検証

ネットワーク管理者のためのSkype入門

―― 世界を席巻する無料通話ソフトウェアの内部 ――

第1回 ユーザーから見たSkype

デジタルアドバンテージ+海津 智宏
2005/06/09

Index
第1回 ユーザーから見たSkype
第2回 Skypeの通信メカニズム

世界を席巻する“Skype”とは何か?

 「Skype(スカイプ)」という便利なソフトウェアをご存じだろうか? Skypeは、インターネットを通じて音声通話や文字によるチャットなどが行えるコミュニケーション・ソフトウェアである。Peer to Peer(以下PtoP)モデルのファイル交換ソフトウェアとして著名なKaZaaの開発元が、それまでに培ってきたPtoP技術を生かして開発したソフトウェアがSkypeである。インターネットを介した音声通話やチャットというと、以前からYahoo ! MessengerやMSN Messenger/Windows Messengerなどのインスタント・メッセージング・ソフトウェア(以下IMソフトウェア)が提供されているが、Skypeはこれらにはないさまざまな特徴がある。

Skype
Skypeは、インターネットを介して音声通話や文字によるチャット、ファイル転送などを可能にするソフトウェアである。一見するとYahoo! MessengerやMSN MessengerなどのIMソフトウェアと似ているが、使い勝手や品質などが大幅に向上されている。無料で利用できることから、世界中で爆発的にユーザーを増やしつつある。

 IMソフトウェアとして、Windows環境で現在最も広く使われているのはMSN MessengerやWindows Messengerだろう。これらでもSkypeと同じようにチャットができるし、音声による通話や、ファイル送信などが可能だ。にもかかわらず、後発であるSkypeが注目を集める理由は、NATによるアドレス変換やファイアウォールが存在する環境でも外部と簡単に接続できること、通話の音声品質が高いこと、最大5人までの同時通話が可能なこと(Windows Messengerは1対1の通話のみサポート)、OS環境を選ばず利用できること(Windows 2000/XP、Linux、Mac OS X、Windows Pocket PC 2003)などがあるだろう。

MSN MessengerとWindows Messengerの違い(Windows TIPS)

 特に、技術的な知識や、ネットワークに対する特別な権限がなくても簡単に接続できるという第1の理由は、エンド・ユーザーにとっては大きな魅力である。従来のIMソフトウェアでは、UPnP(Universal Plug and Play)対応ルータなどを使っているのでもないかぎり、IMソフトウェアが使用するポートの通信がブロックされないように、ファイアウォールの設定を変更する必要がある。Skypeは簡単に設置できて、世界中のSkypeユーザーと何時間でも高品質音声で通話でき、しかもこれがすべて無料という、ユーザーからしてみれば夢のようなソフトウェアなのだ。

Skypeを利用した通信
NATによるアドレス変換やファイアウォールが存在する環境など、従来のIMソフトウェアでは接続できなかった環境でも、Skypeなら問題なく接続できる可能性が高い。

 環境を選ばない接続性向上のために、Skypeではさまざまな工夫がなされている(具体的なSkypeの通信手順については、後編で紹介する予定)。

 ネットワークに関する特別な知識がなくても簡単に接続できることは、エンド・ユーザーにとっては何よりありがたいことだが、管理者としては喜んでばかりはいられない。ユーザーが増えれば、Skypeのトラフィックがネットワークに少なからぬ負荷をかけるだろうし、通話は安全なのか(情報漏えいの危険はないのか)、Skypeの通信を介してウイルスやワームなどに感染する危険はないのか、強制的に利用を禁止することはできるのかなど、気になる点は非常に多い。

運用「仕事に使うSkype

 そこで本稿では、Windowsネットワーク管理者を対象に、ユーザーのSkype利用を管理することを目的として、Skype機能とそれらを実現する内部メカニズムを解説する。ファイアウォール管理やネットワーク・トラフィック分析、Skypeの利用ガイドライン検討などに役立てば幸いである。なお、Skypeの持つ機能やインストール方法、使い方などについては、関連記事を参照していただきたい。

 

 INDEX
  [検証]ネットワーク管理者のためのSkype入門
第1回 ユーザーから見たSkype
    1.Skypeの入手と初期設定
    2.Skypeのプライバシー設定
    3.通話、電話会議を体験する
 
 「検証」


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