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ERPとは、Enterprise Resource Planningの頭文字を取ったもので日本語では、「統合基幹業務システム」や「統合業務パッケージ」と呼ばれています。最近では、中堅中小企業向けのERPパッケージも多数登場しており、比較的安価に導入することが可能です。
ERPを使ったシステム構築と従来の会計、販売といった業務別のパッケージでは何が異なるのでしょうか。例えば、経理処理に対応した会計パッケージと営業管理を行うための販売管理パッケージをそれぞれ経理部門、営業部門で利用していた場合、経営者が直近の正確な売上額を知るためには、経理と営業のどちらに情報を求めればよいでしょうか。
こうしたケースで多くの企業では、経理が出す数値と営業が数値に差異が出てしまいます。なぜならば、別々のシステムではマスタもデータベースも異なるため、当然データのギャップが出るのです。優れた業務システムが必ずしも優れた経営管理システムではないのです。
ERPはこうした個別の業務を効率化するためのシステムではなく、企業全体の経営管理の視点で「すべての業務を統合管理するための仕組み」です。こうした仕組みを構築するためには、業務プロセスを見直して標準化し、すべての業務、部門で1つに統合されたマスタを共有して、売上額などの数値は全社で常に1つの場所で管理する“1 Fact, 1 Place”という考え方とこれを実現する大福帳型のデータベースを持つものがERPパッケージです(図1)。
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