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Windows XP「引越ラクラク」テクニック

4.転送ウィザードを使う その1:PC→PC間での直接ネットワーク転送

デジタルアドバンテージ
2002/02/09


 すでに述べたとおり、新旧2台のコンピュータをネットワークで接続して、両者間でファイルや設定情報を直接転送することができる(シリアル・ケーブルを使った直接接続も可能だが、転送速度が低すぎて現実的ではないので、ここではネットワークのみを取り上げる)。これにはまず、転送先となるWindows XP側で転送ウィザードを起動しておき、その状態で、転送元側の転送ウィザードを起動する。すると転送元側の転送ウィザードはブロードキャストによって転送先を探し出し、これに接続、データ転送を開始する。セキュリティを確保するため、この際にパスワード入力が求められることはすでに説明した。以下、画面を交えながら、手順を追って解説しよう。

[PC→PC]ステップ1:転送先のWindows XP環境で転送ウィザードを起動する

 転送ウィザードでは、一種のバックアップ処理のように、ファイルを書き出したり、書き戻したりするので、アプリケーションによってオープンされたままになっているファイルなどがあると、処理を正しく行えない場合がある。起動中のアプリケーションがあるなら、まずはそれらを終了しよう。

 次に、転送先となるWindows XP Home Edition/Professionalの[スタート]メニューの[すべてのプログラム]−[アクセサリ]−[システム ツール]−[ファイルと設定の転送ウィザード]を起動する(あるいは、[ファイル名を指定して実行]ダイアログで、転送ウィザードの実行ファイル名である「migwiz」を指定する)。すると[ファイルと設定の転送ウィザードの開始]というダイアログが表示されるので下の[次へ]ボタンをクリックする。

[PC→PC]ステップ2:転送先/転送元の選択

 Windows XPで転送ウィザードを起動したときには、次のダイアログが表示されるので、このコンピュータが転送先なのか、転送元なのかを選択する。転送ウィザードは、Windows XP以外を「転送先」に指定することはできないので、Windows XP以外で転送ウィザードを実行した場合にはこのダイアログはスキップされ、次のステップ3に移動する。

転送先/転送元の選択
Windows XPで転送ウィザードを実行したときだけ表示されるダイアログ。ここでは、転送ウィザードを実行しているコンピュータが転送先(環境の移行先)なのか、転送元(環境の移行元)なのかを選択する。
  このコンピュータに環境を移行する場合にはこちらを選択する。
  このコンピュータの環境を別のコンピュータに移行する場合にはこちらを選択する。

 今回は、いま転送ウィザードを実行しているコンピュータを転送先に指定するので、[転送先の新しいコンピュータ]の方を選択して[次へ]ボタンをクリックする。

[PC→PC]ステップ3:ウィザード・ディスクの作成

 次は、転送元のコンピュータで転送ウィザードを起動しなければならないのだが、ここでそのためのプログラムが準備されているかどうかが確認される。本稿で前述したとおり、Windows XPのインストールCDは使わず、ウィザード・ディスクを作成して使用する(このダイアログはすでに紹介したが、流れを追うためにここでも再掲載しておく)。ウィザード・ディスクをまだ作成していなければ、[ウィザード ディスクを次のドライブに作成します]を選択しディスクを作成し、すでに作成済みの場合には[既にウィザード ディスクがあります]を選択して[次へ]をクリックする。

ウィザード・ディスクの作成
ウィザード・ディスクを作成するか、すでに作成済みかを選択する。
  ウィザード・ディスクを作成していないときは、これを選択してディスクを作成する。
  すでに作成したウィザード・ディスクがあるときには、これを選択する。
  Windows XPのインストールCDに含まれている転送ウィザードにはバグがあるので、使わないようにする(この項目は選択しない)。
  すでに転送元のコンピュータでの情報収集が完了しているときにはこれを選択する。

 次に進むと、以下のダイアログが表示される(を選択した場合は、ウィザード・ディスクの作成後にこのダイアログになる)。

[古いコンピュータに行ってください]ダイアログ
ここまで進んだら、作成したウィザード・ディスクを持って、転送元となる古いコンピュータの前に移動する。このダイアログが表示されている間、転送先コンピュータは、転送元コンピュータの転送ウィザードによるネットワーク・アクセスを待ち受けている。

 この状態で、いま操作中の転送先コンピュータは、転送元コンピュータで実行された転送ウィザードからのネットワーク・アクセスを待ち受けている。そこで、転送先コンピュータはこのままにして、ウィザード・ディスクを持って転送元の古いコンピュータの前まで移動する。


 INDEX
  [運用]Windows XP「引越ラクラク」テクニック
    1.「ファイルと設定の転送ウィザード」の動作原理
    2.転送ウィザードによって転送される情報
    3.アップデート版「転送ウィザード」の入手とインストール
  4.転送ウィザードを使う その1:PC→PC間での直接ネットワーク転送
    5.[PC→PC]ステップ4:転送元コンピュータで転送ウィザードを起動する
    6.転送ウィザードを使う その2:PC→FILE→PCでのデータ転送
    7.転送するファイルと設定のカスタマイズ
 
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