コンサルティング・プロモーションは、組織に適用される活動であるため、組織として導入・推進されなければならない。そのための方法論とは?
連載第1回では企画提案にも方法論が適用できること、第2〜4回でそのための方法論であるコンサルティング・プロモーション(C/P)の概要(コンセプトやプロセスなど)を述べ、ツール(技術)であるプロポーザル・レビュー(PR)会議とディスカッション・プロポーザル(D/P)について説明した。
今回は、提案仮説を構築するピースである知見や知識の組織的拡充、PR会議の定着や高度化、D/Pの準備や訓練の進め方などを組織的に推進し、後戻りしないようにするにはどうしたらよいかについて解説する。
コンサルティング・プロモーションは、企画提案の方法論である。ここではコンサルティング・プロモーションの推進自体を、コンサルティング・プロモーションを用いて解説していく。ちなみにこれを「自己記述」という。自己記述性を備えていることは、まともな方法論の条件である。
コンサルティング・プロモーションの導入ビジョンを、下記フレームワークを用いて解説する。
コンサルティング・プロモーション導入の目的・狙いは多くの場合、次のものである。
上記目的・狙いに寄与する基本の考え方が、コンサルティング・プロモーションそのものである。コンサルティング・プロモーションのコンセプトは次の6つである。
コンサルティング・プロモーションを適用した場合に、業務がどうなるかを描いた「在るべき姿」は次のようになる。
組織としては、コンサルティング・プロモーションの推進をミッションとするC/P推進チームを編成する。このチームは、社内の企画提案を行う部門に対して次の役割を担う。
C/P推進チームはコンサルティング・プロモーション導入の初期的には、主に次を行う。
初期段階を終えたら継続的に、定常支援を行うとともに、定期的なC/P推進に関する活動評価を行い、社内への展開と深化の計画を立案する。
C/P導入部門では実際の企画や提案に対してコンサルティング・プロモーションのプロセスを適用し、これを制度化する。そのプロセスの中では、部門として正式に企画提案を承認する必須のステージゲートを定め、部門長が厳格なレビューを行うようにする。
C/P推進チームには、技術的支援、知識や知見の相互触発推進、活動の振り返りと計画立案に必要な人員を配置する。
C/P導入部門では、実際の企画提案テーマについて、フロントローディング(前倒し)の資源配分変更を行う。そして、実際の企画や提案に対してC/Pのプロセスを適用する。そのプロセスの中で、部門として正式に企画提案を承認する必須のステージゲートを定め、部門長が厳格なレビューを行う。
コンサルティング・プロモーションのプロセスを定着・向上させるメタ・プロセスも大切だ。C/P推進チームでは、C/P推進計画の立案、技術支援や知識・知見拡充の促進などの実施、活動の振り返り、活動の調整と計画フィードバックというPDCAを回すプロセスを実施する。
C/P導入部門では、第3回で解説したコンサルティング・プロモーションのプロセスである9つのステップを実施する。
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