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ATX仕様 (ATX specification)

【エー・ティー・エックス・シヨウ】

最終更新日: 2003/02/18

 米Intel社が1995年7月に提案を行ったマザーボード形状の規格。ATXの目的は、それまで一般的だったベビーAT仕様よりも、拡張スロットやメモリへのアクセスを容易にし、メンテナンス性を向上させることだった。

 ベビーATは、その名前が示すとおり、IBM PC/ATのマザーボードを2/3に小型化したもので、Riserカードなどで本体の容積を必要以上に小型化したものを除けば、デスクトップ型のPCからタワー型のPCまで、広く利用されていた。しかしこのベビーATは、10年以上も前に発表されたIBM PC/ATとの互換性を維持しながら形状を変更してきたわけだが、オンボード・デバイスの構成などが当時から比べると大きく異なる現在では、もはやその互換性を維持することが困難になってきた。たとえば典型的な例としては、PS/2マウスコネクタがある。PC/ATでは、マウスは標準ではサポートされなかったため、ベビーAT用のケースには、マウス・コネクタ用の穴は空いていない。USBやオーディオ・デバイスなど、デバイスの小型化と低価格化が進むに従って、多くのデバイスがマザーボード上に実装されるようになると、そのための接続コネクタなどを配置しなければならないのだが、ベビーATではそれらを収容する標準的な手段を確保できなかったのである。

 こうした問題を解決して、新しいデバイス用のコネクタ位置などを標準的な方法で確保し、かつメンテナンス性を向上させるために考案されたのがATXである。またATXでは、CPUの熱対策や省電力対応も念頭に置いて設計がなされた。ATXのマザーボードは、ベビーATのそれを90度回転させた形状にし、正面向かって左側に拡張スロットを配置している。拡張スロットには、CPUのヒートシンクなどがじゃまになることなく、フルサイズの拡張カードを装着できるようにしている。そして右側の奥に外部機器とのインターフェイス・コネクタが配置され、その手前にCPUやチップセットなどが配置される。拡張スロット数としては、最大でPCIスロット×3、ISAスロット×1、PCI/ISA共用スロット×1の合計7個までに対応する。

 熱対策としては、CPUがケースの電源ユニットの近くに配置されるようにし、電源ユニットの電源ファンによって冷却を促すことを考慮している。またオンボードのフロッピー・ドライブ、ハードディスク・インターフェイス用コネクタは、ケースのドライブベイに近い位置に配置され、より短距離のケーブルで接続できるようにしている(ただしこれらの位置は規格で決定されているわけではない)。メモリ用のSIMM/DIMMソケットの位置は、ドライブベイなどの影になってしまうことなく、ユーザーが簡単にメモリの増設を行えるように、CPUと拡張スロットの間、またはCPUの手前側に配置される。

 外部機器とのインターフェイス・コネクタ部分は、コネクタ2段分のバックパネルを確保し、この内部にコネクタを自由に配置できるようにしている。無制限とはいかないまでも、マザーボード上に実装されるオンボードデバイスに応じて、自由にコネクタを配置できるようになっている。

 現在新たに販売されているマザーボードの多くは、このATX仕様を採用している。

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