特集
Windows Server 2003 SP1レビュー

第6回 アクセス・ベースのディレクトリ列挙ABE

2.ABEツールのインストール

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸/DA Lab
2005/07/01

ABEツールのダウンロード

 それでは実際にABEツールをダウンロードして、インストールしてみよう。

 ABE機能を利用するためには、最初にABEツールをダウンロードする。ただしツールといっても、Windows Server 2003 SP1のOSシステムに対して、ある特別なAPIを発行するだけのものであり、それ以上の複雑な管理操作を行うものではない。

 本来このABE機能は、Windows Server 2003 SP1のOSシステムに当初から組み込まれている拡張機能であり、共有フォルダに対してある特別なAPIを一度だけ発行すれば(詳細は後述)、その共有フォルダでは、以後はずっと有効化されたままになるというものである。無効にする場合でも、同じAPIをパラメータを変えて呼び出すだけでよい。そのため、ABE制御用の特別なAPIさえ発行できれば、その手法は問わない。といってもまったく何もツールがないのでは困るため、最低限のAPI発行機能を持つツールが作成され、提供されている。これが以下のページからダウンロードできるAccess-based Enumeration Toolsである。

 CPUのアーキテクチャに合わせて、32bitのx86版、64bitの86版、IA64版の3種類があるので、適切なものをダウンロードしてインストールする。

ABEツールのインストール

 ABEはWindows Server 2003 SP1のサーバ側にインストールし、サーバ側で設定・提供する機能である。クライアント側では一切設定する必要はない。

 ダウンロードしたファイルをWindows Server 2003 SP1上でダブルクリックして実行すると、インストール・ウィザードが起動する。使用ライセンスに同意してウィザードを進めると、次の画面が表示される。

インストール・フォルダの選択
インストール先には単にドキュメント・ファイルが置かれるだけであり、主要なコンポーネントはシステム・フォルダに置かれる。
  インストール先。ドキュメント・ファイルが置かれるが、[スタート]メニューにショートカットなどは作成されないので、ドキュメントを読みたければ、自分で直接このフォルダを開く必要がある。
  すべてのユーザーに対してインストールする。
  これを選択すると、ほかのユーザーはアンインストールできない。

 これはABEツールをインストールする先のフォルダと、どのユーザー向けにインストールするかを選択するツールである。もっとも、[Everyone][Just me]のどちらを選んでも(管理者ならば)誰でもABEを制御できるのでほとんど何も違いはないが、[Just me]の[Just me]を選択すると、インストールした本人だけが[コントロール パネル]の[プログラムの追加と削除]でツールを削除することができる。

 インストール先の選択後、[Next >]をクリックすると次の画面が表示される。

ABEの初期設定
ABEをデフォルトで有効にするかどうかの設定。
  既存のすべての共有でABEを有効にする。
  個々の共有フォルダについて、個別に設定する。

 これはABEの初期設定を行うためのダイアログである。[Enable ……]を選択すると、既存のすべての共有フォルダに対してABE機能が有効になるが、後からでも共有フォルダごとに設定可能なので、ここでは特に選択せず、先へ進めておいてもよい。

 ウィザードにおける選択肢は以上の2つだけであり、それ以上行う作業はない。ウィザードを最後まで進めて終了させると、ABEツールがインストールされている。


 INDEX
  [特集]Windows Server 2003 SP1レビュー
  第6回 アクセス・ベースのディレクトリ列挙ABE
    1.アクセス・ベースのディレクトリ列挙ABEとは
  2.ABEツールのインストール
    3.ABEツールの利用方法
    4.ABEとアクセス権
 
目次ページへ  「特集」


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