XMLサーバカタログ/2001 Summer

〜BtoBサーバ編〜

新野淳一(@IT編集局)、加山恵美
2001/7/18

 XMLが本格的にビジネスの分野で活用されようとしている。その推進力となっているのが、XMLに対応したさまざまなサーバ群だ。本記事「XMLサーバカタログ/2001 Summer」では、XMLに対応した主要なサーバ製品を集め、主にその機能を解説した。まずは、XMLの分野でもホットなBtoBにターゲットを当てた「BtoBサーバ編」をお届けする。7月中には「XMLデータベース編」も公開する予定なのでご期待いただきたい。

BtoBサーバに求められる3つの機能

紹介する製品
Asteria
BizTalk Server 2000
eXcelon B2B Integration Server
Ariba Buyer
SilverStream xCommerce

webMethods / TIBCO / CommerceOne

 インターネットを使った企業間電子商取引、いわゆるBtoBの最大のメリットはコスト削減だといわれている。それは、良い条件を提供する企業との取引でコスト削減が可能なだけでなく、購買プロセス(もしくは販売プロセス)の自動化によるコストの低減も実現できるからだ。さらに、取引先と自社のシステムが1つのサプライチェーンとして機能することで、在庫の圧縮や正確な製造計画の立案などの効果も期待できる。

 こうしたBtoBを実現するのに欠かせない要素が2つある。「ビジネスプロトコル」と「EAI(Enterprise Application Integration)」だ。

ビジネスプロトコルへの対応

 ビジネスプロトコルは、BtoBを実践するときに利用される。例えば製品名や会社名の記述方法などのデータの種類やフォーマット、発注の際の必要事項や確認方法やキャンセルの期限など、そして通信方法や暗号化の手段などを、あらかじめ決めたものだ。RosettaNetのPIPSや、AribaのcXML、ebXMLなど、現在ほとんどのビジネスプロトコルはXMLベースになっている。そのために、BtoBにはXMLのサポートが必須だといわれているわけだ(RosettaNetのビジネスプロトコルについては、「BtoB実用の最先端:RosettaNetとは?」に詳しい解説がある)。

 さて、ビジネスプロトコルに対応して外部からの受発注を自動化できたとしても、社内ではそれをプリントアウトして人間が入力していたのでは、プロセスの自動化によるコスト削減にはつながらない。発注情報が自動的に自社の在庫管理システムへ伝えられて、出荷へと結び付き、同時に会計システムへも情報が渡されて請求書の発行が始まる、といったように、企業内のシステムまでが統合されなければ、BtoBを実践するメリットを享受することはできないだろう。

社内システムの統合

 このように社内プロセスと外部とのやりとりを統合する必要があるため、BtoBの実現には必然的に社内システムの統合、すなわちEAI(Enterprise Application Integration)の機能が求められる。もちろん、いきなり社内のすべてのシステムを統合する必要はなく、まずは受発注管理とか課金システムなど、BtoBに直接関係のあるところから連携させていけばいい。徐々に在庫管理や製造管理システムなどへ統合する範囲を広げてもよいのだ。

 EAIを実現するには、OracleやDB2/UDBのようなRDBなどとの接続ができなければならないし、さらにSAP R/3やBaan、PeopleSoftのようなERPシステムとの接続も実現できなければならない。独自に構築されたシステムもあるだろう。

 さらに、柔軟な接続機能とともに、複数のシステムをロジックで結び付けてうまく連携させられるような、サーバアプリケーションの開発環境と実行環境もBtoBサーバでは整っていなければならない。この部分はJavaなどで記述する製品が多いが、最近は言語に頼らず、この部分をビジュアルなツールでサポートしようとする製品もでてきており、新たな流れになろうとしている。

BtoBを実現するために求められる主な機能

(1) ビジネスプロトコルへの対応(RosettaNet、ebXML、cXML…)
(2)EAI機能(SAP R/3、PeopleSoft、Baan、Oracle…)
(3) ロジック構築・実行機能 (Java、C++、ビジュアルツール、etc…)

BtoBサーバの4つのタイプ

 さて、BtoBを実現するために、こうした機能を持つシステムを独自に構築しなければならないとしたら、それは大変な作業になるだろう。そこで登場してくるのが「BtoBサーバ」と呼ばれるジャンルの製品だ。上記に挙げたような要求を満たし、しかも導入してから短期間でBtoBを実現できることを特徴としている。

 もちろん、BtoBの実現にBtoBサーバが必須なわけではない。BtoBサーバを採用せず、Webアプリケーションサーバ上にビジネスプロトコルを実装してBtoBを実現している企業もある。しかし、より低コストで早期の導入を目指すならば、やはり最初からBtoBに必要な機能がパッケージとして用意されているBtoBサーバを利用することは理にかなっているだろう。

 BtoBサーバは、XMLの処理が得意なものやEAI機能が得意なものなど、いくつかの種類に分類できる。個々の製品を紹介する前に、下記にそれを紹介しよう。

XML/インターネット型
最初からXML機能とインターネットの通信機能の実装に重点をおいたもの。XMLを利用してBtoBを実践することを最初から意識して設計された製品であるため、XML処理に長けている。インフォテリアのAsteriaや、マイクロソフトのBizTalkがこれにあたる。

XMLデータベース型
XMLデータベースを基盤として、その上にビジネスプロトコルやEAI機能を実装したもの。基盤にデータベースがあるため、大量のXML文書の処理や格納が得意。eXcelon B2B IntegratorやTaminoなどがこれにあたる。Taminoはデータベースとしての性格が強いため、次回のXMLデータベース編で紹介する予定だ。

EAI型
EAI機能やERP機能に強い製品、もしくはもともとそうした機能を持っていた製品に対して、ビジネスプロトコルを実装した性格を持つ製品。アリバのAriba Buyer、ウェブメソッドのWebMethodsなどがこれにあたる。EAIを重視したBtoBシステムを構築するのに向いている。

Webアプリケーションサーバ型
Webアプリケーションサーバを基盤として、その上にビジネスプロトコルやEAI機能を実装したもの。テクマトリックスのxCommerceや、IBMのWebSphere BtoB Integratorなどがこれにあたる。システム構築の際のプログラミングなどによる高い柔軟性が特徴だ。

 ここでの分類は、あくまでも筆者が各製品の特徴を示すために行ったものであり、メーカーの見解とは異なるかもしれないことをお断りしておく。

 では、次のページから代表的なBtoBサーバの紹介をしていくことにしよう。

  1/6 XML/インターネット型、
データベース型

Index
XMLサーバカタログ/2001 Summer
〜BtoBサーバ編〜
BtoBサーバに求められる3つの機能
  XML/インターネット型、データベース型
Asteria/インフォテリア
BizTalk Server 2000/マイクロソフト
eXcelon B2B Integration Server/日本エクセロン
コラム:XMLアクセラレータでBtoB通信を高速化
  EAI型、Webアプリケーションサーバ型
Ariba Buyer/アリバ
Silver Stream xCommerce/テクマトリックス
そのほか紹介できなかったBtoBサーバ
〜XMLデータベース編〜
  リレーショナルか、それともXMLネイティブか
  XMLネイティブ型
Tamino/ビーコンIT
Yggdrasill/メディアフュージョン
コラム:eXcelonとAsteriaのストアは何型?
  リレーショナル型
Oracle8i
DB2 UDB
iConnector
そのほかのデータベース製品


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