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MP3 (MPEG audio stream Layer-3)

【エム・ピー・スリー】

最終更新日: 2001/09/03

 MPEG(Moving Picture Experts Group)で規格化された音声のデータ圧縮方式の1つ。MPEGは、ISO(International Standards Organization)およびIEC(International Electro-Technical Commission)の下部組織で、映像や音声データの圧縮方法や、圧縮データの共通フォーマットを策定している団体。MP3は、この音声データ圧縮仕様のうち、最も圧縮率の高いLayer-3のこと。このほかにもMPEGでは、Layer-1、Layer2という音声圧縮方式も規定している。

 たとえば音楽用のCDでは、アナログ信号である音声データを周波数44.1kHz、16bitの解像度でサンプリングしている。音楽用CDはステレオであり、左右2つのチャンネルがあるので、1分間のデータを記録するのに必要なデータサイズは以下のように計算できる。

  44100(サンプル/秒)×2(チャンネル)×2(byte/サンプル)×60(秒/分)=1058400(byte)=10.01Mbytes

 音楽用CDでは、このデータを1枚のCDメディアに記録し、1枚で最大72分の音楽データを記録しているわけだ。しかしこのサイズでは、たとえば、インターネットのようにバンド幅の小さいネットワークを経由してデータを転送したり、容量単価の高いメモリチップに記録したりすることは困難である。

 このように単純にデジタル化するとデータサイズが巨大になってしまう動画像データや、音声データでも、データを圧縮して記録、転送し、再生時に復元するようにすれば、記録領域を節約したり、転送能力の低い通信回線でも現実的なデータ転送が可能になったりする。このための標準仕様を規格化するのがMPEGの目的である。

 データの圧縮方法には、ロスレスデータ圧縮(losless data compression)とロッシー・データ圧縮(lossy data compression)という大きく2つがある。このうちロスレス方式は、ファイルアーカイバのように、元のデータを1bitたりとも失うことなく圧縮/復元できる圧縮方式、一方のロッシー方式は、圧縮/復元の過程で、多少の情報損失を許容する方式である。いうまでもなく、ロスレス方式に比較すると、ロッシー方式のほうがより圧縮率を高めることが可能である。音声データなどでは、人間の耳に検知できない範囲なら情報損失があってもかまわないので、MPEGでは、ロッシー方式の圧縮を施し、圧縮率のレベルに応じて、以下のようなレイヤを規定している。

レイヤ 圧縮率 要求バンド幅(ステレオ信号)
Layer-1 1:4 384kbps
Layer-2 1:6〜1:8 256〜192kbps
Layer-3 1:10〜1:12 128〜112kbps

 このようにLayer-3(MP3)は、圧縮率が最も高い方式で、インターネットなど、バンド幅の小さい伝送メディアでも十分実用的な速度でデータ転送ができること、MP3対応のエンコーダ(データ圧縮を行うソフトウェア)やデコーダ(圧縮されたデータを復元するソフトウェア)が多数発表されたこと、MP3方式によって音楽データをメモリに記録/再生できるようにしたポータブルMP3再生機器が発表されたことなどから、広く利用されるようになった。

 ただしこのMP3のエンコーダを利用すると、著作物である音楽データを簡単にインターネット上で公開できてしまうことから、著作権者の利益保護に関する議論が巻き起こっている。

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