検証

ネットワーク管理者のためのGnutella入門

井口圭一/デジタルアドバンテージ
2000/09/15


 Napster(ナップスター)の登場によって、「ファイル交換ソフトウェア」と呼ばれるソフトウェアが注目を集めている。これはインターネットを経由して、クライアントPC同士が直接ファイル交換を行えるようにしたソフトウェアである。ファイル交換ソフトウェアを使えば、インターネットという全世界的なネットワークを使って、合法なものから違法性が高いものまで、音楽データなどを個人同士でいとも簡単に交換することが可能となる(Napsterの詳細については、別稿の「実験:ネットワーク管理者のためのNapster入門」を参照)。

 Napsterでは、ファイル交換自体はクライアント同士で行われるものの、ファイルの検索などには中央のサーバが必要であり、ここでNapsterクライアントをモニタしたり、このサーバへのアクセスを禁止することによって、使用を禁止したりすることが可能だった。しかしネットワーク管理者にとっては、さらに強敵が現れてしまった。それが今回ご紹介するGnutella(グヌーテラまたはヌーテラ)である。ちなみにこの読みであるが、米国では先頭の「G」を発音せず、「ヌーテラ」または「ニューテラ」と発音するのが一般的である。ただしGnutellaの命名では、オープン・ソースの流れを汲むという意味で、GNU(「グニュー」。この場合の「G」はあえて発音するのが正しい)も意識しているとも言われる。残念ながら、真偽のほどは明らかではない。

 このGnutellaでは、中央のサーバはいっさい必要がない。ネットワークに参加するコンピュータは、すべてが対等で、すべてがクライアントであると同時にサーバでもある。中央にサーバは存在しないので、だれがいつ、どこでどんなことにGnutellaを使っているのか、集中的にモニタする手段はない。また同じ理由から、アクセスを禁止するのも容易ではない。ネットワーク管理者にとっては、大きな脅威となりうるソフトウェアである。

 そこで本稿では、Gnutellaの機能を簡単にご紹介し、それを可能にするGnutellaネットワークのしくみについて解説する。会社のネットワークをGnutellaの脅威から守るにはどうすればよいか。そのヒントを得ることができるだろう。

関連記事(Windows Server Insider)
  検証:ネットワーク管理者のためのNapster入門
 
  関連リンク
  Gnutellaのホームページ(Gnutella)
 
 

 INDEX
[検証]ネットワーク管理者のためのGnutella入門
    1.Gnutellaとは何か?
    2.Gnutellaのインストールと実行(1)
    3.Gnutellaのインストールと実行(2)
    4.Gnutellaの通信メカニズム(1)
    5.Gnutellaの通信メカニズム(2)

 更新履歴

【2000/09/21】「Gnutella」の読みに関する部分で、当初は「グヌーテラ」とのみ表記していましたが、米国では広く「ヌーテラ」、「ニューテラ」と呼ばれていることが判明したため、情報を追加しました。
 
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