が大きく異なるAthlonでは、Athlon対応のドライバなどを用意しないと、互換性の問題から一部の機能が動作しない可能性もある。特にUltraDMA/66やACPIといった新しい機能は、Athlonシステムに限らず、とかく互換性の問題が発生しがちだ。

 そこで本稿では、Athlon搭載PCの1つであるフリーウェイのViPシリーズのマシンに対し、実際にWindows 2000をインストールしてみる。もちろん、この特定のマシンでの実験結果をAthlon搭載マシン全般に拡大解釈することはできないが、参考にはなるだろう。

   
     
 INDEX
検証:Athlon搭載マシンにWindows 2000をインストールする(1/2)
    コラム:Athlonのアーキテクチャ
    コラム:Athlonのロードマップ
 
 
 検証


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