高可用Windowsシステムの研究
SQL Server 2005の高可用テクノロジ編

第2回 SQL Serverの可用性向上のためのシステム構成

4.可用性向上テクノロジの比較

デジタルアドバンテージ
資料提供、技術協力:マイクロソフト
2007/03/12

 これまでに、フェイルオーバー・クラスタ、ログ配布、データベース・ミラーリングの各可用性向上テクノロジについてみてきた。まとめとして、各テクノロジの主要な特徴比較してみよう。

可用性機能 データベース・ミラーリング(同期) データベース・ミラーリング(非同期) フェールオーバー・クラスタ ログ配布
障害検知
×
自動フェイルオーバー
×
×
ディスク障害への対応
×
(共有ディスク)
SQL Serverプロセス障害への対応
DB以外のプロセス障害への対応
×
×
×
コミットされたトランザクションの保証

(常に最新)
×
(最後の同期の成功まで)

(常に最新)
×
(最後のログ・バックアップまで)
想定されるダウンタイム
数秒以内
データベース復旧時間に依存(通常数十分)
通常1分程度
データベース復旧時間に依存(通常数十分)
クライアント(アプリケーション)への透過性

(自動もしくは手動でのリダイレクト)

(手動でのリダイレクト)

(同じIPへの再接続)
×
(通常は運用で対処)
特別なハードウェアの必要性
×
(もう1台のシステムは必要)
×
(もう1台のシステムは必要)

(クラスタ用の特別なハードウェア)
×
(もう1台のシステムは必要)
(理論的な)距離の制約
あり
特になし
約160 kmまで
特になし
パフォーマンスへの影響
多少の影響あり
ほぼ影響なし
影響なし
ほぼ影響なし
ローリング・アップグレード
×
×
可用性テクノロジ比較

 可用性機能の最後に示した「ローリング・アップグレード」は、複数ノードからなるクラスタに対し、修正プログラムなどを適用してアップグレードするときに、1ノードごとにアップグレードを実施し、サービス自体は継続する機能である。表に示したとおり、データベース・ミラーリングにおけるローリング・アップグレードは、データベース・ミラーリングで使用される通信プロトコルが変わらない限り可能だ。この詳細については、以下のサポート技術情報を参照されたい。

  • データベースミラーリングを使用するように構成されているSQL Server 2005のインスタンスにService Packおよび修正プログラムをインストールする方法(KB926824)
    http://support.microsoft.com/kb/926824/ja

 実際のシステム構成の検討では、システムに求められる可用性レベルや必要なパフォーマンス、予算などに応じて、適当なテクノロジを選択することになるだろう。


 INDEX
  [高可用Windowsシステムの研究−SQL Server 2005の高可用テクノロジ編]
  第2回 SQL Serverの可用性向上のためのシステム構成
      1.フェイルオーバー・クラスタの構成と働き
      2.ログ配布の構成と働き
      3.データベース・ミラーリングの構成とはたらき
    4.可用性向上テクノロジの比較
      5.複数の可用性向上テクノロジの組み合わせ
 
 [高可用Windowsシステムの研究]


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