製品レビュー
企業ユーザーのためのSFU 3.5活用ガイダンス

第1回 SFU 3.5の概要とNFS機能

1.SFUの入手とインストール

たかはしもとのぶ <monyo@home.monyo.com>
2004/04/29

SFU 3.5のサポートOSと主要な機能

 SFU 3.5がサポートするOSは、次のようになっている。

サポートOS
Windows 2000 Server SP3以降
Windows 2000 Professional SP3以降
Windows Server 2003
Windows XP Professional SP1以降
SFU 3.5をインストール/実行できるWindows OSのバージョン

 Windows NTがサポート対象から外されているほか、Windows XP Home Editionもサポート対象外なので注意してほしい。このほか、インストール先パーティションはNTFSが必須となっている。

 またSFU 3.5に含まれる主要な機能は次のとおりとなっている。これらの主要な機能についてはSFU 3.0との相違はない。細かい機能強化点については、各コンポーネントの解説の中で適宜説明していく。

大分類 コンポーネント名 機能概要
NFS NFSコンポーネント NFSサーバ、クライアント機能に加え、NFSサーバ上のリソースをSMBプロトコルを用いてクライアントに公開するNFSゲートウェイ機能
NFS認証ツール ユーザー名マッピング機能やpcnfsd機能など
認証 NISサーバ Active DirectoryのDCをNISサーバとして動作させる機能
パスワード同期 Windows側とUNIX側とのパスワードを同期させる機能
Interix ユーティリティ UNIXの基本的なコマンドやPerlなどの提供
Interix GNUコンポーネント GPLのツール群や開発環境などの提供
Interix SDK X11R5の開発環境などの提供
そのほか リモート接続コンポーネント telnetやrshのクライアントおよびサーバ機能の提供
ActiveState Active Perl 5.6 Windows上でのPerlの実行環境の提供
SFU 3.5の主要機能一覧

SFU 3.5の入手とインストール

 冒頭で説明したように、SFU 3.5はマイクロソフトのサイトから無償でダウンロードできる。

 以下のSFUのホームページに「Windows Services for UNIX 3.5 日本語版ダウンロード」ページへのリンクがあるので、それをクリックして指示に従っていけばよい。

 ただし入手に当たっては、.NET Passportによる認証を行い、ユーザー登録を行う必要がある。またファイルは218Mbytesの自己展開形式となっているので、ダイヤルアップ環境などの場合は注意してほしい。ダウンロード以外にも、有償でCD-ROMを配布するサービスも用意されているし(価格は税込みで1575円)、TechnetやMSDNでも配布されている。また一部のUNIX/Linux関連雑誌でも付録として添付しているものがある。詳しくは上のダウンロードのページに記載されているので、参照していただきたい。

 ダウンロードしたファイルを実行して展開すると(もしくはSFUのCD-ROMを参照すると)、setup.exeやSfuSetup.msiといったファイルが存在するので、これらのファイルを実行することでインストールが開始される。CD-ROMからインストールする場合、デフォルトの設定であれば自動的にインストーラが起動するはずである。

 インストール自体は特に戸惑うことはないだろう。途中に次の画面のようにインストールするコンポーネントを選択するメニューがあるので、適宜必要なものを選択してほしい。

インストールするコンポーネントの選択画面
インストールするOSやサーバ、クライアントといった役割ごとにデフォルトでインストールされるコンポーネットは異なる。

 OSや役割によってデフォルトでインストールされるコンポーネントが異なる。例えばクライアント系OSにはサーバ系コンポーネントはデフォルトでインストールされない。また開発系コンポーネントはデフォルトではインストールされない。

 このほかSFU 3.0と同様に、「NISサーバ」はActive DirectoryのDCにしかインストールできない。また「NFSクライアント」と「NFSゲートウェイ」を同時にインストールすることもできないといった制限がある。

 この後のメニューでは、基本的にデフォルトの設定のままインストールを行えばよい。ただし次のダイアログの下にあるラジオボタンだけは、明示的に「パスワードおよびグループ ファイル」を指定しておこう。

ユーザー名のマッピング方法の指定
  すでにユーザー名マッピング・サーバが用意されている場合に選択する。
  このコンピュータ上にユーザー名マッピング・サーバを用意する場合に選択する。
  NISサービスを使用する場合に選択する(デフォルト)。
  パスワード・ファイルおよびグループ・ファイルを利用する場合に選択する。

 デフォルトのまま先に進むとNISドメイン名を聞かれてしまうので、NISドメインが存在しない環境だとインストールが継続できない。なお上記の設定を行って先に進むとファイル名を聞かれるがここは無視して先に進んでよい。インストール先フォルダ(デフォルトはC:\SFU)の確認の後、実際のインストールが行われる。

 インストールが完了すると、[スタート]メニューに[Windows Services for UNIX]というメニュー項目が追加される。この中にある[Services For UNIX の管理]というMMCスナップインを起動することで次のような管理ツールを起動できる。このツールからSFUの主要な設定を行う。

[Services For UNIX の管理]スナップイン
SFUをインストールしても、[スタート]メニューの[Windows Services for UNIX]にはこの管理ツールが登録されるほかは、デフォルトでは「C Shell」「Korn Shell」「Telnetクライアント」とヘルプ・ファイルが登録されるだけである。
 

 INDEX
  [製品レビュー]企業ユーザーのためのSFU 3.5活用ガイダンス 
  第1回 SFU 3.5の概要とNFS機能
  1.SFUの入手とインストール
    2.NFSとユーザー名マッピング
    3.NFSクライアント
    4.NFSサーバとNFSゲートウェイ
 
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