サーバの健康診断してますか?目指せ! ネット時代の幸せな管理者(7)(1/2 ページ)

情報システムではサーバが重要な役割を果たす。サーバの監視はIT管理における1つの要だ。ではサーバの何をどのように監視すればいいのか、基本から紹介する。

» 2008年03月05日 12時00分 公開
[山崎 佑司,@IT]

 前回から、「システムをどのようにメンテナンスするか」というテーマでお話をしていますが、今回はシステムを形作る上で、ネットワークインフラと並んで重要な要素であるサーバに着目して、監視にまつわるお話をしてきたいと思います。

常に状況を把握するということ

 情報システムにおいて、サーバの担う役割は非常に重要です。実際の業務アプリケーションやWebアプリケーションは、サーバ上で起動され実行されて、はじめて利用可能な状態になるわけですから、中核となるコンポーネントであることは間違いありません。こうした、システムの心臓のような役割をするサーバですから、その挙動を常に把握しておく必要があります。

 日々変化していくサーバの状態を常に把握していくために、24時間、担当者がサーバに張り付いているわけにもいきません。そのため、状況把握をある程度自動化するために、やはり監視システムを導入するところから始めていきましょう。

 しかし、一言で「サーバの状態監視」といってもさまざまな対象や手法が存在します。ここではどういった情報を監視し、把握していけばよいのかを考えていきたいと思います。

1. サーバが動いているかどうか [死活監視・ポート監視]

 まず、そもそもサーバ自体(OS自体)が稼働しているのかどうかを把握していきましょう。

 真っ先に実施すべきなのは、死活監視です。情報システムは、クライアントへネットワークを介してサービスを提供していますから、ネットワーク・コネクティビティが確保されているかどうかを監視します。具体的には、外部ホストからのpingに応答するかどうか、ということになります。

 ping応答が正常かどうかの管理ができるようになったら、次はサービスが正常に提供できているかどうか、を把握します。

 情報システム内において、サーバはさまざまなサービスを提供します。一般的なものでは、HTTP(HTTPS)サービス、FTPサービス、DNSサービス、メールサービスなどがあります。また、特定の業務アプリケーションサービスを提供しているケースも多々あると思います。

 現在のサーバにおいて、これらのサービスはTCPやUDPを用いて提供されていることがほとんどですので、外部ホストからTCP/UDPのポート番号を指定し、実際に接続をしてみることで、サービス状態を確認することができます。

 ここまでは、非常に基本的なサーバ稼働状態の把握作業です。サービスを提供しているサーバでは、最低限、このレベルまでの状態監視を常に行っている必要があります。

2. サーバは困ってないか [リソース監視]

 さて、サーバは、CPUやメモリ、ハードディスクやネットワークなど、様々なリソースを利用しながらサービスを提供しています。

 非常に大量のアクセスやプログラムのエラーなどの原因で、CPUやメモリのリソースを大量に消費してしまうと、サービスの提供を継続できなくなったり、サービスの質が落ちてしまったりします。

 そこで、今、サーバのCPUはどのくらい利用されているのか、メモリの空きはどのくらいあるのか、といったことに常に気を配る必要があります。また、ハードディスクの利用率は、ログやデータの増加によって、日々増えていきますが、空き容量を把握していないと、気付かないうちにディスクの空き容量がなくなってしまい、OSやアプリが停止してしまうこともあります。

 また、ネットワーク帯域にも気を配ります。前にお話ししたとおり、大半のシステムはネットワークを介してサービスを行っています。また、アプリケーションが必要とするネットワーク帯域はコンテンツがリッチになるに従い、増加傾向にあります。ネットワークの利用率が知らず知らずのうちに増加し、サービスを提供するために必要なリソースが確保できないということがないように管理していきます。

 これらのリソースの状態把握は、ハードウェアの増強タイミングを検討するための材料にもなりますので、定期的にチェックしていけば、データを有効に利用することができます。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