日本ではあまり話題にならないので知らない人も多いと思うが、円安人民元高が続いている。昨年比で15%人民元高となっており、中国オフショアベンダを苦しめている。この問題は、どう解決すればよいのだろうか。
今回は、円安人民元高の為替変動によって利益が圧迫されている中国ベンダの悩みを紹介します。この問題は、すべてのオフショア開発マネージャや営業担当者、経営幹部に考えていただきたいテーマです。筆者がこの問題に気付いたきっかけは、日本語が堪能な中国人から届いた1通のメールでした。
相談者の友人は、中国で数百名規模の日本向けオフショア開発ベンダを経営しています。中国シフトの波に乗って、これまで順調に業績を伸ばしてきました。ところが、最近は円安に悩まされているのです。以下に相談者から届いたメールを紹介します。
日本ではあまり報道されませんが、現在、人民元の相場は前年比で15%ほど円安人民元高が進行しています。さらに人件費の高騰も重なって、二重の負担が中国ベンダの経営を圧迫しています。中国沿岸部地域では、IT技術者の人件費は平均で前年比15%アップに達しています。両方を合わせると、前年比で35%の減益です。もともと売り上げを優先させるために、当社では採算ラインギリギリの単価で仕事を取っていました。これではどう頑張っても、35%の減益を吸収することは不可能なのです。
かといって、為替変動を理由に受注単価の見直しは難しいといわざるを得ません。友人は「このままでは、オフショア開発というビジネス自体が成り立たなくなる」とまで考えています。皆さまは為替問題についてどのようにお考えでしょうか。そして、どのような対策を考えているかをお聞かせください。
(日本企業に勤務する中国人読者)
早速、読者アンケートを実施しました。極めて経営寄りの戦略性に富んだテーマなので、回答数はこれまでと比べて少なかったです。
筆者の元に届いた読者の意見を紹介します。
1.原価の低減
2.高付加価値化
が必要ではないかと思っております。
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