いったん運用開始したシステムをメンテナンスしていくにはどうするか。まずは現地視察を重要視することから始めたい。
ネットワークを利用するシステム(業務システムや、お客さま向けのインターフェイスを提供するシステムなど)が、正常な稼働を続けるために人間がやらなければならないことはたくさんあります。システムは人間の体と同じで、病気になることもあれば(ウイルス、ワーム感染)、ご機嫌ナナメになったり(レスポンス悪化)、どこかけがをしたり(ハードウェア故障)、集団にいじめられたり(DDoS)します。システム管理者にとってはかわいいわが子のようですね!
「いや……、やつのおかげで残業が続く」という愚痴も聞こえてきそうですが、システムは子どもと同じで、日々かわいがらないとドンドン非行に走るものです。
さて、これから数回、「デリケートなシステム(わが子)をどのようにしてメンテナンスする(面倒を見る)か」についてマジメに考えてみたいと思います。何か起きたり、最近新たにサーバを立てたわけではないけど、私たちが普段やっていて、とても役に立つことをご紹介します。「もしかしたらこれはやらなくてよいかも?」というものが出てくるかもしれません。子育てにカンペキがないのと同様に、システム管理にも王道はあれどカンペキはありません。ポイントは生真面目になり過ぎず、優しさと愛情を持って接することです。
サーバでもネットワーク機器でも、一度設置してしまえば後はリモートで接続してメンテナンスするのが世の常となりつつあります。現在ではダイヤルアップでの接続に加え、VPNでのリモート接続、コンソールサーバなど手段はさまざまです。一度作ってしまえば、いろいろなことがリモートでできてしまうため、現場に出るチャンスは少なくなる一方ではないでしょうか。分業が進む世の中ではますます現場を見ることは少なくなっていくかもしれませんね。
カーツ!!!
現場視察は定期的にやりましょう。某映画でも有名なせりふですが、事件は現場で起きます。事件(障害)が発生した時、現場に迅速な対応ができる設備や部品はそろっていますか? 現場に行ってみてください。そして自分が装置交換をしている姿をイメージしてみてください。すべての工程をイメージできますか? ぜひ現場視察を定期的にやりましょう。30分いるだけで、
「予備ケーブルはなくていいんだっけ?」
「このランプって赤でもいいの?」
「あれ?実装時に1U空けといたつもりがケーブルが邪魔してる……」
「タグ表記、微妙に間違ってる……」
「異音がするなぁ……」
「通信手段の固定電話が遠い……」(PHSなどがない場合)
「ディスクの予備品は近くにないとまずいな……」
「ホスト名が貼られていない」(貼らないことをポリシーとする人もいますが)
このように、素朴ですが重要な疑問がたくさんわいてきます。リモートでは気付かないさまざまな発見に出合えるはずです。
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