5分で絶対に分かるモデリング5分で絶対に分かる(1/6 ページ)

» 2011年12月27日 12時00分 公開

0分 モデリングは情報を正確・確実に伝えるためのもの

 システム開発を行う上で最も避けなければならないのは、ビジネスの要求にそぐわないシステムを作ってしまうことです。これを避けるためには、ビジネスプロセスを分かりやすく可視化する必要があります。そこで求められるのが、ビジネスの骨子を見極めて単純化することです。この単純化したものを「モデル」と呼び、単純化したものを分かりやすく表現することを「モデリング」と呼びます。

 ポイントは単純化する際の視点です。例えば飛行機の模型を例に取れば、プラモデルの場合、エンジンなど中身の情報はなくても問題はありませんが、外観の情報は不可欠です。一方、実際に飛ぶ模型飛行機を作る場合、外観よりも、飛ばすための機能や設計を重視することになります。しかしいずれも本物の飛行機とまったく同じ情報は必要ありません。このように、“単純化する目的”に応じた視点から、必要な情報のみを抽出し、関係ないものは捨てたものをモデルと呼ぶのです。

 では、単純化したものを分かりやすく表現するモデリングとは、具体的にはどのように行うのでしょうか? そのためのツール(道具)の1つが、オブジェクト指向という考え方に基づいたモデルの表記法であるUML(統一モデリング言語)です。

参考リンク
5分で絶対に分かるオブジェクト指向(@IT情報マネジメント)

 このUMLには、複雑な情報を分かりやすく表記するための、さまざまな図(ダイアグラム)が用意されています。これには大きく分けて、静的な構造を表す「構造図」と、対象の動的な振る舞いを表す「振る舞い図」の2種類があります。構造図には「クラス図」「オブジェクト図」などがあり、振る舞い図には「相互作用図」「ステートマシン図」「ユースケース図」などがあります。

ALT 図1 モデリングとは、一言で言えば複雑な対象を単純化することだ

 このうち、UMLの基本であり、かつ最も重要なダイアグラムがクラス図です。そして、クラス図を正しく理解するためには、まずオブジェクト図を描いてみることがポイントになります。今回は、クラス図とオブジェクト図を使ってモデリングを正しく行うための基本を紹介します。これを通じて、「今求められているシステムを正しく、確実に作る」という開発の基礎も、あらためて見直してみていただければと思います。

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