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AX規格 (AX standard)

【エー・エックス・キカク】

別名
AX仕様 (AX standard) 【エー・エックス・シヨウ】

最終更新日: 2001/06/28

 米国仕様のPC/AT互換機をベースに日本語表示機能を追加し、日本語処理を可能にしたパーソナルコンピュータ仕様。'87年にマイクロソフトによって提唱された。

 現在では、米国仕様のPC/AT互換機に対し、日本語版ソフトウェア(MS-DOS/VやWindows 95、Windows NTなどの日本語版)をインストールするだけで、キーボードなど一部のデバイスを除けば、ハードウェアは米国仕様とまったく同じ構成であっても日本語処理を行うことができる。しかしAX仕様が発表された'87年当時のパーソナルコンピュータは、現在とは比較にならないほど処理性能が低く、メモリやハードディスク容量も少なかった。このため、ソフトウェアだけで日本語処理を行うのは現実的には不可能であり、当時の日本では、漢字フォントのビットイメージデータをROMに書き込み、これをグラフィックスデバイスに搭載して、ハードウェアで日本語処理を行っていた。

 当時日本のパーソナルコンピュータ市場で圧倒的なシェアを誇っていたのは、NECが開発・販売するPC 9800シリーズであった。このNEC 9800シリーズもPC/AT互換機と同じくIntelプロセッサを搭載するパーソナルコンピュータで、デバイス構成などは似通った部分も多かったが、漢字ROMを搭載するグラフィックスサブシステムやBIOSなどは独自仕様のもので、PC/AT互換機とは互換性がなかった。このためMS-DOSやWindowsなどのOSや、ハードウェアを直接アクセスするような一部のMS-DOSアプリケーションでは、PC 9800シリーズに対応したものしか利用できなかった。

 こうした事実上の1社独占の状況に対して、日本以外では世界的なデファクトスタンダードとなっていたPC/AT互換機をベースとするコンピュータを国内で普及させようと、シャープや三菱電機などの国内コンピュータメーカー各社も参加して考案したものがAX仕様である。AXでは、JEGAと呼ばれるグラフィックスカードを新たに開発し、これに漢字ROMを搭載することで、ハードウェアによる高速な日本語処理を可能にした。当時米国版のPC/AT互換機では、EGA(Enhanced Graphics Adapter)と呼ばれるグラフィックスカードが一般的で、このEGAをベースに日本語対応を施したカードであることからこのように呼ばれた。またAXでは、英語版の101キーボード配列をベースに、いくつかのキーを追加して、AX仕様の日本語キーボードを策定した。

 しかし、当時一般的だったMS-DOS環境では、圧倒的多数のアプリケーションがNEC PC9800シリーズ対応のもので、アプリケーションのAX対応が進まなかったこと、日本独自のハードウェア仕様であるJEGAを搭載していたため、必ずしも米国版のソフトウェアもそのままでは実行できなかったことなど、ユーザーメリットをアピールするには脆弱な環境で、広く普及するには至らなかった。その後ハードウェアの処理性能が上がり、ソフトウェアだけでも日本語処理が可能になると、MS-DOS/Vや日本語版Windowsなど、PC/AT互換機そのものをソフトウェアだけで日本語化する方式が主流になり、AXは姿を消した。

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