製品レビュー

Microsoft Operations Manager 2005

―― 複数のサーバ管理を一元化し、効率的かつ安全なサーバ管理を支援する監視ソフトウェア ――

第1回 MOM 2005の概要

1.MOM 2005とは

デジタルアドバンテージ
2004/11/25

管理者個人のスキルに頼りがちな従来の管理作業

 「情報システムを安定的かつ効率的に稼働させ、ダウンタイムを最小化して可用性を高める」。システム管理者の仕事を簡単にいえば、こうなるだろうか。

 しかしこのために必要な知識や技術スキル、経験は、管理者が相対する情報システムの内容によって大きく異なる。これらの要因としては、プラットフォームの種類(UNIXか、Linuxか、Windowsか)や利用目的(社内の業務システムか、ECなどのコンシューマ・サービスか)、規模(中小規模か、エンタープライズか)などがあるだろう。

 優れたシステム管理者は、担当する情報システムについて隅々まで知っており、使い込んだツールを駆使してシステムのボトルネックを見分け、ひとたび障害が起これば原因を特定してこれを解決する。そして、こうした日々の運用経験が彼を一回り大きな管理者に育てる。「社内の生き字引的なシステム管理者」。そんな管理者が身近にいないだろうか。

 例えば次の図は、複数のWindowsベースのサーバ・システムからなる情報システムと管理者の関係を表している。ネットワーク内にあるさまざまなサーバやサービスが正常に稼働しているか、予想以上の負荷がかかっていないかなど、管理者はイベント・ビューアやパフォーマンス・モニタ、各種コマンドライン・ツールなどのプリミティブなツールを駆使して日々の管理作業に取り組んでいる。

従来のシステム管理
従来のシステム管理では、プリミティブなツールを管理者が臨機応変に使用して情報を収集し、各管理者個人が培った経験とノウハウに基づいて必要なアクションを行っていた。結果としてシステム管理の善し悪しは、管理者個人の技量に大きく依存していた。

 しかしこのような伝説の管理者に頼れるほど、情報システムは特別なものではなくなった。しかも世はインターネット時代、SOA時代を迎え、システム同士やアプリケーション同士が連携するようになり、管理者に求められる知識やスキルも飛躍的に増大中だ。情報システムのさらなる発展を促すためには、「できる管理者」への敷居を下げ、日々の運用管理で自動化できる部分は自動化し、管理者が判断すべき情報をタイムリーに整理して報告してくれるような支援環境が必要だ。簡単にいえば、今回ご紹介するMicrosoft Operations Manager 2005(以下MOM 2005)の働きがこれである。

一元的な監視機能、管理タスクの自動化で管理者を支援

 MOM 2005は、ネットワーク内の複数のコンピュータ(主にサーバ)を集中管理するための機能を提供する。具体的には、イベントの監視(イベント・ビューア)、パフォーマンス・カウンタの管理(パフォーマンス・モニタ)、アプリケーションやサービスの監視、システムの診断、管理作業の自動化、システム稼働状況のレポート作成機能などを持つ。

MOM 2005の実行画面
MOM 2005を利用すれば、複数サーバの監視を集中的に行い、必要な管理作業を自動化できる(注:以後、画面はすべて英語版MOM 2005)。

最新Microsoft Operations Managerの実力(Insider's Eye)

 MOM 2005は、複数のコンピュータにあるイベント情報や稼働状況をリモートから参照できるだけでなく、特定のイベントだけをフィルタリングして報告させたり、特定の稼働状況下で一連のイベントが発生したときに、指定した一連の管理タスクを行ったりするといった設定ができる。前述した「たたき上げ管理者の経験」の1つとはこのようなものだろう。MOM 2005は、管理対象ごとに典型的な監視パターンと必要な作業リストが記述された「管理パック(management pack)」があらかじめ提供されており、インストールするだけで使えるようにしている。

 MOM 2005では、Active DirectoryやDNS、IIS、ターミナル・サービスなどのWindows標準機能に加え、Exchange ServerやSQL Serverなどのサーバ・ソフトウェアに対応した管理パックが標準で提供される予定だ(インストールCDまたはWebダウンロードで提供される)。マイクロソフトの担当者によれば、今後同社のサーバ製品では、MOM用管理パックの同時開発を義務化していくとのことである。

 管理パックは、いわば管理者のナレッジ(知識)をパッケージ化して流用可能にしたものだ。もちろん必要なら、管理パックのカスタマイズも可能である。またサードパーティ製品に対応した管理パックの開発も進んでいる(米国では、Ciscoルータ、Linux、Oracle用管理パックなども提供されている)。

MOM 2005のライセンス形態

 米国では、2004年8月末からすでにMOM 2005が提供されている(米Microsoftのニュース・リリース[英文])。すでに日本語版も開発が終了しており、近く正式に発表されるものと思われる。米国では、MOM 2005の前バージョンとしてMOM 2000が発売されていたが、MOM 2000日本語版の発売は見送られたため、日本語対応版としては今回のMOM 2005が最初のバージョンとなる。

 本稿執筆時点では、日本語版は未発表であり詳細は不明だが、米国では、フル・バージョンのMOM 2005に加え、小規模事業者を対象とし、レポーティング機能やMOMと別ソフトウェアを統合する機能など、主にエンタープライズ向けの機能を省略した廉価版のWorkgroup Editionが提供されている。

安価なWorkgroup Editionを追加したMOM 2005(Insider's Eye)
Windowsシステム管理の近未来図(Insider's Eye)

 MOM 2005を利用するには、管理者がインストールして使うMOM 2005のサーバ・ライセンスに加え、MOM 2005によって管理されるサーバごとにMOM 2005 Operations Management License(OML)と呼ばれるライセンスが必要だ。これはクライアント管理ソフトのSystems Management Server(SMS)が採用するサーバ/CALライセンス・モデルに似ている(MOM 2005米国版のライセンス方式の詳細は関連記事を参照)。MOMとSMSは将来的にはSystem Centerとして統合される予定になっており、両者のライセンス・モデルを矛盾なく統合させるための措置だろうといわれている(System Centerについては関連記事を参照)。

 MOM 2005では、収集したデータの保存用としてSQL Server 2000が必須である。しかし上記ページによれば、MOM 2005でのみ使用可能なSQL Server 2000ライセンス(CPU数にも非依存)がセットなった「SQL Server 2000 Technology付」のMOM 2005パッケージも用意されるもようだ。

 

 INDEX
  [製品レビュー]Microsoft Operations Manager 2005 
  第1回 MOM 2005の概要
  1.MOM 2005とは
    2.MOM 2005のアーキテクチャ
    3.MOM 2005によるサーバの監視
 
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