Windows 2000 Insider/PC Insider合同特別企画
Windows XPの正体

Windows XPの新機能・機能改善(5)
OEM向けの新機能一覧

デジタルアドバンテージ
2001/06/19

 以下は、Windows XPベータ2 日本語版に付属する機能ガイドより、Windows XPの新機能をまとめたものである。このベータ2に続き、2001年7月2日に英語版のRC1がリリースされた。ベータ2に対し、このRC1で追加された新機能については、「Windows XP RC1で追加された新機能」のページを参照されたい。

表の見方:
表中の「H」、「P」、「S」の項目は、それぞれ「Windows XP Home Edition」、「Windows XP Professional」、「Windows 2002 Server」に対応するもので、この項目が「○」のものはその機能が組み込まれていることを、「×」はその機能が組み込まれていないことを表している。

 
No. 新機能/改良された機能 内容
H
P
S
297 64bitサポート(クラスタ・サービス) 64bit版 Windows 2002 Serverにおいてクラスタリングをサポート。これにより開発者は、64bit環境向けのクラスタリング・アプリケーションを開発できるようになる
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298 インストールの簡略化(クラスタ・サービス) クラスタ用設定ウィザードを一新し、クラスタのインストールと設定を単純化した。これによりOEMベンダは、一般的なクラスタ・サーバのマスタを作成しておき、ここからクローンを作成することで、サーバ設定を自動化できる
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299 無人インストール用ファイルへの顧客情報の追加 無人インストール時にOSの設定情報などを記述するunattend.txtの機能を拡張し、OEMやIT管理者によるカスタマイズ機能を向上させた。この一環として、顧客の個人情報を追加できるようになった。これによりOEMベンダは、より少ない設定で顧客がシステムを使用開始できるような設定を行うことが可能になる
300 USBオーディオ・デバイスに対するグローバル・エフェクト・フィルタ(デジタル・メディア) カーネル・モード・ミキサ(kmixer.sys)とWindows USBオーディオ・ドライバ(USBAudio.sys)の間にフィルタを挿入して、オーディオ・データの処理を行えるようになった。これによりIHVは、USBアレイ・マイクをサポートするフィルタを組み込んだり、USBスピーカーに補正用フィルタを組み込んだりできるようになる
301 バッテリ残り容量のモニタ(ハードウェア) 現在のバッテリ・アクティビティ・レポートを含むバッテリ寿命のモニタリング機能。バッテリの消費率や残り容量などがパフォーマンス・モニタにレポートされるようになった。これによりOEMベンダは、バッテリがどのように使用されるかを統計的にモニタすることで、処理に応じた最適な省電力モードを知ることができる
302 いくつかのIDEコントローラに対するミニIDEドライバのサポート(ハードウェア) CMD、東芝、Promise、VIAの各社のIDEコントローラに対応するミニIDEドライバが提供されるようになった。OEMベンダは、自社製のIDEコントローラに対してこのミニIDEドライバを使用できるようになった。これにより、DMAレベルも自動的に選択されるようになった
303 新しいUDMA転送モードのサポート(ハードウェア) 新しいUltra DMAモード5転送モードのサポートが追加された。これにより開発者は、ATA 100互換のIDEコントローラにおいて、Ultra DMAモード5でのデータ転送を行えるようになる
304 「ヘルプとサポート」のカスタマイズ(「ヘルプとサポート」サービス) Windows XPでは、従来のWindowsヘルプ(HTML Help)を一新し、ローカル・コンテンツとリモート・コンテンツを透過的に表示可能な、柔軟な「ヘルプとサポート」が提供されるようになった。OEMベンダは、この「ヘルプとサポート」用のSDKに含まれるカスタマイズ・ガイドに記載された手順に従うことで、このツールを独自にカスタマイズすることが可能である
305 さまざまなコンテンツの表示モード(「ヘルプとサポート」サービス) 状況や対象ユーザーのレベルなどに応じて、「ヘルプとサポート」のさまざまなビューを使い分けられるようになった。具体的にサポートされる表示モードは、(1)現在のアプリケーションまたはWindowsヘルプ形式での表示されるスタンダード・ビュー(デフォルト)、(2)ウィザード形式で一連の処理を可能にするフルフレーム・ビュー、(3)フルフレーム・ビューの上に必要に応じて表示されるセカンダリIEキオスク・ウィンドウ、(4)アプリケーションやアプレットからヘルプ・コンテンツ部分だけをコンパクトに表示可能にするミニビューア、(5)完全なブラウザでの表示を行うフル・ブラウザ・ウィンドウの5種類
306 ホットプラグPCI ACPI 1.0bによるホットプラグをサポート。システムを停止することなく、拡張デバイスの追加や削除、交換が可能になる(ただしこの機能は、ホットプラグ対応のPCIスロットが提供される場合のみ利用可能)
