今回は、これまでに取り上げてきた「作業分解型」WBSおよび「成果物分解型」WBSの双方を良いとこ取りした「ハイブリッド型」WBSを解説する。
前回は「成果物に分解」するパターンのWBSについて紹介しました。
今回は、「作業に分解」するWBSと「成果物に分解」するWBSの表記方法の良いとこ取りをした「ハイブリッド型」WBSを紹介します。
さて、連載2回にわたって、「作業分解型」と「成果物分解型」のWBSを紹介しましたが、読者の皆さんはどちらのWBSを使うでしょうか。双方とも長所と短所があり、一概にはどちらが良いとは言えません。それぞれは場合に応じて使い分けが要求されます。次の図を見てください。
成果物型のWBSは必要な成果物の漏れを減らし、スコープ外の作業を排除しやすい一方、WBS作成の段階で大きな要素成果物をすべて定義しなければなりません。
理想としてはWBSを定義してからプロジェクトの作業を行うのが好ましいのですが、顧客の要望によっては、成果物はプロジェクトの初期の段階には定義できず、走りながら考えなくてはならない場合もあります。そうしたときに、成果物を定義してからでないとWBSが書けないというのでは「融通が効かない」ととられてしまうかもしれません。
一方、作業型のWBSは成果物を定義せずにWBSを作成できますが、必要な成果物が漏れてしまったり、スコープ外の作業が紛れ込んだりと不都合な点もあります。
では、どうすれば良いのでしょうか。1つの解決策が「ハイブリッド型WBS」の採用です。つまり、成果物型と作業型のWBS双方の短所を補完し合うWBSの採用です。
ハイブリッド型WBSとはどのようなものなのでしょう。次のページの図を見てください。
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