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カット&ペースト (cut & paste)

最終更新日: 1998/12/22

 WindowsやMacintoshなどのマルチウィンドウシステムにおいて、異なるアプリケーション間でのデータ交換を可能にするシステムのメカニズム。

 カット&ペーストを実行するには、まず最初に移動元(コピー元)のアプリケーションでデータを選択し、カットまたはコピー操作を実行する(Windows環境ならカットおよびコピー操作はそれぞれCtrl+X、Ctrl+C、Macintosh環境ならカットおよびコピー操作はそれぞれApple+X、Apple+C)。こうすると、選択されたデータがシステム内部のクリップボードと呼ばれる領域に移動(またはコピー)される。その後、データのコピー先のアプリケーションをアクティブにし、ペースト操作を実行する(Windows環境ならCtrl+V、Macintosh環境ならApple+V)。するとクリップボードに保存されたデータが、そのアプリケーションに転送される。いわばカット&ペーストは、最も原始的なプロセス間通信である。

 クリップボードの実体は、システム内部に確保された共有メモリであり、この共有メモリを介してデータ転送を可能にする。なお移動元(コピー元)のアプリケーションは、カット(コピー)操作が実行された場合、1種類のデータではなく、いくつかのフォーマットでデータをクリップボードに転送する。たとえばワードプロセッサなら、フォントサイズやフォントの種類などの情報を伴ったフォーマットのデータをクリップボードに転送すると同時に、いっさいの属性情報を伴わないピュアテキストの文字列もクリップボードに転送しておく。そしてペーストする側のアプリケーションでは、クリップボードに存在するフォーマットの中から、最も情報損失の少ないフォーマットを選んでデータを取り出す。たとえばフォントタイプやフォントサイズの情報を理解できるアプリケーションなら、フォント情報などを伴ったデータをペーストする。一方、属性情報を理解できないテキストエディタなどでは、ピュアテキストのデータをペーストする。このようなしくみによって、情報損失を最小限に抑えながらも、異なるアプリケーション間でのデータ交換がなるべく可能になるようにしている。

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