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SysinternalsのDiskViewツールでディスクの断片化状態を確認する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2012/08/03
対象OS
Windows XP
Windows Server 2003
Windows Vista
Windows Server 2008
Windows 7
Windows Server 2008 R2
Summary
最近のWindows OSには、ディスクの利用状況をビジュアルに確認するツールは用意されていない。
DiskViewツールを使うと、ファイルがディスク上でどのように配置されているかを確認できる。

解説

 Windows XPのディスク・デフラグ・ツール([スタート]メニューの[アクセサリ]−[システム ツール]−[ディスク デフラグ]で起動できる)では、ディスク上の各クラスタの利用状況(ファイルのクラスタへの割り当て状況)をGUI画面で確認することができた。だがWindows Vista以降のWindows OSでは、ディスクの最適化ツールはあるものの、断片化(フラグメンテーション)の状況は数値でしか表示されず、実際にどのようにディスク上のクラスタが利用されているかをGUI画面では確認できなくなっている。

TIPS「contigツールでファイルを個別にデフラグする

 ディスクの利用状況がビジュアルな画面表示で分かっても、実際ユーザーができることはほとんどないのだが(だからそのような表示機能は廃止されたのだろう。関連記事も参照のこと)、それでも全体的なディスクの利用状況を簡単に把握するなら、グラフィカルに表示される方が分かりやすいだろう。

 このような用途で使えるツールとして、本TIPSではSysinternalsのDiskViewツールを紹介する。

  操作方法

■本稿で使用する用語について
似たような用語が出てきて分かりづらいので、最初に本稿で使用する用語について説明しておく。

用語 意味
セクタ 物理ディスクに対する最小アクセス単位。1セクタは512bytesもしくは4Kbytesが一般的
クラスタ 物理ディスク上における、ファイルの最小割り当て単位。1つもしくは連続する複数のセクタの集合(1クラスタは、2のべき乗個のセクタから構成される)。1クラスタのサイズは、NTFSのデフォルトでは4Kbytesだが、最大64Kbytesまで設定可能
フラグメント(断片) 1つ以上の連続するクラスタの集合
ファイル データの保存単位。1つもしくは複数のフラグメントの集合
断片化/フラグメンテーション ファイルが2つ以上のフラグメントから構成される状況。つまり不連続なクラスタに割り当てられている状態

 SysinternalsのDiskViewツールは以下のリンクから入手できる。

 ここからDiskView.zipファイルをダウンロードして適当なフォルダへ解凍し、実行パスを通しておく。

 DiskViewツールを起動すると初期画面が表示されるので、左下のドロップダウン・リストでドライブ名を選択し、右にある[Refresh]ボタンをクリックする。すると指定されたドライブの解析が始まる。

DiskViewの初期画面
ドライブを選択すると、このように解析が始まる。
ここでドライブを選択する。
これをクリックすると解析が始まる。
解析進行中の表示。

 しばらくして解析が終了すると、表示は次のようになる。なおこのとき、いくつかのファイルが使用中、もしくはアクセス権がなくて開けないというダイアログが表示されることがあるが、特に気にしなくてもよい。

解析結果の表示
解析されたディスクの使用状況。ファイルやフラグメントの総数、空き領域などは[File]メニューの[Statistics]で確認できる。
クラスタの割り当て状況の詳細図。色はクラスタやフラグメントの割り当て状況を表している(詳細は後述)。
スクロールするとほかの場所を表示できる。
ディスク全体の利用状況。赤い部分に断片化したファイルが(多く)存在する。
よく見ると、黒い太線が上下に表示されているが、これはの表示がどの部分を表しているかを示している。
のズーム倍率の変更。
各ファイルごとのフラグメントの状態をログ出力できる。

 上側のウィンドウがクラスタ利用状況の詳細で(ズームして一部分だけが表示されている)、下側の横長の部分がドライブ全体の利用状況を表している。赤い部分に断片化が多く存在する。

 色はクラスタやフラグメント(=連続するクラスタの集合)の割り当て状況を表しており、それぞれ次のような意味を持つ。

グラフの凡例
これは[Help]−[Legend]メニューで表示される色の説明。
フラグメントの最初のクラスタ。
フラグメントの2番目以降のクラスタ。
断片化したファイル(つまり2つ以上の不連続なフラグメントで構成されたファイル)。
システム・ファイルで利用されているクラスタ。
未使用のクラスタ。
MFTゾーンの未使用クラスタ。
選択されているファイルに対応するクラスタ(フラグメント)。

 最初の画面のままでは分かりづらいが、ズーム倍率を上げて拡大すると、次のようにフラグメントの状態やクラスタの割り当て状態などが識別できる。

クラスタの割り当て状態の拡大詳細図
ズーム倍率を上げると、より詳しく確認できる。四角1つが、それぞれ1クラスタを表している。
白は空きクラスタ。将来のファイル・サイズ拡張に備えてだろうか、いくらか空けて次のファイルが割り当てられている。
濃い青緑は、フラグメント(連続して割り当てられたクラスタの集まり)の先頭。
青は、フラグメント中の2番目以降のクラスタ。

 また、上側のグラフ中のどこかをクリックすると、ファイル名が「Hifhlight:」フィールドに表示され、どのファイルに属するクラスタか確認できる。と同時に、そのクラスタを含むフラグメントが選択され、黄色くハイライト表示される。

ファイルの指定
マウスで上のグラフ中のどこかをクリックすると、該当するファイルが確認できる。
このあたりをクリックすると、その部分を含むフラグメントが黄色くハイライト表示され、該当するファイル名が上に表示される。
選択中のフラグメントに相当するファイル名。
これでファイルを選択/指定すると、そのファイルに表示が移動する。
ファイルを構成する次のフラグメントへ表示を移動させる。最後のフラグメントの場合は、「No more clusters in file.」と表示される。

 「Highlight:」フィールドにファイル名を入力すると(参照ボタン[...] を使ってファイルを指定する)、該当するファイルの先頭フラグメントがハイライト表示される。ファイルが1つのフラグメントではなく、複数のフラグメントに分割して割り当てられている場合は(つまりフラグメンテーションを起こしている場合は)、[Show Next]ボタンで次のフラグメントへハイライト表示が移動する。

 DiskViewの右下にある[Export]ボタンをクリックすると、解析したファイル名の一覧がテキスト・ファイルに出力される。ファイル1つごとに、構成する総クラスタ数、フラグメント数、フル・パス名が出力される。End of Article

出力されたファイルの例
ファイル名とそのクラスタの利用状況が表示されている。
行の先頭から、総クラスタ数、フラグメント数、フルパス名である。NTFSでは、小さいファイルには独立したクラスタは割り当てず、ディレクトリ・エントリ中に記録するので、割り当て数が0になっているものがある。

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