運用

Microsoft Data Protection Manager 2006
―― ハードディスク・ベースのバックアップ/データ保護ソリューション ――

第3回 ファイル回復と監視/レポート機能

1.管理コンソールを使ったファイル回復作業

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2005/12/15


Index(全3回)
DPM 2006の概要とインストール
DPM 2006の保護オプションとスケジュール設定
ファイル回復と監視/レポート機能

 前回は、Microsoft Data Protection Manager 2006(以下DPM 2006)の運用管理の主要なポイントである、保護グループの作成や同期スケジュールの設定などについて解説した。DPM 2006解説の最終回となる今回は、DPM 2006のもう1つの重要な機能である「回復」機能について解説する。回復により、過去の任意のバージョンを自由に選んで復旧させる(削除や上書き更新されたファイルの内容を元に戻す)ことができる。またレポート機能についても触れる。

管理コンソールを使ったファイル回復作業

 「回復」とは、DPM 2006によってバックアップ(保護)された過去のバージョンのファイルやフォルダを取り出して、元のファイルに上書きして戻したり、別のフォルダにコピーしたりする操作のことを指す。

 回復を行うには、管理者がDPM 2006サーバのコンピュータ上で行う方法と、エンド・ユーザーが自分自身で行う方法の2つがある。まずは管理コンソール上で行う回復作業について解説する。この方法では、ファイルのアクセス権にかかわらず、ファイルやフォルダを回復することができる。

 回復を行うためには、まずDPM 2006の管理コンソールを起動し、ナビゲーション・バーの[回復]を開く。[参照]タブを選択すると、過去に保存されたシャドウ・コピーの一覧が日付順にツリー表示されているので、ここから回復したいファイルやフォルダを直接探せばよい。対象となるファイルの正確な名前や場所が不明な場合は、[検索]タブで、名前や場所(フォルダ)、日付などを指定して該当するファイルを検索し、そこから選ぶこともできる。

以下の画面例では、一部ベータ版ソフトウェアを使用しており、メッセージが英語になっている場合があります。あらかじめご了承ください。
 
回復するファイルの選択
過去のレプリカの一覧から特定のバージョンを選んで回復させることができる。
  このタブを選択する。
  過去のバージョン(同期処理が行われた時刻)の一覧。
  ファイルの一覧。この中から回復させたいファイルを選ぶ。
  これをクリックすると、回復処理が行われる。
  選択したファイルの、過去のバージョンの一覧を表示させ、そこから回復するバージョンを選ぶこともできる。

 回復したいデータとそのシャドウ・コピーのバージョンを特定したら、その項目を選択し(複数選択可能)、[操作]ウィンドウにある[選択されたバージョンの回復]をクリックすると、次のようなダイアログが表示される。

[データの回復]ダイアログ
回復するファイルの一覧や回復したファイルの格納先、回復の方法などを指定する。
  回復するファイルの情報。
  ファイルの元のフォルダ名。
  回復したファイルの保存先。デフォルトでは、元のフォルダと同じ場所に書き戻される。
  回復するファイルの一覧。
  ファイルの保存先の変更。
  これをクリックすると、実際の回復処理が始まる。
  回復の方法の設定。

 このダイアログでは、ファイルの保存先や回復の方法などを設定することができる。デフォルトでは、元のデータのあったフォルダが保存先として設定されているが、[宛先の変更]ボタンをクリックすると、任意の場所(フォルダ)にファイルを復元することができる。復元先は、DPM 2006で保護されているサーバ上である必要はなく、ローカル・フォルダやサーバ上の共有フォルダなどを指定できる。復元方法を変更するには、[回復オプション]タブを選択する。

ファイルの復元方法の指定
このダイアログでは、復元方法やセキュリティ属性の復元方法、通知先などを指定することができる。
  回復の動作モードの設定。
  回復(復元)したファイルを、元のファイル位置に上書きするか、別のコピーを作成するかなどの指定。デフォルトでは、「2005-12-11 08-00 コピー 〜 元のファイル名」というふうに、ファイル名の先頭に日付や時刻情報を付けて、新しいコピーが作成される。
  復元したファイルのセキュリティ・モードの設定。
  回復動作の終了時にメールを送信するための設定。

 オプションを設定後、[今すぐ復元]ボタンをクリックするとすぐに復元処理が行われる。ファイルの数にもよるが、1分もかからないうちに復元処理が行われ、通知オプションが有効になっていれば、メールで通知が行われる。管理者に通知するだけでなく、ファイルの復元処理の依頼者に対して、メールで処理の完了を通知する、といった使い方ができる。具体的には、次のようなメールが送信される。

完了の通知メールの例
回復動作が完了すると、このようなメールを送信させることができる。これにより、受信者(一般的には回復の依頼者)は、回復処理が完了したことが分かる。
  通知メッセージの例。回復処理の開始時間やその状態などがメールで通知される。


 INDEX
  [運用]Microsoft Data Protection Manager 2006
  第3回 ファイル回復と監視/レポート機能
  1.管理コンソールを使ったファイル回復作業
    2.エンド・ユーザーによるファイル回復(1)
    3.エンド・ユーザーによるファイル回復(2)
    4.動作の監視とレポート機能
 
 運用


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