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安価なWorkgroup Editionを追加したMOM 2005

―― MOM 2005 Workgroup Editionのメリット ――

Peter Pawlak
2004/11/03
Copyright (C) 2004, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc.


本記事は、(株)メディアセレクトが発行する月刊誌『Directions on Microsoft日本語版』 2004年11月号 p.51の「MOM 2005が新ライセンス・モデルに小規模事業向けのエディションを投入」を、許可を得て転載したものです。同誌に関する詳しい情報は、本記事の最後に掲載しています。

 サーバの稼働状況を集中的に監視するMicrosoft Operations Manager(MOM)2005の特徴は、スケーラビリティ、セキュリティ、および管理パックの改良、そして新しいレポーティング・システム、新型のオペレータ用コンソール、小規模事業者向けの安価な新しい「Workgroup Edition」の提供が挙げられる。それに伴い、Microsoftはフル・バージョンのライセンス方法を変更した。すべての管理パックは無料になったが、プロセッサ・ライセンスから、サーバ・ライセンスと管理対象デバイス・ライセンスの組み合わせに変更されたため、多くのケースで価格が上昇することになる。

最新Microsoft Operations Managerの実力

 MOM 2000は、MOMサーバおよび各管理対象サーバ用のプロセッサ単位のBase Licenseと、アプリケーション管理パック(MP:アプリケーションの正常な振る舞いを定義するルールとスクリプトのセットで、一部のMicrosoftサーバ製品の管理に必要)用の個別のプロセッサ・ライセンスを必要としていた(編集部注:MOM 2000は日本国内では発売されなかった。まもなく発売が予定されるMOM 2005が初めて日本で発売されるバージョンになる)。

 MOM 2005ではこれとは対照的に、顧客はMOMを稼働するサーバ用のBase Licenseと、プロセッサの台数とは無関係な、各管理対象サーバ用のOperations Management License(OML)を必要とする。このモデルでは、すべてのMPは無料である。

ライセンス形態がSMSと同様に

 新モデルはより合理的で、Systems Management Server(SMS)のサーバ/CALライセンス・モデルに似ており、間もなくSMS 2003とMOM 2005がバンドルされてSystem Centerという名称の新製品となったときに発生するであろうライセンスの矛盾を解決する。MOM 2000は明らかにサーバの管理をターゲットとしていたが、MOM 2005はSMSと同様に、各「管理対象デバイス」(「1台のサーバ、1台のパソコン、ワークステーション、端末、ハンドヘルド・コンピュータ、ページャ(ポケット・ベル)、電話機、PDAなどの携帯情報端末、そのほかの電子機器」と定義される)にOMLを必要とする。しかしOMLの単価は539ドルなので、顧客がMOMをサーバ以外の監視を目的に使うことは考えにくい。

■変更の効果
 ライセンス・モデルの変更は多くの場合、一部の顧客を不利にする。シングルCPU管理サーバを使い、余分なコストのかかるMOM 2000アプリケーション管理パックを必要としない顧客は、旧来のライセンス・モデルを好むだろう。1台の管理対象サーバ当たり190ドル安価になっている。

 しかし多くの組織、特にマルチプロセッサ・サーバを有する企業にとって、計算はさらに複雑だ。例えば、デュアルプロセッサのMOM管理サーバを用いて10台のシングルプロセッサ・サーバと10台のデュアルプロセッサ・サーバ、2台の4プロセッサ・サーバを監視している組織は、旧来のモデルでは約1万1866ドル、これに対し新モデルでは1万2587ドルを支払うことになる。しかし、ほんの数個のアプリケーション管理パックの追加コストにより、旧来のモデルはより高価になる。

 新モデルは非常にシンプルであり、Microsoftは製品固有のMPを追加コストなしに顧客の手に渡すことができ、マルチプロセッサ・サーバを監視する必要のある組織に財政的負担をかけることはない。

■ライセンスの新モデルへの移行
 製品の基盤にあるライセンス・モデルが変更された場合の常として、今回の変更もMOM 2005へのアップグレードを希望するMOM 2000の既存顧客にいくつかの難題を課す。2004年10月1日時点でBase Licenseまたはアプリケーション管理パック用のSoftware Assurance(SA)に加入しているMOM 2000のすべての顧客には、次のアップグレード・オプションが用意されている。

