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Windows

【ウィンドウズ】

最終更新日: 2007/04/24

 Microsoftが開発したPC/AT互換機向けのオペレーティング・システムの総称。

 Windowsが登場する以前は、キャラクタベースのDOSが利用されていた。しかしキャラクタベースのOS環境では、基本的にキーボードからコマンドを入力して実行するという利用スタイルになり、特に初心者には近寄りにくいものだった。これに対しWindowsは、グラフィックスを多用してボタンやアイコンなどの操作用部品を画面に表示し、これをマウスでクリックすることで基本的な操作が行えるようにした。

 Windows OSの歴史をまとめると以下のようになる(発表年次はすべて米国でのもの)。

■Windows 1.0(1985年)

 Windows 1.0では、マウスを利用したグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)が確立されたものの、複数のウィンドウを重ねて表示させることはできず、タイル貼りのように並べるタイリング・ウィンドウ方式を採用していた。

■Windows 2.0(1987年)

 Windows 2.0では、タイリング方式ではなく、ウィンドウ同士を重ねられるオーバーラップ・ウィンドウの機能が組み込まれた。

 Windows 2.0では、MS-DOSプログラムを全画面/ウィンドウのいずれでも実行することが可能だったが、同時に実行できるのはただ1つに限られていた。

 さらに、80386の持つ仮想8086モードを使って、Windows環境を複数同時に動かす技術が開発され、Windows/386として製品化された。と同時に、Windows 2.0はWindows/286と名称を改められた。

■Windows 3.0(1990年)

 Windows 2.0でも複数のWindowsプログラムを同時に実行することは可能だったが、仮想メモリの機能は用意されておらず、EMSを利用して拡張メモリにアクセスするようになっていた。これに対しWindows 3.0では、仮想メモリ機能が組み込まれ、アプリケーションはシステムのメモリ構成などを意識することなく、大量のメモリにアクセスできるようになった。ボタンなどが3D表示になったのもこのWindows 3.0からである。

■Windows 3.1(1992年)

 Windows 3.0の基本構成をそのまま引き継ぎながら、性能の向上やユーザー・インターフェイスの改良、音源サポートなどのマルチメディア機能を追加したもの。その後ネットワーク関連の問題を修正したマイナー・バージョンアップ版(Windows 3.11)が発表された。

■Windows for Workgroups 3.1(1993年)

 Windows 3.1に対して、ネットワーク機能を強化・改良したバージョン。WFWと略されることもある。米国では、ネットワーク機能を前提とする企業ユーザーを中心にこのWFWが普及したが、残念ながら日本語化は行われなかった。このため日本のユーザーは、WFWに相当するネットワーク機能を、次バージョンのWindows 95の登場まで待たされることになった。

 その後WFW 3.1に対し、プロテクトモードから直接ファイルI/Oを行えるようにした32bitファイル・アクセスの機能、FAX機能を標準搭載したWFW 3.11が1994年に発表された。

■Windows NT 3.1(1994年)

 前身であるMS-DOSとの完全な互換性を設計目標としたWindowsシリーズに対し、OSの内部を根本的に設計し直し、ミッション・クリティカルなビジネス用途にも耐えるようなOSを目指して開発されたものがWindows NTである。このWindows NTでは、マイクロカーネルの技術や、ミニコンピュータOSの設計ノウハウなどを活かし、OSがまったく新規に開発されたが、アプリケーションは従来のWindows向けのものが利用できるようにするなど、互換性も確保している。また32bit API(Win32)の装備により、32bitのアドレス空間を使った実用的なアプリケーションの利用が可能になった。

■Windows NT 3.5(1994年)

 Windows NT 3.1を改良して、必要メモリ量の低減や性能の向上などが行われたバージョン。

■Windows 95(1995年)

 このWindows 95では、従来のものからグラフィカル・ユーザーインターフェイスが一新され、さらにデバイス・サポート、ネットワーク機能などが大幅に強化された。[スタート]ボタンに代表されるように、ユーザーの使いやすさを追求して、従来のものとは大きく操作方法などが改良され、Windowsが本格的に普及する契機となった。日本での発売は1995年11月23日。

■Windows NT 3.51(1995年)

 Windows NT 3.5のマイナー・バージョンアップ。この3.51では、Windows 95とのAPIの共通化、NTFSファイル・システムにおけるファイル圧縮機能のサポート、PCカード・サポートなどが追加された。

■Windows NT 4.0(1996年)

 前バージョンの3.51では、GUI(シェル)がWindows 3.1相当のものだった。これをWindows 95相当にバージョンアップしたのがWindows NT 4.0である。またインターネット接続機能の大幅な改良なども行われた。

■Windows 98(1998年)

 Windows 95をベースに、性能の向上や細部の改良などを加えたバージョン。

■Windows CE(1996年)

 パームトップ型のPCなど、ハードディスクを内蔵しない小型コンピュータ向けのWindows OS。CEはComsumer Electronicsの略だと言われている。Windows CEのユーザー・インターフェイスは、ほぼWindows 95/98のそれに類似しており、WordやExcelなどのアプリケーションの機能制限版がROMに搭載されている。ただしOSのアーキテクチャとしてはWindows NTに近く、異なるプロセッサを搭載システムにも対応できるようになっている。

■Windows 2000(2000年)

 Windows NT 4.0の次期メジャー・バージョンアップ版として、2000年2月に発表された。当初はWindows NT 5.0となるとされていたが、1998年10月に「Windows 2000」という名称になることが正式に発表された。

■Windows Me(2000年)

 Windows 98 SE(Second Edition)の後継として発表されたオペレーティングシステム。16bitコードを一部に含むWindows 9xの系統としては、このWindows Meが最後であり、以後はWindows XPに引き継がれる。機能的にはWindows 98とほぼ同じであり、一部機能追加やデバイス・サポートの強化が行われたものである。

■Windows XP(2001年)

 Windows 2000およびWindows 9x/Meの後継として、2001年末に出荷が開始されたオペレーティングシステム。内部アーキテクチャ的には、Windows NT/2000の改良版という位置付けにある。ただし16bit系Windowsの系列であるWindows 9x/Meの後継としても利用されることも想定している。

■Windows Server 2003(2003年)

 Windows 2000 Serverの後継サーバOS。XML Webサービス・サポート(.NET Frameworkの標準サポート)、Active Directoryの改良、Internet Information Services(IIS)の改良などである。

■Windows Vista(2007年)

 Windows XP後継のクライアントOS。ハードウェアの進歩を受け、その恩恵を最大限に生かせるように再設計された、3D機能などを駆使したAeroというユーザー・インターフェイスが特徴。内部的には、セキュリティやネットワーク機能の向上、デバイス・ドライバ・アーキテクチャの変更などによる信頼性の向上、システムの展開や管理の支援機能の向上などが行われている。

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