事業イメージを書き出して表現するWebビジネスの立ち上げ、ステップバイステップ(1)(1/2 ページ)

Webを活用して事業を立ち上げるにはどんなステップを踏めばいいのだろうか。イメージを膨らませる段階から、事業として形を成す段階まで、順序よく解説していきます。

» 2007年11月08日 12時00分 公開
[大川敏彦,ウルシステムズ]

 主に関東近郊で中小規模のマンションの販売をしているアーバンライフコミュニケーションズ株式会社は、近年の競争激化により企業淘汰(とうた)が進んでいる現状から、新しい付加価値を実現し、競合企業に対する競争力を身に付けるために、何かサービスを提供できないかを模索していた。

 企画部に勤める入社3年目の北尾は、突然部長から1カ月以内で、企画案をまとめて報告するようにいわれた。

『1カ月で新事業の企画をまとめろといわれても……。やったこともないのにどうしたらいいのだろう……』

 企画部に配属されて3年間、上司のいわれたとおりに経営数値をまとめたりするのがほとんどで、サービスの企画なんてやったことがなかった。途方に暮れて家に帰り、テーブルの上にビールとピスタチオを広げた北尾の目に、昨日届いた同窓会の案内が留まった。

『そうだ、高校の同期の1人にコンサルタントがいたな。そうそう、平松。彼だったら助けてもらえるかもしれない』

 北尾は早速電子メールで問い合わせてみた。夜の遅い時間にもかかわらず、平松はすぐに回答をくれた。いま、プロジェクトが忙しくて直接会うことはできないが、メールだったら問い合わせは可能とのことだった。北尾は、早速、事業企画の仕方を聞くことにした。

新事業企画の全体像

北尾 ぶしつけで申し訳ないけど、まず、新事業企画の全体像を教えてほしいんだけど……。

 北尾は、わらをにもすがる 思いで聞いてみた。

平松 そうですね……。まあ、慌てない、慌てない。それに気持ちは分かりますが、まずは、本を買ってみるなり、ネットで検索してみるなりしてもよいのではないですか。

 なるほど、平松のいうのももっともだった。

平松 まあ、あまり慣れていないようだから今回は簡単に教えてあげましょう。事業モデルを考えるのだっていろいろな方法があると思うけど、まあ、自分なんかが簡単にやるのは以下のようになります……。

 平松は、事業・サービス計画の進め方を簡単に示した。それぞれの概要についても、かなりの文章量になるが、記述してきてくれた。

  1. 事業・サービスイメージの作成
  2. 事業環境の分析・調査
  3. 事業・サービス詳細の検討
  4. 投資対効果の算出・評価
  5. アクションプランの作成

(1) 事業・サービスイメージの作成

 まずは、新規事業・サービスの立ち上げで行う第一歩は、とにかく事業イメージを何かの手段で表現することです。ポンチ絵、図示、文章などどんな形でも構いません。手書きでもよいし、ホワイトボードで考えてもよいし、PC上でワープロ、プレゼンツールなどで作成してもよい。とにかく自分が実現したい事業サービスのイメージを自由に書き出してみること。書き出すことでイメージもより強固になるし、また、ほかの人との共有も可能になり、いろいろな意見も集めやすくなります。

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