  • 各MOM 2000プロセッサBase Licenseは、1つのMOM 2005サーバ・ライセンスまたは1つのMOM 2005 OMLのいずれかにアップグレード可能。

  • 各MOM 2000プロセッサ・アプリケーション管理パック・ライセンスは、1つのMOM 2005サーバ・ライセンスまたは1つのMOM 2005 OMLのいずれかにアップグレード可能。

新たなSQLバンドル形態で要件を緩和

 MOM 2005はWindows 2000 ServerまたはWindows Server 2003のいずれでも稼働し、SQL Server 2000のプロセッサ・モードのライセンスを必要とする。

 しかし、MOM 2005(SQL Server 2000 Technology付)という名称のより経済的なパッケージが、すべてのボリューム・ライセンス顧客に約1649ドルで提供されている。このパッケージはMOM 2005サーバ・ライセンスだけでなく、SQL CALの不要なSQL Serverの特別サーバ・ライセンスを含んでいる。このライセンスの下では、SQL ServerはMOM管理サーバと同じサーバか、または別のサーバのいずれかにインストールできるが、MOMまたはSMSデータベースのホスティング以外の目的には一切使用できない。

 管理者とオペレータがMOM 2005サーバの設定および監視用に使用するコンソールはMOMライセンスを必要とせず、Windows 2000 Professional以降を要求するだけである。

小規模事業者向けのWorkgroup Edition

 小規模事業者(またはそれらのサービス・プロバイダ)も自社システムの稼働状態を知る必要があるが、MOM 2000はそのコストと複雑さが原因で市場のローエンドから遠ざけられていた。MOM 2005 Workgroup Editionという名称のよりシンプルかつ安価なバージョンが今回からこの市場をターゲットにし、フル・バージョンの大半のメリットを提供する。

 MOM 2005 Workgroup Editionは基本的にMOM 2005のフル・バージョンから、Reporting Servicesとデータウェアハウス、Microsoft Connector Framework(MOMをほかの管理システムと統合するためのソフトウェア)を除いたものである。フル・バージョンとは異なり、Workgroup EditionはSQL Serverの代わりに無料のMSDEデータベース・エンジンを使用できるが、このエンジンは格納データの上限が2Gbytesという制約を受ける。Workgroup Editionにはフル・バージョンと同じMPが付属し、インストールはより簡単だ。しかし、1台の管理サーバのみにインストール可能で、管理できるのは最大10台のサーバである。

 Workgroup Editionの価格は、管理対象サーバの台数を問わず499ドル(OMLは不要)。フル・バージョンとは異なり、Windows Server 2003上で稼働しなければならず、Active Directoryを必要とする。

MOMの価格比較表

 表は、ライセンス・モデルの変更と、MOM 2000およびMOM 2005の推定ボリューム価格を示す。

  MOM 2000 MOM 2005
管理サーバ プロセッサあたり349ドル サーバあたり729ドル
管理対象デバイス(一般にサーバ) プロセッサあたり349ドル Operations Management Licence(OML)はデバイスあたり539ドル
アプリケーション管理パック アプリケーション管理パックはプロセッサあたり349ドル 無料
 MOM 2000アプリケーション管理パック(MP)は、MOM 2000がCommerce Server 2000、Exchange Server 5.5/2000、Host Integration Server 2000、Internet Security and Acceleration Server 2000、SQL Server 7.0/2000を監視するうえで必要とされる。Microsoftは2002年から、MOMアドオン・モジュールを無料のアプリケーション管理パックに含める代わりに、無料で提供し始めた。無料のMOM 2000/2005管理パックは、サーバ製品ソフトとともに、またはダウンロード経由で配付されており、Application Center 2000、BizTalk 2002(以降)、Exchange Server 2003、Identity Integration Server 2003、Live Communications Server 2003、Project Sever 2003、Rights Management Server、SharePoint Portal Server 2003、Systems Management Server 2.0/2003用のものがある。
 
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