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オンデマンド ダイヤルアップ接続 (on demand dial-up)

【オンデマンド・ダイヤルアップ・セツゾク】

最終更新日: 2000/04/18

 アナログ電話回線やISDN回線などの公衆回線を利用する場合のネットワーク接続方式の1つ。公衆回線を使用するネットワーク接続では、通常は利用者が明示的に接続先にダイヤルし、先方のネットワーク機器(モデムやTAなど)と自システムを接続して、ネットワークアクセスを開始する。これに対し、ネットワークへのアクセスをコンピュータや周辺機器側で監視させ、アクセスがあった段階で、利用者の手をわずらわせずに、自動的にダイヤルアップを実行させる方式をオンデマンド ダイヤルアップと呼ぶ。オンデマンド(on-demand)は「要求があり次第」という意味。

 オンデマンドダイヤルアップ機能を備えた最も身近な製品としては、ISDNダイヤルアップルータがある。このISDNダイヤルアップルータには、公衆回線を接続するためのモジュラージャックと、LANを接続するための10BASE-Tコネクタが配置されており、前者に屋外から引き込んだ電話線を、後者にSOHO LAN(または家庭内LAN)を接続する。ISDNダイヤルアップルータは、LANでやり取りされるパケットを監視し、LANから外部へのアクセス要求を検知すると、自動的にあらかじめ登録された相手先へのダイヤルアップを開始する。公衆回線では、通話時間に応じて料金が課金される。このためISDNダイヤルアップ ルータでは、一定時間ネットワークへのアクセスがなければ、自動的に回線を切断する機能を持っている。このように、オンデマンド ダイヤルアップ機能を利用できる環境では、ダイヤルアップ接続に少々時間がかかることを除けば、LANの利用者はダイヤルアップが実行されていることを意識しないですむ。つまりユーザーからの見かけ上は、あたかもLANが、インターネットなどの外部ネットワークに常時接続しているかのようになる。

 このようにオンデマンド ダイヤルアップの利点は明らかだが、使用には注意も必要である。前述したとおり、オンデマンド ダイヤルアップでは、一定時間外部ネットワークへのアクセスが発生しなかった場合には(この時間はユーザーが任意に設定可能なのが一般的)、自動的に回線を遮断する機能を持っている。しかしたとえば、一定時間に1回、自動的に自分自身を更新するようなJavaスクリプトを含むWebページをWebブラウザで表示させておくと、ユーザーが意識しないところで、外部ネットワーク(この場合はインターネット)へのアクセスが発生してしまう(広告バナーなどで、この形式を採用しているページがある)。デスクトップの最前面にページを表示しているなら、更新動作を確認できるかもしれないが、こうしたページを表示したまま、Webブラウザを最小化してしまったりすると、更新に気が付くのは実質的に不可能である。このような場合、最悪のケースでは、回線がずっと接続状態になり、電話料金やインターネット プロバイダから予想外に高価な接続料を請求される危険性がある。

 ただし市販の製品では、こうしたオンデマンド ダイヤルアップの問題点を克服できるように、スケジュール機能(一定時間だけアクセスを許可する、など)やパケットフィルタリング機能(特定のパケットだけ外部ネットワークとやりとりする)など、多彩な機能が組み込まれている。

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