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ISA (Industry Standard Architecture)

【アイサ、アイ・エス・エー】

最終更新日: 2002/08/09

 PCの拡張バス規格の1つ。IBM PC/ATが実装していたATバスと呼ばれる拡張バス仕様をベースに、1987年にIEEEにて正式に規格化されたものを、ISAあるいはISAバスと呼ぶ。1984年のIBM PC/ATの登場から、PCIが主流になる1990年代半ばまで、ISA(ATバス)はPCのハードウェアを拡張するための重要な拡張バスとして用いられた。しかし現在は、PCIなど別の拡張手段で代替されるようになり、ISAそのものがPCに実装されなくなってきている。

 ISAは、ATバスでは文書化されていなかった信号のタイミングを明確に規格化したものであり、両者の仕様はほとんど同じである。そのATバスは、IBM PC/ATに実装されたのが最初で、データ バス幅は16bit、アドレス バス幅は24bitだった。バスの動作基準であるクロック信号の周波数は当初6MHzだったが、後に8MHzが標準となった。これらの仕様は、IBM PC/ATのプロセッサである80286と同等であり、ATバスは80286の外部バスのパフォーマンスをそのまま生かせるよう設計されていたといえる。

 またISAは、15個の割り込み要求(IRQ)を備える。ただし、マザーボード上のデバイスにより5個は予約されているので、実質的には10個だけがISAカードから利用できる。割り込み要求の共有は基本的にできない。また汎用のDMAコントローラも用意されており、最大7チャンネルまで利用できる。

 今となっては、ISAの性能は現在のI/Oデバイスの性能にほとんどついていけない。ISAは、メモリ デバイスに対しては最大8Mbytes/s程度、またI/Oデバイスに対しては約5.3Mbytes/sで転送できる。しかし実際には転送時のオーバーヘッドがあるため、実効の転送レートはこれよりも下がる。いずれにせよ、数十M〜数百Mbytes/sという高速な転送レートを必要とする、現在のグラフィックスやディスクに対しては、ISAの性能ではまったく足りないことが分かる。

 機能的にもISAは、PCIなどと比べて足りない点が目立つ。例えば、当初ISAには、割り込み要求やI/Oポートなどといったシステム リソースを自動設定する機能が存在しなかった。そのため、ユーザーが注意してシステム リソースを管理する必要があった。場合によっては、ISAカード同士でシステム リソースが干渉し、正常に動作しないというトラブルが生じることもあった。これに対して1993年には、IntelとMicrosoftが、システム リソースの自動設定機能をISAに加えたPlug and Play ISAという規格を開発し、実装も行われた。現在ISAを備えるPCは、どれもPlug and Play ISAに対応している。しかしPlug and Play ISAは、過去のISAデバイスとの互換性を重視していたこともあり、使い勝手はあまり良くなく、システム リソースの問題を完全に排除することはできなかった。

 当初ATバスが、I/Oデバイスに対して最大1024個しかI/Oポートを提供していなかった点も、後に互換性の問題を生じさせた。そのほか、プロセッサが32bitの386世代になると、プロセッサ自身は4Gbytesのメモリ空間をサポートするのに、ISAのアドレス バス幅は24bitのまま、つまりメモリ空間が16Mbytesしかない点も問題になった。これにより例えば、ISAグラフィックス カードのフレーム バッファがメイン メモリ空間を分断してしまったり、16Mbytesを超えるメモリ空間とISAカードとの間でDMA転送が直接できなかったり、といった不都合が生じた。

 このように欠点の多いISAを代替すべく、1980年代後半から、さまざまな拡張バス仕様が開発された。IBMは、PS/2シリーズのModel 50以上の機種に、MCA(Micro Channel Architecture)という新しい拡張バス仕様を採用した。一方、コンパック コンピュータなど有力なPCベンダは、ISAと互換性を維持しつつ性能や機能などを高めたEISA(Extended Industrial Standard Architecture)を採用した。さらにその後も、PCIやVL-Busなど新しい拡張バスが登場したが、最終的にISAバスを置き換えたのはPCIだったといえる。

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