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MIPS (Million Instructions Per Second)

【ミップス】

最終更新日: 1999/09/22

 プロセッサの性能を表す指標。1MIPSは、1秒間に100万命令実行できることを表す。

 ただし現実のプロセッサでは、どのような命令を実行するかや、メモリアクセスや分岐などがどの程度含まれるのかなど、実行するプログラムによって実行時間が大きく変わるため、単純に最短命令の実行時間をもってして、MIPS値とするのは正しくない。現在では、よほど性能の低いプロセッサ(例:組み込み用途の4bitプロセッサなど)でない限り、このような最短実行時間から求めたMIPS値は使わない。

 最近では、ある程度大きな、現実的なプログラムを使ってプロセッサの性能を表現する。このために使われるプログラムとしてはdhrystone(ドライストーン)ベンチマークプログラムが有名である。dhrystoneはC言語などで記述されたプログラムで、基本的な演算処理などのほか、関数呼び出し、文字列処理なども含まれている。このプログラムの実行時間を測定し、さらにそれをDEC社のVAX-11/780という当時のスーパーミニコンピュータ(1978年発売)の実行時間と比較する。VAX-11/780は公称1MIPSといわれており、これと比較して、たとえば「100VAX MIPSである」などという。単にMIPS値というと、このVAX MIPS値を指すことが多い。dhrystone MIPSともいう。

 ただしdhrystoneプログラムはプロセッサのキャッシュに入りきってしまうほど小さく、またコンパイラの最適化の程度によってはループの中身がほとんど除去されてしまうなど、プロセッサ性能の客観的な指標として使うには問題が多い。そのため最近の高性能なプロセッサでは、より大規模なSPECベンチマークなどによって性能を評価するのが一般的である。

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