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仮想CD-ROMイメージをマウントする(vcdrom.sys編)

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2005/03/05
 
対象OS
Windows XP
CD-ROMの内容をイメージ・ファイルにしておき、これを仮想的にマウントすれば、CD-ROMドライブを使わなくてもCDの内容にアクセスできる。
これを実現するには、仮想CD用のソフトウェアを導入し、イメージ・ファイルをマウントする。
ノンサポートながら、Microsoftから仮想CD用ソフトウェアが提供されている。
 
解説

 CD-ROMメディアで提供されているプログラムやデータ、情報などにアクセスする場合、通常はコンピュータに装備されているCD-ROMドライブを利用する。だが小型のノートPCなどではCD-ROMドライブを備えていないものも少なくないし、複数のCD-ROMを利用する場合は、いちいち取り替えるのも面倒である。

 このような不便さを解消する手段として、CD-ROMのデータをまるごとファイルに保存しておき、それを必要に応じて仮想的にコンピュータにマウントして使用するという手法がある。このような機能は一般に仮想CDなどと呼ばれ、有償/無償でこれを実現するソフトウェアが提供されている。本TIPSでは、マイクロソフトが提供している仮想CD用のソフトウェアを紹介する。なおCD-ROMの内容をイメージ・ファイルに変換する方法(リッピングという)についてはここでは触れないので、CD-R書き込みソフトウェアのマニュアルなどを参照してほしい。

仮想CD-ROMによるCDコンテンツの利用
CD-ROMの内容をイメージ・ファイルにしてコンピュータにマウントすれば、物理的なCD-ROMドライブと同様に利用できる。

「Virtual CD-ROM Control Panel for Windows XP」の入手

 「Virtual CD-ROM Control Panel for Windows XP」は、主にMSDNで提供されているCD-ROMイメージ・ファイルをアクセスするために、マイクロソフトがサポートなしを条件として提供しているツールである。開発者向けサービスであるMSDNでは、さまざまなOSやアプリケーションのCD-ROMを、そのイメージ・ファイル(.ISOファイル)の形式でも提供している。このCD-ROMイメージは、CD-Rなどに書き込んだり、Virtual PC 2004やVirtual Server 2005などの仮想マシンで直接マウントして利用することを目的としている。しかし必要なら、仮想CDツールを使ってこれらにアクセスすることもできる。

 このページの「Mounting ISO files virtually」の項に、ツールのダウンロード先が記述されている。ただしこのツールはサポート対象外であり、その使用方法も含めて、すべて自己責任で使用していただきたい。また必要最低限の機能しか持っていないのでやや使いにくいが、CD-ROMイメージをマウントするだけなら、これでも十分であろう。


操作方法

 このプログラムは自己解凍型の実行ファイルになっており、実行すると解凍する場所を問い合わせるダイアログが表示される。展開する場所を指定すると、以下の3つのファイルが展開されるので、それぞれ適当なフォルダへコピーしておく。

ファイル 内容
readme.txt 内容の説明ファイル
VCdRom.sys 仮想CD-ROMドライバ(vcdromサービス)の本体。%WINDIR%\system32\driversフォルダなどへコピーしておく
VCdControlTool.exe 仮想CD-ROMドライバの制御ツール。%WINDIR%\system32フォルダなどへコピーし、[スタート]メニューやデスクトップ上の適当な場所へショートカットを作って、簡単に起動できるようにしておくとよい
Virtual CD-ROM Control Panel for Windows XPに含まれるファイル

 このツールにはインストーラも付属していないので、手動で仮想CD-ROMサービスの登録とインストールを行う必要がある。

仮想CD-ROMドライバのインストール

 まずVCdControlTool.exeを起動すると次のような画面が表示されるので、最初に[Driver Control]というボタンをクリックして、仮想CD-ROMドライバをインストールする。

仮想CD-ROM制御ツール(Virtual CDRom Control Panel)
最初に仮想CD-ROMのドライバ(vcdromサービス)をインストールする。
  これをクリックして、サービスをセットアップする。

 [Driver Control]をクリックすると、次のようなドライバの制御画面が表示される。

仮想CD-ROMドライバのインストールと制御画面
ここではドライバのインストールや起動/停止を制御する。
  現在の状態。最初はこのように、「インストールされていない」という状態になっている。
  これをクリックして、仮想CD-ROMのドライバの場所を指定すると、システムにサービスとして登録される。
  ドライバのインストールが完了すると、この[Start]ボタンがアクティブになり、開始させることができる。

 左上の[Install Driver]をクリックすると、ファイルを指定するダイアログが表示されるので、VCdRom.sysファイルの位置を指定して(%WINDIR%\system32\driversなどを指定する)、[開く]を押す。ファイルの位置を正しく指定すると、[Start]ボタンがアクティブになるので、[Start]を押して仮想CD-ROMのサービスを起動する。

 以上で仮想CD-ROMドライバの起動は完了である。サービスを停止/終了させたい場合は[Stop]と[Remove Driver]で停止、解除すればよい。

CD-ROMドライブ文字の追加

 CD-ROMイメージをマウントするためには、最初にドライブ文字を確保する必要がある。このためには、制御ツールの[Add Drive]と[Remove Drive]ボタンを使用する。

ドライブ文字の確保とマウント
CD-ROMイメージをマウントするためには、最初にドライブ文字を確保し、次にそのドライブに対してCD-ROMイメージをマウントする。
  確保されたドライブ文字。
  イメージをマウント済みの状態。
  イメージを割り当てたが、イジェクトされている状態。[Remount]ボタンで再マウントできる。
  イメージが割り当てられていない状態。ドライブ文字の確保直後はこの状態になっている。
  ドライブ文字を追加するにはこれをクリックする。
  追加したドライブ文字に対して、イメージをマウントさせるにはこれをクリックする。

 [Add Drive]をクリックすると、Z:→Y:→X:→……のように、最後から順番に1つずつのドライブ文字が確保され、ウィンドウ上に表示される。また、追加されたドライブの行を選択してから[Remove Drive]をクリックすると、そのドライブ文字が削除される。

CD-ROMイメージのマウント

 いったんドライブ文字が確保できたら、そこにCD-ROMイメージ・ファイルをマウントすることができる。制御ツールの上部に表示されている適当なドライブ文字を選択後、[Mount]ボタンをクリックする。するとCD-ROMイメージを選択するダイアログが表示されるので、適当なイメージ・ファイル(.ISOファイル)を選択後、[OK]を押す。するとそのCD-ROMイメージの内容がドライブにマップされ、内容にアクセスできるようになる。

 以上がこのツールの使い方である。ただ環境によるものなのか不明だが、手元で試した限りでは、動作がやや不安定なケースがあった。再ログオンしてもうまく再マウントされず、またドライバの停止や再起動が不可能になる場合があった(ドキュメントが不足しているので確かではないが、このツールでは、使用が終わるごとに手動でサービスを停止/解除しなければならないのかもしれない)。これ以外の仮想CDソフトウェアについては、別TIPSで紹介する。End of Article

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