[検証]

WindowsでインターネットWebサーバ
―― セキュリティに不安はないか? Windowsで構築するメリットとは? ――

第2回 WindowsでもPHP

1.WindowsでPHP+PukiWiki

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2008/10/30


 INDEX (全5回)
Windows Web Server 2008の概要
WindowsでもPHP
Server CoreにPHPをインストールする
Windows Web Server 2008のセキュリティ対策
ASP.NETアプリケーション、DotNetNukeをインストールする

Windows Web Server 2008上でPHP+PukiWikiシステムを利用する

 前回は、Windows Server 2008ファミリの1つであるWindows Web Server 2008(以下Web Server 2008)の概要について解説した。今回はWeb Server 2008の活用例として、オープン・ソース系アプリケーションをインストールしてみる。具体的には、PHPとPukiWikiシステムの導入方法について紹介する。オープン・ソース系アプリケーションの多くは、UNIXやLinuxベースで開発されたものが多い。それらのWindows対応版も数多く提供されているが、本当に問題なく使えるのか。UNIX/Linuxで使う場合と比較して、何か違いはあるのか。今回はそのうちの1つを実際にインストールしてみよう。

PHPとは

 PHPはWebサーバ向けのオープン・ソースのスクリプト言語環境の1つで、主にWebアプリケーションの構築で広く使われている。HTMLコード中にPHPのコードを記述しておくと、それがサーバ・サイドで解釈/実行され、動的にWebページを生成するという機能を持つ。Windows OSでいえば、IIS上のASP(で利用するスクリプト言語)のような位置付けの言語環境である。

 本稿ではPHPに関する解説は行わないので、PHPについてさらに詳しく知りたければ、@ITの以下の記事などを参照していただきたい。

 このPHPを使ったWebアプリケーションにはいろいろなものがあり、すでにインターネット、イントラネット問わず、広く使われているのはご存じだろう(URLの末尾が.phpなどとなっていることから、PHPが利用されていることがうかがえる)。例えば@ITの会議室もPHPベースのシステムで作られている。

PukiWikiとは

 PukiWiki(プキ・ウィキ)は、Wiki(ウィキ)もしくはWikiWiki(ウィキ・ウィキ)など呼ばれるシステムの1つで、多人数での情報共有や共同作業などでよく使われるPHPベースのCMSシステム(コンテンツ管理システム)である。参加しているユーザーが自由にページを編集したり、リンクを追加したりして、さまざまな情報を集積したり、発信したりするために利用される。詳細については公式サイトやそこからのリンクなどを参照いただきたい。

PukiWiki公式サイト
PukiWikiの公式サイト。もちろんこのサイトもPukiWikiシステムを使って作られている。
このリンクから最新版をダウンロードできる。

WindowsでもPHPを!

 PHPやPukiWikiは、UNIXやLinuxベースのシステムではよく使われているが、Windows OSではあまり一般的とはいえない。もともとUNIXやLinux上で開発が進められてきたこともあり、それらのOSと相性がよいというのもあるし、わざわざWindows OS上へ移行させる必然性も少ないというのもあるだろう。だがWindowsシステムがインターネット・サーバとしても普及するにつれ、Windows OS上でもそれらのソフトウェアを利用したいという要望も増えてきている。

 そのような要望にこたえるため、マイクロソフトではWIMP(Windows、IIS、MySQLなどのオープンソースデータベース、PHP/Perl/Python)やWAMP(AはApache Webサーバ)といったプロモーション活動を行っている。簡単にいえばIIS上でもPHPを使おう、というキャンペーンだ。LinuxのLAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP/Perl/Python)のような位置付けのテクノロジを指す。

 PHPやMySQL、ApacheなどはWindowsユーザー(管理者)にはなじみが少ないため、インストールにすら苦労することがあるが(特にWindows流のGUI管理になれたユーザーにとっては)、それらの導入をサポートするために、マイクロソフトさまざまな技術情報を発信したり、サポート・ソフトウェアを提供したりしている。またPHP関連製品の開発やサポートを行っているZend社との協業により、Windows向けのオールインワンのPHPパッケージ(Zend Core)の提供なども行っている。これらを活用することにより、Windows OSでもPHPの導入が進むことと思われる。今回は、これを利用してWeb Server 2008にPHPとPukiWikiシステムを導入してみる。


 INDEX
  [検証]WindowsでインターネットWebサーバ
  第2回 WindowsでもPHP
  1.WindowsでPHP+PukiWiki
    2.IIS 7.0の準備
    3.Zend Coreの導入
    4.Zend Core/PHPの設定
    5.PukiWikiサーバの導入

 「検証」


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