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CRM (Customer Relationship Management)

【シー・アール・エム】

最終更新日: 2001/06/26

 企業のマーケティング部門やサポート部門などが、店舗や電話、FAX、インターネットといったさまざまなチャネルから得られる顧客情報を一元的に管理し、顧客にとって最適な製品作りや販売プロモーションを展開することで、顧客満足度を向上させ、長期的な顧客ロイヤルティ(商品やサービスの良好なブランド・イメージ)を醸成して、それらを企業の利益につなげることを目的とする概念、またはそれを実現するためのしくみ。大手コンピュータ・ベンダの多くが、CRMソリューションをパッケージとして販売している。

 大量生産・大量消費が主流のマス・マーケティング時代においては、「顧客」はあくまで「マス」の一員でしかなく、作り手の発想で優れた商品やサービスを作り、それをプロモーションして大量に売りさばけばよいという、製品中心指向の発想が主流だった。しかし「モノ不足」から「モノ余り」という市場の成熟とともに、商品やサービスに対するニーズは多様化し、さらに情報ネットワークの発達などによって、かつては考えられないほど商品トレンドが素早く変化する時代になってきた。もはや、作り手による一方的な発想で、商品やサービスを作って売りさばくという製品中心指向では、十分な利益を確保できない時代を迎えたわけだ。

 この「製品中心指向」を逆転させた発想がCRMの土台となる「顧客中心指向」である。顧客中心指向では、従来の作り手側とは逆に、顧客側から商品やサービスの最適な形を模索し、より顧客満足度の高い商品・サービスを提供していく。しかもこの「顧客」は「マスの一員」ではなく、それぞれが多様なニーズを持つ「顧客」として取り扱われなければならない。このため企業は、実店舗やネット上の仮想店舗、電話やFAXなどを使ったコールセンター、電子メールなど、企業と顧客の接点となるあらゆる情報チャネルにアンテナを張り巡らせ、そこから得られた多種多様な情報を中央で一元的に管理し、これを製品・サービス作りやプロモーションなどに機動的に活用することで、顧客満足度の向上を目指す。これがCRMの基本的な発想である。

 従来は、このようなCRMを実現したくても、情報管理コストがあまりに莫大で、コストに見合った見返りが得られないという問題があった。しかし現在では、高機能・高性能なコンピュータ・システムを比較的安価に導入できるようになり、インターネットなどの社会的な情報通信基盤も整備されたことから、こうしたコンピュータ・システムをベースとする全社的な情報システムを構築することで、低コストで顧客の多様なニーズに応えられるようになった。CRMとコンピュータは必ずしも一体の概念ではないが、CRMがこれだけ脚光を浴びた背景には、インターネットやコンピュータの普及があることは間違いない。

 このように、CRMの第1の目的は顧客満足度の向上にある。そして、さらにその先には、商品やサービス、また企業自身のブランドに対して高い信頼を獲得するという「顧客ロイヤルティ」の向上がある。顧客ロイヤルティとは、顧客がその企業や商品・サービスに好感を持ち、信頼しているという状態で、高い顧客ロイヤルティを獲得できれば、企業はその顧客に製品やサービスを繰り返し販売することが容易になる。新規顧客の開拓に必要なコストと比較すると、こうしたいわゆる「常連」の心をつなぎとめ、購買につなげるほうが圧倒的にマーケティング・コストは低く、それだけ高い利益を企業にもたらすことができる。

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