Windows HotFix Briefings
(2004年7月30日版)

―― 修正プログラム適用に関する問題点、不具合情報の隔週レポート ――

DA Lab Windowsセキュリティ
2004/07/30

このHotFix Briefingsでは、HotFixの公開後に明らかになった問題点、不具合などの情報を隔週でまとめてお届けします。

[新着SP情報]
Office 2003 Service Pack 1が公開

情報の内容

Office 2003向けService Pack 1の公開
情報ソース マイクロソフト
報告日 2004/07/27
対象環境 Office 2003

 マイクロソフトは、2004年7月27日より、同社の最新アプリケーション・スイートであるOffice 2003向けの初めてのサービスパック「Office 2003 Service Pack 1(以下Office 2003 SP1)」の提供を開始した。ダウンロード・サイトまたはオンライン/FAX申し込みによるCD-ROMで提供されている。CD-ROM(実費負担)は、2004年10月下旬ごろより提供が開始される予定だ。また、Windows Updateのページなどから利用できる[Officeのアップデート]の機能を使って、自動的にダウンロード/インストールさせることもできる。

 マイクロソフトの説明によれば、このOffice 2003 SP1を適用することにより、安定性とパフォーマンスを向上させ、セキュリティを大幅に強化できるという。

 Office 2003 SP1には、Office 2003向けに過去に公開された修正プログラムの多くが含まれている。これら既出の修正プログラムを適用済みの環境に対しても、Office 2003 SP1を正しく適用することができる。

 ただしInfoPath 2003向けに提供されていたInfoPath 2003 SP1 Previewをインストールしている場合は、Office 2003 SP1を適用する前にInfoPath 2003 SP1 Previewをアンインストールする必要がある。

 Outlook 2003(およびOutlook 2002)では、マイクロソフトがインターネット上で提供するサービスを利用して、インターネットを介して予定表の空き時間を共有可能にする「Microsoft Officeインターネット予定表空き時間情報」が利用可能だ。しかしOutlook 2003にOffice 2003 SP1を適用すると、この「インターネット予定表空き時間情報」が削除される。詳細は以下のサポート技術情報を参照されたい。ただしこのサービスは、2004年末までにサービスが終了する予定のようだ。

「インターネット予定表空き時間情報」サービスの詳細

 なおOffice 2003 SP1は、いったんインストールするとアンインストールできないので注意が必要だ。Office 2003 SP1をアンインストールするには、Office 2003のすべてのプログラムを一度削除して、Office 2003 CD-ROMから再インストールしなければならない。このようにアンインストールにかかる手間は甚大なので、特に組織的にOffice 2003 SP1を展開する場合には、適用による不具合が発生しないかどうかを事前に入念にテストする必要がある。Office 2003アプリケーションを直接起動した場合はもちろん、Office 2003コンポーネントを処理の一部で利用している業務アプリケーションなどにも影響が及ぶ可能性がある。

 このほか、Office 2003関連製品に対応するSP1や修正プログラムも登場している。


[新着ダウンロード情報]
DirectX 9.0cエンドユーザー・ランタイムが公開

情報の内容 最新版DirectXランタイムの公開
情報ソース マイクロソフト
報告日 2004/07/28
対象環境 Windows 2000 SP0、SP1、SP2、SP3、SP4/Windows 98、98 SE/Windows Me/Windows XP SP0、SP1/Windows Server 2003

 マイクロソフトは、2004年7月28日より、Windows環境で各種マルチメディア・サービスを提供するDirectXの最新版ランタイム「DirectX 9.0c」の提供を開始した。DirectXは、動画再生やアニメーションなどのマルチメディア・アプリケーションが利用するランタイムである。今回のDirectX 9.0cは、従来のすべてのDirectXバージョンの後継に位置付けられるもので、まもなく公開が予定されているWindows XP SP2にも含まれるものだ。

 DirectX 9.0cにバージョンアップすることで、マルチメディア・アプリケーションなどDirectXインターフェイスを利用するアプリケーションの性能が向上したり、安定性が向上したりする可能性がある。マイクロソフトによれば、DirectX 9.0cにはMS04-016(DirectPlay の脆弱性により、サービス拒否が起こる 839643/MS04-016)の修正が含まれている模様である。ただし現時点では、マイクロソフトからDirectX 9.0cに関する詳細な説明は提供されていないため、DirectX 9.0bからの機能強化点などは不明だ。

 なおDirectX 9.0cをいったんインストールすると、OSの重要なファイルやレジストリが書き換えられてしまうため、アンインストールはできないとのことだ。組織的な展開を実施するなら、事前に入念なテストが必要である。


[不具合情報]
MS04-021適用でIIS 4.0が応答不能になる

情報の内容 MS04-021の適用によりWindows NT 4.0のIIS 4.0で不具合
情報ソース マイクロソフト
報告日 2004/07/27
MS Security# MS04-021
MSKB# 873401
対象環境 Windows NT 4.0 +IIS 4.0

 マイクロソフトは、Internet Information Server 4.0(以下IIS 4.0)を実行中で、かつ特定のISAPI(Internet Server API)フィルタがインストールされているWindows NT 4.0環境に対してMS04-021(Internet Information Server 4.0 のセキュリティ更新プログラム)を適用すると、一部のプロセス(Inetinfo.exe)が応答しなくなり、アクセス違反が発生してフィルタが応答不能になる不具合があることを公表した。

 以下のフィルタで問題の発生が確認されている。

  • Microsoft Proxy 2.0 Web Proxyフィルタ
  • Entrust getAccessフィルタ
  • Netegrity SiteMinderフィルタ

 この問題に対する修正プログラムは提供されているが、入手にはマイクロソフトのサポート・サービスに問い合わせる必要がある。


[追加情報]
MS04-018はOutlook Express未使用ユーザーにも影響あり

情報の内容 MS04-018の影響範囲に関する追加情報
情報ソース 米Microsoft Blogサイト
MS Security# MS04-018
報告日 2004/07/17
対象環境 Outlook Express 5.5 SP2/Outlook Express 6

 米Microsoftが公開しているBlogサイトへの開発者の書き込みによれば、MS04-018(Outlook Express 用の累積的なセキュリティ更新プログラム)で修正される脆弱性は、Outlook Expressの使用有無にかかわらず、ほかのアプリケーションにも影響を及ぼす可能性があるという。

 これはMS04-018の修正プログラムを開発した開発者自身による書き込みと思われる。情報によれば、MS04-018によって修正されるシステム・ファイルのInetcomm.dllは、Outlook Express以外のWindowsアプリケーションに対しても機能を提供しており、Inetcomm.dllの脆弱性の影響は、これらのWindowsアプリケーションにも及ぶとしている。

 Outlook Expressを利用しているかどうかにかかわらず、MS04-018の適用対象環境を使っているなら、修正プログラムの適用を検討した方がよさそうである。

 
そのほかの不具合情報、追加情報
 
 Windows HotFix Briefings


Windows Server Insider フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Windows Server Insider 記事ランキング

本日 月間