特集
インターネット「常時」接続計画(第1回)

4.SBS 2000の制限

デジタルアドバンテージ
2001/07/31


 同梱されるコンポーネントの顔ぶれはそうそうたるものだが、中小事業者に向けて低価格化するにあたっては、いくつかの制限が課せられている。大きくは以下の3つがある。

■クライアント・アクセス・ライセンスの最大数は50まで
 SBS 2000を利用するには、サーバ・ライセンスのほかに、クライアント・アクセス・ライセンス(CAL)を取得する必要がある。パッケージ販売されるSBS 2000は、すべて5CAL付きのパッケージで、クライアントを5台までネットワークに接続して利用することができる。クライアントが5台以上あるなら、追加のCALを購入してSBS 2000に導入する(追加CALパッケージには、5CAL製品と20CAL製品の2種類がある)。ただしSBS 2000では、利用できるCALの総数が最大で50までに制限されている。50を超えるクライアントPCを接続する必要があるなら、SBS 2000の上位パッケージであるBackOffice Server 2000に切り替える必要がある(マイクロソフトのBackOffice Server 2000のホームページ)。

 なおSBS 2000のCALは、ユーザー数ではなく、接続クライアント数(接続するマシンの数)である。したがって例えば、1台のコンピュータを複数ユーザーで使っている場合でも、CALは1つあればよい(このように使い方は、特にSOHOでは珍しくないだろう)。SBS 2000側での登録ユーザー数の制限はない。SOHO環境を意識したライセンス管理といってよいだろう。

■単一サーバにのみインストール可能
 SBS 2000では、すべてのコンポーネントを1台のコンピュータにインストールしなければならない。したがって例えば、ISA Server 2000だけを独立したPCにインストールするというような使い方はできない。

■シングル・ドメインのみ
 SBS 2000は、あくまで中小規模のシステムを想定したパッケージであり、マルチ・ドメインなどの大規模ネットワーク環境には対応しない。具体的には、SBS 2000をインストールすると、それをインストールしたコンピュータがActive Directoryフォレストのルート・ドメイン・コントローラとして機能するようになる。ネットワーク内に他のActive Directoryフォレストが存在したとしても、これとSBS 2000のActive Directoryフォレストとの間で信頼関係を確立することはできない(SBS 2000では、このための機能が無効化されている)。したがって例えば、すでに大規模なエンタープライズ・レベルでActive Directoryを導入しているような環境において、部門や支店などのレベルでSBS 2000を使用し、エンタープライズ環境との相互運用を行ったり、2つのSBS 2000ドメイン間での相互運用を行ったりすることはできない。

 ただし、SBS 2000マシンをルート・ドメイン・コントローラとしてシングル・ドメイン運用をするかぎり、ネットワーク内にさらに複数のWindows 2000 Serverを配置して、ドメイン・コントローラのバックアップとして機能させたり、アプリケーション処理の負荷分散を行ったりすることは可能である(サーバ数に特に制限はない)。

■SBS 2000が想定する利用環境を超えたら……
 すでに簡単に触れたとおり、ネットワークが大規模化するなど、利用状況がSBS 2000の想定する環境を超えて、上記制限にかかるようなら。BackOffice Server 2000 へのアップグレードを検討することになる。

パッケージ価格と評価版の入手

 SBS 2000は、Office製品などと同様に、パッケージ版を店頭で買い求めることもできるし、ASPライセンス(Application Service Provider License)と呼ばれるライセンス方式を利用すれば、1カ月ごとの定期契約により、ユーザー数に応じた利用料を月単位で支払うサブスクリプション方式を選択することも可能である。

 パッケージ価格は、通常版(5CAL付き)の推定小売価格が28万7000円である。ほかにアップグレード・ディスカウント・サービスとして、バージョン・アップグレード(SBS 4.0/4.5ユーザーが対象。推定小売価格 10万6000円)、プロダクト・アップグレード(Windows 2000 Server/NT Server 4.0ユーザーが対象。推定小売価格14万9400円)、Novell NetWareやIBM OS/2、Sun Solaris 7などから乗り換えるコンペティティブ・アップグレード(推定小売価格 17万8600円)がある(マイクロソフトのSBS 2000に関するライセンス解説のページ)。

 なお、マイクロソフトの他のサーバ製品同様、SBS 2000の120日間限定評価版を実費で入手して、購入前に評価することも可能である(マイクロソフトのSBS 2000 120日間評価版の解説ページ)。高価な買い物なので、ぜひとも事前にこの評価版を入手して、SBS 2000が自分の要求に合致するかどうかを試してみるとよいだろう。

SBS 2000をインストールする前の準備

 SBS 2000をインストールするコンピュータは、次の要件を満たす必要がある(利用できるのはPC/AT互換機のみ。NEC PC-9800シリーズには未対応)。SBS 2000でどのようなコンポーネントを使い、どのようなアプリケーションを使用するか、ユーザーの使用頻度、メールや共有ファイルの保存領域の必要量などによって、ハードウェアに求められるスペックはかなり開きがあるだろう。しかし下表の推奨要件にしたところで、今やミドル・レンジ・クラスのデスクトップPCでも満たすような内容なので、ハードウェア・スペックが問題になることはないだろう。どのような使い方にしろ、メモリやハードディスクにはできるだけ余裕を持たせるのが間違いない選択である。

  最低要件 推奨要件
CPU Pentium II-300MHzプロセッサ(またはこれと互換性のあるプロセッサ) Pentium III-500MHz、デュアルPentium II-300MHz以上のプロセッサ(またはこれらと互換性のあるプロセッサ)
メモリ 128Mbytes 256Mbytes(利用するサービスなどシステム構成による)
ハードディスク 4Gbytes以上 ミラーリングされた4Gbytesハードディスク2台以上(利用するサービスなどシステム構成による)
CD-ROM 必須 必須
ネットワーク・インターフェイス 必須 必須(ファイアウォールとして機能させる場合には、2個以上のインターフェイスが必要)
ディスプレイ 800×600ドットでの表示が可能なVGAディスプレイ 同左
モデム ダイヤルアップでのインターネット接続、共有FAXサービス、アナログ電話回線を利用したリモート・アクセス・サービスを利用する場合のみ必要 同左
SBS 2000のインストールに必要なハードウェア要件

 むしろ注意すべきは、ハードウェア・デバイスとSBS 2000との互換性だろう。ハードウェア互換性リストについては、マイクロソフトのWebサイトから入手可能である(マイクロソフトのハードウェア互換リストの入手ページ)。またソフトウェアによってWindows 2000との互換性をテストするアナイラザを入手することもできる(マイクロソフトのWindows 2000対応アナライザの入手ページ)。

 今回は本稿の企画主旨と、SBS 2000の概要について解説した。次回は、インターネット接続の第一歩として、独自ドメイン名の取得について解説する。次回以降で詳しく解説することになるが、ドメイン名の取得や、それに伴うDNSの設定は、インターネット常時接続における大きな山場の1つである。End of Article

 

 INDEX
  [特集]インターネット「常時」接続計画
  第1回 接続計画とSBS 2000
     1.Small Business Server 2000を利用したインターネット・ドメイン構築
     2.Small Business Server 2000パッケージの中身
     3.SBS 2000の特徴
   4.SBS 2000の制限
 
 インターネット「常時」接続計画


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