[運用]
ノマド・ワーク時代のモバイル・ルータ選び
(2011年10月版)

2.気になるモバイル・ルータの料金体系

井上 孝司
2011/10/06

モバイル・ルータの料金体系と選択のポイント

 モバイル・ルータといえどもデータ通信端末の一種だから、料金体系はデータ通信端末のそれに準じるのが普通だ。詳細については後述するが、基本的には2パターンに分類できる。

 1つは「完全定額」で、恒常的にデータ通信を行うユーザーに向いている。例えばauのデータ通信サービスを使用している筆者の場合、多いときには10万円分を超えるデータ量の通信が発生しているが、定額料金を超える支払は発生しない。その代わり、月に1度もデータ通信を行わないような利用頻度が低いユーザーにとっては割高になる。

 もう1つは「2段階定額」だ。データ通信量が少ないときには安価な第1段階の料金を適用するが、通信量が一定量を超えると、所定の単価に基づく従量課金に切り替わる。ただしそれには上限額が設けられているので、上限額に達した後は定額制と同じことになる。この場合、データ通信量が少ない場合には割安になる反面、上限額は完全定額の場合よりも高額になる場合が多い。そのため、頻繁にデータ通信を行うと、完全定額よりも割高になってしまう。Webページの閲覧やYouTubeの視聴などを行うと、パケット量がすぐに従量課金の上限に達してしまうので、モバイル・ルータを頻繁に利用するのならば、完全定額にしておいた方が結果的には安く済むだろう。

キャリア別モバイル・ルータ・カタログ

 モバイル・ルータで使用している通信規格は、事業者によって異なる。また、同じ事業者であっても複数の通信規格を用いている場合がある。もちろん、高速な通信を行えるサービスほど月額料金が高い傾向にある。日本で用いられている通信規格には以下のものがある。

規格名 通信速度 対応事業者
W-CDMA 下り・上りとも384kbit/s NTTドコモ、ソフトバンクテレコム、イー・モバイル
W-CDMA HSDPA 下り7.2Mbit/s、上り5.76Mbit/s NTTドコモ、イー・モバイル、ソフトバンクテレコム
W-CDMA DC-HSDPA & HSUPA 下り42Mbit/s、上り5.76Mbit/s ソフトバンクテレコム、イー・モバイル
W-CDMA HSPA+ & HSUPA 下り21Mbit/s、上り5.76Mbit/s イー・モバイル
CDMA2000 1xEV-DO Rev.A 下り3.1Mbit/s、上り1.8M kbit/s au
CDMA2000 1xEV-DO MC-Rev.A 下り9.2Mbit/s、上り5.5Mbit/s au
モバイルWiMAX 下り40Mbit/s、上り10Mbit/s UQ WiMAX
LTE 下り37.5Mbit/s、上り12.5Mbit/s(一部の屋内基地局と対応端末機の組み合わせで下り75Mbit/s、上り25Mbit/s) NTTドコモ
各事業者がサポートする通信規格

 一方、無線LANについてはIEEE802.11b/gが主流で、一部の製品でIEEE802.11aやIEEE802.11nに対応している。データ通信部分の性能を考慮すると、IEEE802.11gで性能的に不足はないはずだが、高速なデータ通信サービスを利用できる場合には、IEEE802.11nが必要になるかもしれない。

 次ページからは、各通信事業者ごとにモバイル・ルータの機種と簡単な仕様、料金体系をまとめた。なお表に記した価格は、2011年9月末時点で量販店などを筆者が調査した結果である。実際の製品価格については、量販店や各通信事業者の店舗などで確認していただきたい。


 INDEX
  [運用]ノマド・ワーク時代のモバイル・ルータ選び(2011年10月版)
    1.モバイル・ルータとは
  2.気になるモバイル・ルータの料金体系
    3.事業者別モバイル・ルータ・カタログ ― NTTドコモ
    4.事業者別モバイル・ルータ・カタログ ― au(KDDI)/ソフトバンクモバイル
    5.事業者別モバイル・ルータ・カタログ ― イー・モバイル
    6.事業者別モバイル・ルータ・カタログ ― UQコミュニケーションズ/日本通信
    7.事業者別モバイル・ルータ・カタログ ― そのほか

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