307 INF検索キャッシュ INFファイルのキャッシングにより、プラグ・アンド・プレイ・マネージャによるINFファイルの検索を最適化する機能。これによりユーザーは、プラグ・アンド・プレイ・デバイスを素早く追加できるようになる
308 メモリ・ミラーリング メモリ・サブシステムのスナップショットをとり、メモリのレプリケーションを保持可能にする機能。メモリ・サブシステムのレプリケーションを作成することで、OEMベンダは、可用性の高いフォールト・トレラント・システムを開発できるようになる
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309 IGMPv3サポート(ネットワーク) IGMPv3(Internet Group Management Protocol Ver.3)をサポートし、アプリケーションが特定のソケットやグループ・アドレスを使用する代わりに、特定のソース/グループのペアを指定して、参加や離脱が行えるようになった
310 モデムの国別設定、地域設定(ネットワーク) モデム設定において、ITU(International Telecommunications Union)が定義した国や地域のフォーマットに準じて国別設定/地域設定をダイアログで選択できるようになった
311 パラレル・ドライバの一元化 ポート・アービタとバス・ドライバの双方として機能する単一パラレル・ドライバがサポートされた
312 プレインストール処理の改善 OEMベンダが、独自のブランド情報、ISP(Internet Service Provider)情報、チュートリアルなどを、プレインストールできるようになった。これにより、特に初心者ユーザーは、OEMベンダのサポートに従って簡単な初期設定を行うことで、PCを使い始められるようになる。OEMベンダによるカスタマイズは、プレインストールされたハードディスクだけでなく、プレインストールCD-ROMにも反映することができる
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313 プリンタ・ドライバのポスト・データ処理 IHVのドライバ開発者が、出力データのポスト・プロセスを行うプラグインを作成するために、PostScript/ユニドライバを作成できるようにする機能。これによりドライバ開発者は、自社のプリンタが備える機能をきめ細かに制御できるようになる
314 マルチカラー・インク・プリンタのサポート(プリンタ関連) カラーインクの出力レベルを2レベル以上(通常は4〜8レベル)サポートする機能。これにより、1つのドットの色として印刷できる色数を増加させることができる。IHVの開発者は、ユニドライバのプラグインを作成することで、自社製品向けのプリンタ・ドライバを開発できるようになった
315 印刷処理における双方向通信 デバイスとの通信チャネルが1つに限定されている既存のプリント・システムでは、ユーザーやアプリケーションがデバイスとの双方向通信を開始することができない。これに対しWindows XPでは、ドライバやアプリケーションがデバイスとの双方通信を開始するための統一的な方法が用意された
316 セットアップの拡張 OEMベンダがセットアップをカスタマイズし、購入してきたPCをエンド・ユーザーがより容易に使い始められるようにする機能
317 Sysprepプログラムの改良 OEMベンダがPCにOSをプレインストールする際に使用するイメージ・コピー・ツールのSysprepを改良し、より高速にレプリケーションを実行できるようにした
318 ASLテーブル・サポートのアンロード PCの状態に応じて、ACPI Source Language(ASL)テーブルをダイナミックに変更できるようにした。これにより、ホット・プラグなどによるデバイス構成の変更や、OSコンポーネントの変更を正しく処理できるようになった
319 UDF 2.01対応 DVDメディアのキー・フォーマットであるUDFの2.01に対応した(Windows 2000ではUDR 1,02および1.5にのみ対応)
320 USB DirectInputにおけるジャンル記述サポート 従来はゲームごとにゲーム・パッドを設定する必要があったが、それを不要にする機能
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321 USBフォンのサポート Windows XPでは、USB接続可能な電話機がサポートされ、従来の慣れ親しんだ形の電話デバイスを使って、社内の電話システムに接続できるなど、より自然な形でIPテレフォニを活用できるようになる
 
 
 INDEX
    Windows XPの正体
    イントロダクション
    「Windows XPの正体」プロジェクトと今後の記事計画について
   
    1.Windows XPの新機能・機能改善(1)- エンド・ユーザー向け新機能一覧
    2.Windows XPの新機能・機能改善(2)- OSコア・テクノロジ・レベルの新機能一覧
    3.Windows XPの新機能・機能改善(3)- IT管理者向けの新機能一覧
    4.Windows XPの新機能・機能改善(4)- 開発者向けの新機能一覧
  5.Windows XPの新機能・機能改善(5)- OEM向けの新機能一覧
    6.Windows XP RC1で追加された新機能
 
 「Windows XPの正体」


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