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超低電圧版モバイルPentium III (ultra low voltage mobile pentium 3)

【チョウ・テイデンアツバン・モバイル・ペンティアム・スリー】

最終更新日: 2001/11/16

 インテルのモバイルPC向けx86プロセッサ「モバイルPentium III」の1種。同シリーズに含まれる「低電圧版モバイルPentium III」よりさらに低い動作電圧に対応することで、消費電力と発熱量を低減している。基本的な仕様はモバイルPentium IIIや低電圧版モバイルPentium IIIと同じだ。最初に登場したのは、2001年1月31日に発表された500MHzのモデルである。

超低電圧版モバイルPentium III
超低電圧版モバイルPentium III
表面実装用のBGAパッケージを採用する。写真提供:Intel

 2001年8月上旬の時点で、超低電圧版モバイルPentium IIIには、500MHzと600MHzの2モデルが存在する。これらが搭載されているのは、サブノートPCやミニノートPCなどケース容積がより小さく放熱が非常に難しいPCや、長時間のバッテリ駆動を必要とするノートPCである。こうしたPCでは、消費電力や発熱量が厳しく制限されるため、モバイルPentium IIIはもとより低電圧版モバイルPentium IIIでも搭載は難しい。そこでインテルは、低電圧版よりさらに動作電圧を下げて消費電力を低減した超低電圧版モバイルPentium IIIを製品化した。

 下表は、最大クロック周波数600MHzの超低電圧版モバイルPentium IIIと低電圧版モバイルPentium IIIのスペックを比較したものだ。どちらのプロセッサにも省電力技術「SpeedStepテクノロジ」が搭載されており、AC電源利用時には性能優先で高いクロック周波数/動作電圧で、またバッテリ利用時には駆動時間優先で低いクロック周波数/動作電圧で、それぞれ駆動される。

項目 超低電圧版モバイルPentium III-600MHz 低電圧版モバイルPentium III-600MHz
AC電源利用時
クロック周波数 600MHz 600MHz
動作電圧 1.10V 1.35V
消費電力*1 6.4W 8.7W
バッテリ利用時
クロック周波数 300MHz 500MHz
動作電圧 0.975V 1.10V
消費電力*1 2.4W 5.0W
超低電圧版モバイルPentium IIIと低電圧版モバイルPentium IIIのスペック比較
*1 熱設計上の消費電力。

 このように、AC電源利用時でもバッテリ利用時でも、超低電圧版Pentium IIIの消費電力は低電圧版モバイルPentium IIIに比べ、約50〜70%と大幅に低減されている。特にバッテリ利用時の差が大きいのは、クロック周波数が300MHzと低く抑えられているからだ(クロック周波数が低いほど、消費電力も小さくなる傾向がある)。性能向上より消費電力の低減、すなわちバッテリ駆動時間の延長を強く意識した設計といえる。

 超低電圧版モバイルPentium IIIの後継として、「モバイルPentium III-M」をベースにした「超低電圧版モバイルPentium III-M」が2001年10月1日に発表されている。

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