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IPng (IP next generation)

【アイ・ピー・エヌ・ジー】

最終更新日: 2001/06/22

 IPv4(現在広く普及しているTCP/IPプロトコルのバージョン)における種々の問題に対して、それらを解決するべく決められようとしている、次世代(next generation)のTCP/IPプロトコル。IPv4では、IPアドレスが32bit幅しかなく、インターネットが急速に普及している現在では、あと数年でIPアドレスが枯渇するという深刻な事態が予想されている。そのため、IPアドレスの拡大を含めて、IPv4を改良して新しい次世代のTCP/IPプロトコルを開発しようする動きが1990年代前半にすでに起きていた。そこで制定される仕様をIPngと総称している。

 IPngに対する第一の目的はIPアドレス空間の拡大であるが、それ以外にもIPv4にあるさまざまな問題点を克服することが目標とされた。IPv4と同等かそれ以上のサービスを提供しつつIPアドレスの拡大を図り、安全なサービス基盤の提供や、マルチメディア通信向けの帯域制御、スケーラビリティや拡張性の確保、容易なコンフィギュレーションなどが求められた。これらの要求仕様を満たすためにさまざまな案が提案されたが、その中から、CATNIP(Common Architecture for the Internet)、SIPP(Simple Internet Protocol Plus)、TUBA(TCP and UDP with Bigger Addresses)の3つの案が候補として残った。そして最終的にはSIPP案をベースにして、他の案から自動コンフィギュレーション機能などを盛り込み、IPngとして採用された。ただしオリジナルのSIPPではIPアドレスは64bit幅しかなかったが、128bitに拡大した案が採用された。ここで決定された規格は現在では正式にはIPv6と呼ばれている。

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