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TCP/IP (Transmission Control Protocol/Internet Protocol)

【ティー・シー・ピー・アイ・ピー】

最終更新日: 2002/12/06

 米国国防総省(DoD)の支援によって開発されたネットワーク・プロトコル。インターネット、イントラネットを問わず、現在最も広く使われているプロトコルである。TCP/IPは、TCPとIPだけでなく、UDPやARP、ICMPなどのほか、多くの関連プロトコルから構成されているが、これらをまとめてTCP/IPプロトコルと呼ぶ。

 TCP/IPは、基本的にはTCP/UDPという上位層と、IPという下位層の2階層からなるネットワーク・プロトコルである(さらに上位のアプリケーション層と、下位のイーサネットなどの物理的なネットワーク・インターフェイスを表わす層を含めると、全部で4階層)。

TCP/IPプロトコル
TCP/IPプロトコル
TCP/IPは、基本的にはTCP/UDPという上位層と、IPという下位層の、2階層からなるプロトコルである(アプリケーション層と物理的なネットワークを表わす層を含めると全部で4階層)。IPは2つのノード間で通信を担当し、TCP/UDPはアプリケーション間での通信を担当する。

 TCPは、2つのアプリケーション間で、「信頼性のある」通信を行うためのプロトコルである。まず最初に、アプリケーション間で通信路を開設し、これを使って双方向の通信を実現する。これに対してUDPでは、「信頼性のない」通信を行う(「信頼性がない」とは、送信したパケットの送受信順序が入れ替わったり、消失したりする可能性があるということ。データの内容が化けたりするということではない)。

 IPは、2つのノード間でTCPやUDPのパケットを送受信するという役目を負う。つまり、物理的なネットワーク媒体や、接続経路などに関わらず、IPアドレスによって識別される2つのノード間でのTCPパケットの配送を担当する。必要ならば、複数のネットワークをIPルータ(ゲートウェイ)で中継しながら、パケットの転送を行う。すべてのノードをIPアドレスによって区別する必要があるため、インターネットに接続されたすべてのノードが異なるIPアドレスを持つ必要がある。だが現在広く普及しているTCP/IPのバージョン4(IPv4)ではIPアドレスは32bit幅しかないので、近い将来にはIPアドレスが枯渇(こかつ)する見込みである。そこで、IPアドレスを128bit幅に広げた、次世代のTCP/IPバージョン6(IPv6)の開発が進められており、すでに一部で実証実験が始まっている。

 TCP/IPは今やネットワークの基本プロトコルであり、電子メールやWWW、telnet、FTPなどの従来からのアプリケーションだけでなく、ゲームやチャットなどのコミュニケーション、ビデオ・オンデマンドのようなマルチキャスト通信を使ったアプリケーション、各種のクライアント/サーバ・システムなど、あらゆるアプリケーションがTCP/IP上で利用できるようになっている。従来は独自のネットワーク・プロトコル上でしか利用できなかったような用途(NetBEUIを使ったMicrosoft Windowsネットワーク・システムなど)でも、現在ではTCP/IP上でも利用できるように改良され、TCP/IPネットワークの持つ機能性や柔軟性、インフラストラクチャをそのまま生かすことができるようになってきている。

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