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iCAP (Internet Content Adaptation Protocol)

【アイ・キャップ】

最終更新日: 2003/03/22

 HTTPプロトコルを中継し、その過程においてさまざま処理を施すためのネットワーク・プロトコル・サービス。現在ではインターネットの多くのサービスがHTTPプロトコルを使って提供されている。iCAPはHTTPプロトコル・ベースで行われる通信に対して、コンテンツのキャッシングや言語の翻訳、コンテンツの変換、フィルタリングなど、さまざまな付加価値を提供するための標準的な手段を提供する。

 HTTPプロトコルを利用したサーバ・クライアント間の通信では、クライアント側から発行したHTTP要求に対して、サーバ側がHTTPの応答を返すという形態でデータのやりとりが行われている。このサーバとクライアントの間に入り、HTTPプロトコルを中継しながら、そこを通過するデータに対してさまざまな処理を施すために開発されたのがiCAPである。iCAPでは、通常のHTTPプロトコルの要求と応答をほとんどそのまま使用して、アプリケーション同士の連携を図っている。

 iCAPをサポートしたアプリケーション同士はHTTPプロトコルで通信し、データを処理する。具体的なアプリケーションとしては、Webアクセスの高速化を行うProxyキャッシュや、セキュリティのためのファイアウォール/ウイルスチェック、不適切なコンテンツなどをブロックするためのフィルタリング・アプリケーションなどの一般的なもののほか、例えばコンテンツの内容を翻訳する翻訳サービス、携帯電話やPDAのようなモバイル機器向けにコンテンツの内容を整形するサービス、Webコンテンツに広告や各種の装飾などを施すサービス、コンテンツを圧縮して帯域幅を有効に使うサービスなど、さまざまなものが考えられる。従来ならば、このような機能はWebサーバやファイアウォール・ソフトウェアにおける機能拡張として実現されていたが、機能を増やせば増やすほどサーバ・アプリケーションが複雑化したり、性能向上のボトルネックとなったりしていた。しかしiCAP環境では、これらのサービスを提供する単機能のサーバ同士をiCAPプロトコルで柔軟に結合して構成することにより、シンプルでスケーラビリティが高く、負荷分散能力や耐障害性に優れたシステムを容易に構築することができる。

iCAPプロトコル
iCAPプロトコル
iCAPは、HTTPプロトコルをベースにして、さまざまなネットワーク・サービスを柔軟に組み合わせることができるように開発されたプロトコル。コンテンツのキャッシングや変換、フィルタリングなど、さまざまなサービスをHTTP/iCAPプロトコルを使って結合する。WebサーバとWebクライアントの間にiCAP対応サーバを配置したり、他のiCAPサーバへ要求を振り向けたりして、複数のiCAP対応サーバの機能を組み合わせることができる。

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参考リンク

    iCAP Forum
    ICAP技術の開発・推進を図るための団体

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